滞納した固定資産税は、どこからとれるのか?
土曜日だけど通常ネタ
最初のQ ある不動産について、信託を原因とする所有権移転登記がなされた後、当該不動産に対して、委託者(元所有者)が先に滞納していた固定資産税(平成18年1月1日現在所有している不動産に対するもの)に係る滞納処分を執行する(課税庁が当該不動産を差し押さえる)ことは可能なのでしょうか。
A.滞納処分を理由として課税が不動産を差し押さえるのは難しいと考えます。
理由の要旨は
固定資産税の納税義務者は1月1日に不動産を所有している人、だからもしその所有者が固定資産税を払っていない場合は、その所有者の不動産や他の財産を差し押さえることはできるし、もし不動産を売却しているなら売却代金を差し押さえることはできる。
でも不動産が売却されて他人の物になった場合、その他人の持ち物にまで差し押さえをすることは原則的には難しい。だって買主は固定資産税が払われていないことなど知らないし、知る義務もないのに、ある日突然差し押さえなんてリスクがあるなら怖くて不動産なんて誰も買えないから。
これは何も売却しているケースには限らない。たとえば信託した場合も、実質的な所有者は自益信託の場合は変わらないけど、形式的には所有者が変わるから。
ただしこの信託が債権逃れであるということが証明されたような場合は、差し押さえは可能でしょう。
で、みうらさんのコメント
信託受益権を差し押さえるしかないでしょうね。
信託大好きおばちゃんのレス
そうですね。信託受益権に含まれている不動産には差し押さえの効力はないけれども、信託受益権をその不動産の所有者が所有し続けている場合には、信託受益権も固定資産税の債務者の財産の一つだから差し押さえは可能でしょうね。
でももし、その信託受益権を第三者に売却したような場合は、そしてその売却が真正売買(TRUE SALE)といわれるようなものであるならば、信託受益権に対して差し押さえはできないでしょう。もちろん信託受益権売却代金を差し押さえることはできると思いますが、
固定資産税だからイメージしにくいですが、この第三者をSPCと置き換えたら、なぜ流動化スキームでSPCをかますか理解できると思います。すなわちオリジネーターの倒産リスクから信託受益権を隔離させるためです。
なおアメリカでは浪費者信託というのがあって、信託受益権を所有している受益者が破産しても、債権者が受益者の持つ信託受益権に差し押さえができないというようなものすごいパワーをもつ信託があるようですが、日本では、さすがに制度として設けていませんね。
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