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2006年10月20日 (金)

京セラの移転価格追徴税の還付

平成181020日の日経新聞によると「「移転価格」追徴で異議一部認定、京セラに43億円還付へ」ということのようです。

移転価格税制というのは、先日も書いたのですが、国と国の税金の取り合いのようなものです。

通常、このような移転価格税制で争うようになった場合のブロセスは、国税が追徴として××億円いただきます!と更正(命令みたいなものかなあ)をします。会社側としては、不満でも支払わないわけにはいかないのでとりあえず支払います。

そして会社側は次に解決するために通常、2つの方法を同時並行で行ないます。1つは異議申し立てを国に対してします。もうひとつは2国間協議をしてこちらで支払った税金に対応する所得に関して、相手国で払った税金を支払って税金を返してもらうようにします。2国間協議がうまく合意をした場合は相手国で支払った税金を返してもらいます。でも交渉って必ずうまくいくとは限りません。そこでうまくいかなかった場合の保険として異議申し立てを行い、日本の国内で移転価格税制の是非を争います。

なお納税者が青色申告者の場合は、異議申し立てをふっとばして審査請求という制度からスタートできるのですが、審査請求の結論は、相互協議にも影響をあたえるので、柔軟な交渉が相手国とできなくなるから審査請求スタートは行なっていないようです。

京セラのケースは、相互協議でどーだこーだというようなものでなく、純粋に日本国内で異議申し立てをして、その結果、国側が自分たちの非を認めて、一部還付を認めたということのようです。国がいったん振り上げたこぶしを下げるなんてめったにないことなので、よほど誰が見てもやりすぎ!というような追徴税額の算定だったのではないかと思います。

国税の人は税金のプロかもしれませんが、取引価格のプロでは決してないと思います。ですから国税が推定してはじきだした価格の決定プロセスを精査すると、ちょっとそれは違うでしょ!というようなところがあるのかもしれません。

京セラ側は、この更正の一部取消で満足せず、今後も国税等と争っていかれるそうです。外野としては、いままで移転価格の問題についてどこが争点で、どのように判断されたかが、いまいちわからない状態でした。でももし裁判になるとおそらく判決文等が公表され、有識者がいろんな雑誌で論文やらコメントやらを出されると思いますので、理解が深まり、ありがたいなと思っております。

会社の方々や関係者の方々はこれからも大変だと思いますが、是非がんばっていただいて、今後の移転価格税制の法的安定性に貢献していただけたらと思います。

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コメント

ありがとうございます。
TPに関しては法律上明確にされていない要素が強いので、企業側の不満がすごくあるのですが、
今日、経済産業省が、財務省・国税庁に対して改善を求める記事が出てました。不謹慎かもしれませんが、これはかなり面白くなりそうです。
でもTP研究会には、財務省からも人が出るみたいだし、思い切ったこと言えるのかな~?なんて思います。
でも経済産業省と財務省とのぶつかり合い(?)により、納税者にとってよりわかりやすくなればいいですが。。。わかりにくいから仕事ある部分が多いので、わかりやすくなったら自分としては困るのかな(笑)。
あまり過激な意見は書けませんが、これからも楽しくブログ拝見させていただきます!!

投稿: TP | 2006年10月31日 (火) 19時18分

おはようございます TPさん 信託大好きおばちゃんです。
コメントありがとうございました。

私はTPさんやTPANALYSTさんと違って、まったく まったくTPの業務に従事していません(笑)。

まわりに優秀な人が結構いるので教えていただいているだけです。

これからもいろいろ教えてください。よろしくお願いします。

投稿: 信託大好きおばちゃん | 2006年10月31日 (火) 07時29分

信託大好きおばちゃんも、TPアナリストさんもすごいですね。私はTP専門で仕事していますが、よくわかってらっしゃいます。本当はもっと詳細に言えればいいですが、ほとんど守秘義務の世界なので新聞以上のことはなかなか言えませんよね。でも楽しみにしていますので、今後とも頑張ってくださいね!!

投稿: TP | 2006年10月30日 (月) 20時26分

transfer pricing analystさん おはようございます。信託大好きおばちゃんです。

さっそく拝見しました。 税務に特化して、それも国際課税よりというのは、レアでいいですよね。

移転価格税制は、今後も非常に旬ですので、是非、ブログで盛り上げてください

今後ともよろしくお願いします♪

投稿: 信託大好きおばちゃん | 2006年10月22日 (日) 09時42分

移転価格課税と国税調査と国際税務を取り上げてます。暇なときには立ち寄ってくださいね。

投稿: transfer_pricing_analyst | 2006年10月22日 (日) 00時43分

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