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2006年10月 3日 (火)

自己株式を低額で譲受けた場合

こころぐがメンテナンスに入ったので、昼下がりにアップしました

1. 自己株式の取得って

自己株式の取得というのは、ある株式会社が発行した株式を株主から買い取ることです。

この取得した自己株式を、発行会社は、消却(なくしてしまう)することもできるし、再度、株主に売却(新株発行と同じような手続を踏まないといけないのですが)することもできます。

会社法上はいくらで自己株式を取得することもできます。だから100円の価値のある株式をただで取得する事だってできます。

2. 税法上はどうなのか

 100円の価値のある株式をただで取得するような行為って、おおよそ普通の経済人ではやりませんよね。でもたとえば血の繋がった親族間ではありえるかもしれません。やっぱ親は子供がかわいいから、自分の財産を最小のコストで子供に渡したいと思うでしょ。そんな経済的に合理的でないような取引をした場合は、税法上は、経済的に合理的な値段で取引をしたとみなして税金をかけるという考え方をしています。

で自己株式の話にもどって、100円の価値のある自己株式をたとえば20円で会社が買い取って、株主に代金を支払った場合はどうなるのか。

 これは平成18年の税制改正の前と後で考えます。

①平成18年改正前は

改正前は、自己株式の取引というのは、株式を売却する株主にとっても、株式を買い取る会社にとっても通常の取引であると規定していました。そうすると100円のものを20円で買い取るような取引をした場合、20円しかもらわなかった株主は、いったん100円で株式の売却代金を受けとて80円分、会社にプレゼント(寄付)したものと考えます。そうすると80円分について原則的には税金がかかるようになります。

また買い取る会社側も100円の価値のあるものを20円でもらったということは80円得したので、この部分については税務上利益として計上して税金がかかるようになります。

②平成18年改正により

ところで平成18年の改正により自己株式を取得した場合の会社側の処理について資本取引であるというように改正されました。資本取引というのは、一旦課税されたお金の出資を受けた場合の取引といったらいいのかな。よく説明できないのですが、大事なポイントは、今の考えでは資本取引だ!となると、時価課税の原則というのが適用しなくなるのです。つまり100円の株式を20円で取得しても80円に対して税金がかからない。ただし株式を売却した方は、通常の取引と考えるので100円で売却して、80円プレゼントしたから80円は課税となるのですが、

こんなふうに取引の両サイドで課税に対する取扱が異なるというのが論理的な結論です。

でもこれっておかしいですよね。取引の両サイドで取扱が異なり、資本取引になるとブラックボックス化してしまうというのは、

だからあからさまなものは否認されるかもしれませんが、どのように論理構成するのでしょうか♪ 楽しみです。

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コメント

はじめまして。いつも楽しみにしています。

ひとつめ。
自己株式の低廉譲渡なんて同族会社ぐらいしかやらないと思いませんか?株主間の価値移転として贈与税がかかるのに、株主から法人への価値移転として法人税もかけるのはおかしいと思いませんか?

ふたつめ。
新株の有利発行は昔から株主側のみ課税なんですが。資本取引っていうのは取引の両サイドで課税が異なるものなのですが。

みっつめ。
低廉譲渡じゃなくて逆に高額譲渡の場合に取得側の法人に寄附金を枠内で損金認容すべきだと思いますか?

投稿: なおと | 2006年10月 7日 (土) 00時31分

いつも楽しく読ませていただいています。
素人なのでよくわからないのですが、
自己株式ですが、取得は損益取引、譲渡は資本取引と
勝手に理解していたのですが・・
理解不足の点教えていただけないですか?
http://www.smbc-consulting.co.jp/company/solution/special/special_05/point_03.html

投稿: むと | 2006年10月 4日 (水) 12時50分

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