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2006年10月26日 (木)

使える合同会社 ANAとインターコンチネンタルの合弁

平成181025日の日本経済新聞の夕刊によると合同会社の設立件数が1,000を超えたようです。

当初は、使えない、使えないと散々言われ、SPCのようなビークルに活路を見出せそうだというような感じもありましたが、そんな懸念はなくなりつつあるようです。

ANAとインターコンチネンタルホテルズグループは、合弁で合同会社を作ってます。プレスリリースをはしょって説明すると、

ANA2つの100%子会社があります。略称でいきなり書きますが、AHR社とAHRホールディングス社です。どちらも株式会社。AHRを増資して、AHR社を株式会社から合同会社に組織変更します。そしてANAの持っていたAHR社の出資の75%をIHC(インターコンチネンタルグループの100%子会社)に譲渡し、1%をAHRホールディングス社に譲渡します。次にANAの有するAHCホールディングス社の株式のうち66%をIHCに譲渡します。

最終的にAHRの株をANA24% インターコンチネンタルは75%直接所有し、ANAとインターコンチネンタルが1:2の割合で所有するAHRホールディングスが1%所有することになります。

そしてこのAHRホールディングスがAHRの唯一の業務執行社員とするように定款で決めます。このことによりAHRの運営が非常にうまくいくようです。それはなぜか。

---------------------------------------------------------------------------------------会社法第590条(業務の執行)によると

 社員は、定款に別段の定めがある場合を除き、持分会社の業務を執行する。

 2 社員が2人以上ある場合には、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、社員の過半数をもって決定する。

上記の例にあてはめるとAHR社は社員が3人いる会社なので、持分会社の業務は社員の過半数で決めるのが原則だけど、多忙な3社の人が頻繁に話し合って決めるのは物理的に難しい場合もあります。でも定款で業務の執行はAHRホールディングス1社と決めると、AHRホールディングだけで決めることができるので運営しやすいのでしょう。

そして実際に職務を執行する人(AHR社の経営をする人)を選任等する場合で、社員が法人の場合は、その法人にとって会社法第362条第4項第3号の「支配人その他の重要な使用人」に該当するので取締役会の決議をしないといけないと解釈されているようです。でもANAやインターコンチネンタルのようなグローバル企業の取締役会で重要性がどのくらいあるかわからない子会社の役員の選任を決議しないといけないというのも大変ですよね。で、それについても1%の持分を所有しているAHRホールディングスにまかせるとしておくと、その手間も省けるということでしょうか。

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第591条(業務を執行する社員を定款で定めた場合)

 業務を執行する社員を定款で定めた場合において、業務を執行する社員が2人以上あるときは、持分会社の業務は、定款に別段の定めがある場合を除き、業務を執行する社員の過半数をもって決定する。この場合における前条第3項の規定の適用については、同項中「社員」とあるのは、「業務を執行する社員」とする。

 2 前項の規定にかかわらず、同項に規定する場合には、支配人の選任及び解任は、社員の過半数をもって決定する。ただし、定款で別段の定めをすることを妨げない。

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