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2006年11月14日 (火)

信託を使うのは

商事法務No1781の最終ページで、「会社と信託の交錯」という記事があります。信託法の改正により、借入金も信託をできることから事業信託(といっても事業資産を信託できても、事業という人、物、金が有機的にいったいとなったものは信託できませんが)が可能になるし、限定責任信託により、受託者の責任が信託財産限りも可能になるし、自分で自分に信託して、受益権を投資家に売却することによって、トラッキングストックというか、種類株式のようなものも発行できるようになります。

また従来からある倒産隔離という機能は、投資家に受益権を販売する際に重要になります。

でこの記事でどのようなことができるかというのが4つ例示されています。

       グループ内再編において、子会社に事業譲渡するのではなく信託により事業を移転する。

       リストラしたい事業部門を事業譲渡ではなく信託という形で分離する。リストラしたいような部門だから引き受けてはリスクをかぶる可能性が高くなりますが、限定責任信託にすることによりリスクを限定させられます。

       信託宣言により自己信託を行い、責任限定信託にすることによって、信託された部門のリスクから会社を遮断することができます。

       事業会社の事業部門を信託し、受益証券を発行することができる。受託者は、運営を第三者に委任できるから、元の事業会社に委任することもできる。

いずれにせよも会社を作って事業を譲渡することと同じようなことが信託を使ってできるわけです。だから会社と競合関係になるのですが、あえて信託を使うメリットがどこにあるかというと、ひとつは会社法よりも、より柔軟というか自由な経営ができると思います。信託法を読む限り会社法の機関に比べると、あまりにもアバウトとですしね。

それから信託の特徴である倒産隔離、信託をすることにより、原則的には委託者のリスクから信託財産は守られるし、受託者のリスクからも免れれます。信託を使わず、資産の譲渡について倒産隔離を主張するためには、真正売買であるということを証明しないといけなくてこれが事務作業的にも大変だということを聞いたことがあります。

たしかに信託の倒産隔離を悪用される可能性もありますが、信託法では、委託者の債権者を守る規定は作っています。この倒産隔離により、信託受益権を購入した受益者は、信託の当事者の倒産リスク等による購入した信託受益権の紙くずかリスクを減らすことができます。

信託のいいところは、柔軟な設計と倒産隔離機能により、事業再編や資金調達をより大胆に行い企業を成長させる可能性があるということかもしれません。投資家保護等は信託法でカバーしきれない部分もありますが、それは他の法律でカバーすることにもなると思いますが、

wideさんの質問に対するお返事の一環として書いてみました。

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