« サムライ債の取り扱い 最新情報 | トップページ | これからMBOはどのように行うのだろう »

2006年11月 1日 (水)

信託宣言したら

今、国会で審議中の信託法ですが、この目玉の一つが信託宣言です。

信託宣言って何かというと、自分が持っている財産を自分に信託するようなものです。現行の信託法では、他人に信託することと定めているため信託宣言はできないとされています。

この信託宣言で信託をしてしまったらどうなるのか。自分の持っている財産を信託宣言すると自分の財産じゃなくなる。それでは誰のものか? その信託の受益者のものになるのです。自分で信託受益権を持っているならば、自分の財産であり続けるのですが、その信託受益権を誰かに売った場合は、信託受益権を買った人の財産になるのです。

悪い人がいて、倒産から自分の財産を守るために、あえて信託宣言をして、信用できる人に信託受益権を渡すということもあるかもしれません。このような悪巧みをとめる規制は作っているのですが、もし信託受益権を譲り受けた人が善意の第三者だったら、財産を取り返すことが難しいですね。

この信託宣言が実現すると(他の信託法の施行より1年遅れるようですが)、企業はよりコストと時間をかけず、資金調達ができるようになります。証券化して資金調達をするツールとして、ほかのビークルとの競争に対して圧倒的に優位にたてる可能性があります。

規制というと信託業法の規制(まだ改正はされていませんが)があります。事業会社が信託宣言をして信託受益権を50人以上の投資家に販売するような場合においては、事業会社において兼業規制を受けるようです。どのようなものかというと

〇本体の収益バランスが良好であること、

〇流動性資産が十分であること

〇財務指標などにより本体の健全性が客観的に担保されること

ただ信託宣言をして信託受益権を売却するようなスキームは、税制がどうなるかわかりませんが、おそらく投資家50人以下を対象にするのがほとんどのような気がします。やっぱり規制は大変だから。今のSPCを作って、少数の匿名組合員が出資してというスキームと競合になるのかもしれませんね♪

参考 重道武司 信託法改正後のビジネスの留意点 2006.10 スタッフアドバイザー

|

« サムライ債の取り扱い 最新情報 | トップページ | これからMBOはどのように行うのだろう »

コメント

TPアナリストさん おはようございます。信託大好きおばちゃんです。

いまのタックスヘブン税制はざる法というのは、わかります。ただ個人の持っている外国の投資信託の利益を補足するのは今後もむずかしい。

個人は基本的には帳簿を持っていないから評価損益を計上するのは難しいし、投資信託が法人だ!としても外国の投資信託である限り、配当で還流しないと課税できない。だって外国の会社の利益だって配当で還流した時点で課税でしょ。

投稿: 信託大好きおばちゃん | 2006年11月 2日 (木) 07時26分

fredyさん おはようございます。信託大好きおばちゃんです。
ブログ拝見しました。

なかなか鋭くて面白いですね。またこれからも遊びにいらしてください。

よろしくお願いします。

投稿: 信託大好きおばちゃん | 2006年11月 2日 (木) 07時19分

信託は来年度の税制改正の目玉商品のようです。海外のファンドで特定信託としてタックスヘイブン課税ができないようなタイプのファンドは敵視されていますからね。今の課税の仕組みは、財務省いわく「ザル法」だそうです。
オーナー社長やらで海外信託に溜め込んでいる人は、キャピタルゲインが発生しない形でファンドを清算できるようなスキームを考えておかないと泣くことになるかも。

投稿: tpanalyst | 2006年11月 1日 (水) 20時45分

よく拝読させていただいております。とても勉強になります。私のブログはストレス発散のためにやっているようなものですが、お手隙なときは覘いてみてください。

投稿: fredy | 2006年11月 1日 (水) 17時25分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/143467/12510309

この記事へのトラックバック一覧です: 信託宣言したら:

» 日銀の展望(=占い)リポート [不動産と景気・経済]
日銀はたかが物価の番人である。経済動向を予測するのも物価の安定に資するためである。年内に利上げも在り得るという利上げの根拠を福井総裁は①行き過ぎた設備投資②過熱する不動産市況を挙げているが、現場感覚が全く無い占い師である。... [続きを読む]

受信: 2006年11月 1日 (水) 17時18分

« サムライ債の取り扱い 最新情報 | トップページ | これからMBOはどのように行うのだろう »