« 新日英租税条約の適用はいつの所得からか | トップページ | やっと国会審議か 信託法 »

2006年10月24日 (火)

減価償却の耐用年数の減少

本日の日経新聞によると、政府は経済活性化の税制の柱として減価償却の耐用年数の短縮を考えているようです。

以前、減価償却できる限度が、取得価額つまり買ったときの値段の95%相当額までとなっているのを100%まで引き上げましょうという動きがあることを書きました。

今回は、たとえば今まで10年の耐用年数だったのを5年にかえましょうということです。

これはどういうことかというとたとえば100万円でかった備品を10年間で定額法、残存価額0で減価償却するということは、

毎年 減価償却費 10万円 減価償却累計額 10万円 というような仕訳をきるから、毎期、減価償却費という損金(税務上の費用)が発生します。通常損金が発生すると、その分お金がでていくのですが、減価償却の場合はお金がでていきません。そうなると毎年10万円ずつ会社の内部にお金というか資産がたまっていくことになり10年たつと100万円お金がたまるから、当初使った100万円が回収できるというようなものです。

この耐用年数が10年から5年に短縮されると 毎年、20万円ずつ減価償却できるからお金が20万円ずつたまっていって、5年後に100万円のお金がたまり、投下資本が5年で回収できるようになります。

設備投資の活発な企業は、当然投資のためのお金が必要であり、それを借入金で賄うと利息などの費用がかかります。

減価償却の耐用年数を短縮させることにより、投下資金の回収が速くなると、新たな設備投資のための資金を自分の会社の中で積めるからメリットのある制度ですね。減価償却の耐用年数の短縮は、トータルで損金となる金額が減少するわけではないですが、

日本の税務上の減価償却費として毎期損金となる金額は、会計上減価償却費として計算した金額が限度です。

これはどういうことかというとたとえば会計上減価償却費を20と計上したけど 税務上の減価償却費が15の場合は、税務上 15は損金となるけれども5部分は、償却超過額というように処理されます。

でもたとえば 会計上減価償却費を10計上したけど、税務上の減価償却費は15の場合、税務上、15まで損金となりません。10しかならないんですね。

たしかアメリカの場合は会計上の減価償却費と税務上の減価償却費は分離されていて 会計上10しか減価償却費を計上していなくても、税務上は15まで計上できます。

当然 会計上の減価償却費は少ないから、決算上に表示される利益は大きくなります。また税務上の減価償却費は大きいから、支払われる法人税等は小さくなり、企業側にとっては非常に好都合なんですね。

でこのアメリカ張りに会計上の減価償却と税務上の減価償却を完全に分離させるようなことは、今回の改正でもないようですね♪

|

« 新日英租税条約の適用はいつの所得からか | トップページ | やっと国会審議か 信託法 »

コメント

うっかりしていました。
25年というのは誤りですね。

耐用年数10年なので、回収できる投下資本は、4万×10年で40万円が限度ということになるのではないでしょうか。

この考え方はおかしいでしょうか。

投稿: やまもと | 2008年3月28日 (金) 01時18分

お世話になります。いつも勉強させていただいております。


投下資金の回収が早くなる点は、その通りだと思います。しかし、「耐用年数で」投下資金が回収されるというのは"まやかし"だと考えています。

「減価償却の場合はお金がでていきません」ではなく、「お金は既に出ていってしまっている」状態です。さらに、「毎年10万円ずつ会社の内部にお金というか資産がたまっていくことになり10年たつと100万円お金がたまる」ということはないと考えるのです。

減価償却費10万円×実効税率分、その分だけ資金流出が減る、すなわち資金が貯まることになります。しかも黒字の場合に限ってという条件付です。

実効税率を仮に40%とすると、毎期4万円だけ資金が貯まっていくことになります。投下資金100万円を回収するには、耐用年数10年の場合、25年かかることになります。その間に赤字があれば、回収はさらに遅れることになります。

・・・と私は考えるのですが、気になりましたので、コメントさせていただきました。

投稿: やまもと | 2008年3月27日 (木) 11時08分

固定資産税上は、5パーセントを堅持するそうです。
法人税法・所得税法は、1円まで認めるが。

投稿: みうら | 2006年11月 2日 (木) 19時37分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/143467/12399430

この記事へのトラックバック一覧です: 減価償却の耐用年数の減少:

« 新日英租税条約の適用はいつの所得からか | トップページ | やっと国会審議か 信託法 »