株式交換というのは、既存の会社の100%子会社にするために、対価として株式をわたすようなものです。実質的には、株式の譲渡契約だけど代金を株式でもらうというようなものですが、会社法では合併や分割とならぶ組織法上の行為として位置づけられています。
この株式交換は第三者間だけでなくグループ会社間でも利用されています。たとえば孫会社を子会社にするようなスキームを考えた場合も利用されています。で今日はこの孫会社を子会社にするような事例での問題点は何かを書きます。
事例は シンプルに A社 →(100%) B社 → (100%)C社
でこの資本関係を A社 →(100%)B社
→(100%)C社
というように変えるためにA社とC社が株式交換をするのですが、C社の株主B社にA社株式を交付しない。なぜならA社株式をB社に交付するとB社は親会社株式を所有することになり、いずれは処分しないといけないからです。 それなら株式交換を無対価で行った方が効率はいいでしょ。
このような株式交換は適格株式交換に該当するか?
平成18年の税制改正までは、孫会社を子会社にするために、子会社が孫会社株式を譲渡した場合の譲渡益は税務上利益としてみませんよという規定があったのですが、これが平成18年の改正でなくなりました。
平成18年の税制改正により株式交換、移転もほかの組織再編と同じような理論の下で規定されるようになったのですが、このような孫を子にするような場合、適格株式交換として、株式交換時点での孫の含み損益の計上がなされないことになるかどうかというのがいまいちファジーです。
同一者による100%支配の下での株式交換というのは規定されていますが、このようにAとCが間接的に100%の関係にあることまでも規定していないようにも思われます。なるほど50%超資本関係の場合の適格株式交換の規定はあるのですが、この規定は100%未満の資本関係を規定しているものですし。
ただ実務上は100%孫を100% 子にするような株式交換は適格だということで動いているという話を人づてにお聞きしましたが。
で、このような100%孫を100%子にするような株式交換については、とりあえず税制上適格であるという前提にたつとして次の疑問が、
それじゃ、B社の仕訳はどうなるの?
たとえばC社の株式のB社における帳簿価額が100円で、C社株式の時価が150円の場合
税務上の仕訳はどうなるの?
A社の仕訳は C社株式 100円 資本等 100円
B社の仕訳は ?
C社の仕訳は なし
もしB社が株式交換の対価としてA社株式を受け取った場合であるならば、仕訳は
A社株式 100円 C社株式 100円となります。
B社にとっては、株式交換の前後で株式を取得し続けているので、実質的には投資が継続されているから、株式交換の時点で時価譲渡をしたとして課税することは、繰り延べられます。
しかし本件の場合、B社において、C社株式はでていきますが、対価として何ももらっていない。ということは、投資が継続されていないので株式交換の時点で時価で譲渡し、本来は時価分対価をもらわないといけないけれども対価をもらわなかったので、その分は親会社に対する寄付金である。つまり一定の限度額を超える部分については税務上費用にならないようなものだとも考えられます。だから仕訳は
寄付金 150 C社株式 100
譲渡益 50
そうすると100%孫を100%子にするような無対価株式交換の場合は、この株式交換が適格であるなら、孫の会社の含み損益は計上しなくてもいいけど、子において株式交換時点で、株式の時価譲渡、寄付金課税が発生するとも思えるのですが、この考えは間違っているのでしょうか?