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2006年12月30日 (土)

取引相場のない種類株式の評価方法

会社法の改正により、多様な株式を発行して、投資家からたっぷりお金を調達することができることが可能になりました。

ただ問題なのが、このような株式を発行するのはいいのですが、それがなんぼのもんやねんということです。

で大綱によると評価方法を明確化するということですが

配当優先の無議決権株式:何パーセントかディスカウント?

社債類似株式 たぶん社債とおんなじ評価?

拒否権付株式: 評価のしようがないから普通株式と同じ評価 すごい!

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2006年12月29日 (金)

事業信託 (租税回避スキーム3)

 事業信託は、事業部門を信託するようなものです。原則的には構成員課税ですが、租税回避に使われそうなやつは、信託自体に対して法人税課税をしましょうと決めています。

租税回避に使われそうなやつとして3つのパターンを規定しています。今日は3つめ

その受託者が当該法人又はその特殊関係者であり、かつ、その受益権の一部を当該法人の特殊関係者が保有する信託で、当該特殊関係者に対する損益の分配割合が変更可能であること。

これは、たとえば大もうけをしている会社が大もうけの源泉になっているような部門を自己信託して、信託受益権を子会社に売却します。ただ子会社はぼろぼろで大赤字。受益権を売却したことにより親会社の黒字は子会社に移るから、所得が減って税金は減る。一方子会社の方では、赤字と黒字を相殺するから結局税金を払わない。よってグループ会社では、子会社の赤字相当額だけ税金の支払いが減る。

これはいかんということで、このような信託をした場合は、信託の所得は、法人税として課税して、子会社の赤字と通算できないようにしたものです。

へー。でもおんなじことって、自己信託なーんてたいしたことせずに、赤字の子会社が黒字の親会社と匿名組合契約を結べば、手軽に合法的に子会社の赤字と相殺できますよね。

なにも自己信託いじめしなくてもいいのにね

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2006年12月28日 (木)

信託の併合、分割

信託法の改正で、信託の併合や分割が可能になります。信託の併合は、2つ以上の信託(受託者は同じ)がひとつの信託になること、分割はある信託財産の一部がすでにあるまたは新設の受託者を同じにする別の信託に移すこと。 ようするに信託の合併であり、会社分割のようなものです。このような信託の合併や会社分割があった場合はどうなるのか。

もし会社が合併や分割したような場合は、会社間で資産を時価で譲渡したものとみなして課税関係が生じ、株主でも所有している株式を時価で譲渡したものとみなして課税関係を生じさせるものだと思います。

信託の場合、原則は構成員課税であるので、信託の資産や負債を持っている。そうすると合併や分割により所有している資産、負債の一部が別の信託の受益者に移動し、ほかの受益者の資産、負債の一部が自分のところにやってくると考えると、併合や分割時に時価でこれらの資産負債を時価で譲渡したものとして計算するようなことになるのかもしれません。

でもみかたをかえると、通常の合理的な形での併合や分割をした場合は、併合や分割の前後で、受益権者が所有している資産の価値というのはたいして変わらないはずです。だったら課税関係をあえておこす必要もないのではないかとも考えられます。

結局、改正で、投資信託のように但し書き信託といわれ、構成員課税の例外のような信託と、現行の信託法により組成されている信託に関しては、併合による新たな信託または当該信託の分割にかかる承継信託もしくは新たな信託の受益権以外の資産の交付を受けていない場合には、旧信託の受益権の譲渡損益の計上は繰り延べられるということだそうです。

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2006年12月27日 (水)

事業信託租税回避のパターン2

事業信託というものは、どこかの会社の一部門を信託して、その受益権を売却して、資金調達するようなイメージがあります。でも実際は事業なんて信託できなくて、事業を営むのに必要な資産や負債を信託しているだけです。従来からの信託でも、たとえば不動産という資産を信託し,その受益権を売却して資金調達しているので、あまり新しい信託とは思えません。

ただ事業信託というのは、信託財産が信託期間を通じてダイナミックに変化することが多いですが、従来型の信託財産というのは、収益源が賃料収入や使用料であることが多いため、信託期間を通じて信託財産がダイナミックに変わるということはあまりないような気はします。

 この事業信託に対する課税方法は、原則としては信託で発生した損益を信託段階で課税せず、受益者段階で課税させますが、租税回避の3類型に該当する場合は、信託段階で法人税を課税します。今回はパターン2

 法人が自分の事業部門の一部を自己信託して信託受益権を売却します。そうすると信託した部門の損益は、その法人で法人税を課税させるのではなく、受益権を取得した人の段階で課税させます。そして信託期間が終了したら再び、元の法人で信託していた部門の損益を法人税課税します。このような信託で信託期間が長期間の場合は、法人税のとりっぱぐれがあると考えるからなのでしょうが、法人税課税をするようです。でも信託財産に属する主たる資産の耐用年数が20年を超える減価償却資産とされている場合等を除くとなっているから、たとえば自社の耐用年数が50年くらいの建物を自己信託して投資家に販売したような場合は、法人税課税されないのでしょうね。

       その受託者が当該法人又は当該法人との間に特殊の関係のある個人若しくは法人(以下「特殊関係者」という。)であり、かつ、その信託期間が20年を超えるものとされていること(当該信託の信託財産に属する主たる資産が、耐用年数が20年を超える減価償却資産(減価償却資産以外の固定資産を含む。)又は償還期間が20年を超える金銭債権とされている場合等を除く。

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2006年12月26日 (火)

国際的租税回避スキーム (現物出資)

たとえばタックスヘブンの会社Xが日本の会社Y100%親会社になっていて、このタックスヘブンの会社Xの株主が日本の居住者やら日本の会社であったとします。

また日本の会社Y社はタックスヘブンに100% 子会社Zを持っていています。Z社はペーパーカンパニーですが、その下に事業会社がいっぱいついていて、利益がプールされています。

今の税制だと、Z社でためこんだ利益というのは、日本の会社Y社に合算されます。これがいやなためにたとえばどうするかというとY社がZ社の株式をX社に現物出資させます。そうするとX社の下にZ社がぶらさがります。

現物出資時点で原則では、資産の時価と簿値の差額に対して課税関係が生じますが、適格現物出資という要件にあてはまった場合は、課税が繰り延べられます。たしか外国法人の株を25%以上所有している場合、その株式を現物出資して外国の会社を作るようなときは、ほかの要件を満たしていたら適格現物出資になるはずです。

もしZ社がX社の下にぶささがった場合は、Y社におけるタックスヘイブン税制というのは行えなくなります。これはけしからんということで、タックスヘブンにあるペーパーカンパニーのような外国子会社をタックスヘブンにあるペーパーカンパニーのような親会社に現物出資する場合は適格現物出資にさせないようですね。

(3)内国法人が保有する外国子会社(外国子会社合算税制の適用対象となるものに限る。)の株式を軽課税国に所在する実体のない外国親会社(その内国法人の80%以上の持分保有)又はその外国親会社に係る外国子会社に現物出資する場合には、その現物出資は適格現物出資に該当しないこととする。

 (注)上記(3)の改正は、平成19年10月1日以後に行われる現物出資について適用する。

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2006年12月25日 (月)

事業信託 租税回避のパターンその1

事業信託というのがあります。今の信託というのは、資産を信託して、信託からあがる賃料収入のようなものを配当として受益者に支払うようなものが主流ですが、この事業信託というのは、会社の事業部門の一部を切り出して信託して、その事業収益を配当として受益者に支払うようなものといわれています。でも厳密にいうと事業という人と物と金が有機的にひとつになった金を生む組織体というのは信託できません。単に事業の用に供している資産、負債を信託しているだけです。

税法的には、この事業信託といわれるものは、構成員課税が原則とされます。だから信託段階では課税しません。しかし一定の租税回避行為に関しては、信託段階で法人税課税がなされます。今日はそのひとつ

当該法人の事業の全部または重要な一部(その譲渡につき会社法第467条の決議を要するものに限る。)が信託され、かつ、その受益権の50%超を当該法人の株主に交付することが見込まれること(その信託財産に属する交付することが見込まれること(その信託財産に属する金銭以外の資産の種類がおおむね同一である場合等を除く)

これって信託を使っているけど、形的には分割型分割と似ていますね。

分割型分割というのは、会社の事業の一部または全部を別の会社に移動させて、その対価として財産を取得した会社の株式を財産を譲渡した会社にわたすのではなく、財産を譲渡した会社の株主に渡すものです。財産を譲渡した会社としては、譲渡した財産の対価をもらわないことになるから、その分会社の純資産が減り、会社の内容が大幅に変更されます。譲渡した会社の株主にとっては、以前から所有していた会社の株式の価値は、会社の純資産が減るから、それに比例して減りますが、分割により財産を譲り受けた会社の株式を受け取ることになるから、株主が所有する財産の価値というのはトータルではかわりません。ようするにひとつの会社をもっているか、その会社を分割して2つの会社でもっているかということだからです。

これを信託で応用したものです。財産を信託した会社としては、財産が信託され、その対価として信託受益権を受け取るけど、それを株主にわたすと、会社としては、信託した財産分だけ純資産は減ります。でも株主からすると、今まで会社の株式として所有していたものが、株式と信託受益権に変わるだけに過ぎないです。たしかに信託した部分の所得に対して、信託した会社の所得から切り出されるからその分、その会社での法人税は減ることになるけど、信託受益権を所有している受益者(株主)の所得として、その段階で課税することになるからトータルではかわらないことになると思います。これはだめのようですね♪

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2006年12月24日 (日)

離婚をして、年金をゲット!

実は信託大好きおばちゃんは、プロフィールには大阪(現東京在住)のおばちゃん税理士と書いていますが、資格としてはCFP(ファイナンシャルプランナー)を持っています。この資格を継続させるためには2年間で30単位以上継続教育を受けなければならないのですがこれが結構大変♪コストもかかるしね。で、私は手っ取り早くFPジャーナルという機関紙に乗っている継続教育テストを受けています。

この継続教育テストのための勉強を今朝やったのでその内容を、あんまり知識が深くないので、たいしたことを書けませんが。

前政府税調会長の本間さんがやめた原因は、公務員宿舎に愛人と同居していたことだったのですが、彼には奥さんがいて、この夫婦間の関係はとっくに終わっていたといわれています。でもなぜか奥さんは離婚していない。なぜ離婚していないのかというと、その原因のひとつが年金の問題だといわれています。あくまでも噂の範囲ですが♪

今、中高年の専業主婦を続けた人が離婚した場合、老後に受け取る年金というのは老齢基礎年金といわれる部分であり、生活するためには非常に少額な金額です。

でも平成19年41日以後離婚した場合で、夫が厚生年金や共済年金に加入しているときは、結婚した期間に夫が支払った保険料の一部を妻が負担したものとみなして、最大50%まで離婚した妻が受け取れるというものです。

ただ分割して受け取れるのは、老齢厚生年金等の報酬比例部分であって、上乗せ部分はだめなようです。また夫が自営業者だった場合は、年金分割は行われません。

年金分割でもらえるのは最大で50% といわれますが、いくらになるのかは両者の話し合いです。でも離婚したいくらいだから、まともな話し合いができるとも思えないので、おそらく裁判にもつれこむんでしょうね。コストがかかってしょうがない。

で分割請求ができる期間も決まっていて、離婚した日から2年以内。裁判でもめて2年を超えた場合は、結論がでてから1ヶ月以内に請求できるそうです。

なお妻が年金の受給資格(加入期間25年)を満たしていない場合はそもそも年金を受け取れないし、年金を実際受け取れるのは、離婚した妻の受給開始年齢以降となっているので、意外とハードルは高いそうです。

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2006年12月23日 (土)

匿名組合の利益の分配に対する源泉税の改正

匿名組合というものがあります。TK-GK(旧YK)方式でおなじみのビークルです。

登場人物は、お金を出資する人Xと、事業を行う人Yです。Xは、Yにお金を出資します。Yはそのお金を元に事業を行います。事業を行うから儲かる場合もあれば、損する場合もあります。儲かれば利益を出資者分配するのですが、これだけだったら単に会社を作って株式という形で出資してもらうのとかわりません。匿名組合の特徴としては、Yの事業収益をXに配賦しますよというしくみになっています。利益も分配すれば損失も分配しますよということです。

損失を分配する場合は、お金が出資者に流れないのですが、利益を分配する場合は、お金が出資者に流れます。これって配当と同じようなものですよね。配当を株主に支払う場合は、所得税や住民税を源泉徴収します。

匿名組合はどうなっているかというと、匿名組合出資者が外国人や外国法人の場合は、20%の源泉税が必要になっています。租税条約により源泉税が必要ない場合もありますが。

匿名組合員が居住者や内国法人の場合は現状ではどうなっているかというと、組合員が10人未満の場合は源泉税がいらないのです。だから匿名組合の組合員は通常10人未満に設定していると思います。

平成19年の改正で組合員が居住者や内国法人である場合、たとえ組合員が1人でも利益の分配に対して源泉税をかけるということになるようです。ただし平成2011日以後に支払われる利益の分配からですが、

なお信託会社が、厚生年金基金契約に基づいて将来の年金に預かっている財産を匿名組合契約出資した場合の利益の分配に関しては、源泉徴収は免除されます。そりゃそうですよね。信託会社が厚生年金基金契約に基づいて運用している利益というのは非課税になっているから、源泉徴収された税金を精算することはできないので利回が20%悪くなってしまいます。これでは将来の年金の受取額にも影響があるからね♪

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2006年12月22日 (金)

後継遺贈型の受益者連続型信託の相続税

後継遺贈型の受益者連続というのは、遺言でも通常の信託でも設定できるものですが、ようするに受益者の死亡により、信託受益権が次々移転するものです。ただし信託を設定した時から30年を経過した時に生存している受益者(予定受益者)が死亡した時点ないし、信託財産がなくなった時点でこの信託は終了します。

この信託によると相続財産は、受益者の死亡により、次の人に移転しますが、誰にどのくらい移転するかというのは、当初の信託を設定した委託者が決めています。

この信託の財産が次々移転する場合の税金の関係はどうなるのかというと、

設定時、委託者の死亡を原因に受益権を誰かに相続や遺贈させるようなとしてものであるならば、その受益権を受け取った人に対して相続税がかかり、その人が死亡し、次の人が受益権を受け取った場合には、またその時点でそのとき現在の受益権を相続するというようになるようです。

この後継遺贈型の受益者連続信託については、幾通りかの考え方がありました。今度決まるように連続して相続されていくと考えるものもあれば、同時配分型といって委託者から第一受益者、第2重受益者に最初の相続の時点で財産が相続、遺贈されたという考えもあれば、第1受益者の死亡を条件として第2受益者に財産が相続されるようなもの、だから委託者の死亡時点では財産は未分割として処理され、第1受益者の時点で、遺産が分割されたものとして相続税の計算や、精算が行われるものなどがありました。

でも結局はこのようになったのですね♪

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2006年12月21日 (木)

国際的租税回避スキーム (合併)

今年の改正では、国際的租税回避をつぶそうとする規定がいくつかあります。

日本に実体のある事業会社X社があります。この株主のうち大株主(50%超)Yがタックスヘイブン国においてペーパーカンパニー100%子会社A社を所有し、そのA社は、日本においてペーパーカンパニーの100%子会社B社を持っています。

で、次にX社を合併消滅会社、ペーパーカンパニーB社を合併存続会社とする合併を行い、合併の対価として100% 親会社株式であるペーパーカンパニーA社の株式を交付します。この結果X社の株主は、タックスヘブン国のA社の株主になりそのA社が事業会社のX社の株式を所有することになります。このような資本関係になると、多様なスキームでタックス減らしができる可能性があるのです。

合併というのは、2社以上の会社が1つの会社になることであり、通常は合併存続会社の株式を合併消滅会社の株主にあげるのですが、三角合併の場合は合併存続会社の親会社の株式をあげることになります。

合併の税務というのは、原則的には合併時点で合併消滅会社の資産や負債を時価で合併存続会社に譲渡して、その対価として合併存続会社の株式を時価で受け取り、合併消滅会社の株主が有する合併消滅会社の株式と交換に交付するすると考えます。だから合併消滅会社に含み益等がある場合は、合併消滅会社で譲渡益課税が生じ、合併消滅会社の株式主がその株式を買った時の値段より、合併によりもらえる合併存続会社の株式の値段が大きい場合は差額に対して譲渡益課税がされます。

ただ一定の条件がある場合は合併時点の課税が繰り延べられるのですが、繰り延べられるパターンは2つあって、企業グループ内の合併か共同再編による合併かということになります。共同再編の場合の要件には合併存続会社と消滅会社の間に事業関連性を要求されるからこのケースのように合併存続会社がペーパーカンパニーの場合はアウトになってしまいます。でもグループ内企業の再編の場合は、事業関連性がどーしたというような要件がないので、このようなあぶなそーな合併でも適格になる可能性があります。

しかしそれは将来に禍根を残すということで、次のように大綱ではうたっています。

 (1)企業グループ内の法人間で合併等(軽課税国に所在する実体のない外国親会社の株式を対価とするものに限る。)が行われる場合において、合併法人等にも事業の実体が認められないときは、適格合併等に該当しないこととする。

 (2)合併等(軽課税国に所在する実体のない外国親会社の株式を対価とするものに限る。)が行われる場合において、その合併等が適格合併等に該当しないときは、その合併等の時に株主の旧株の譲渡益に対して課税する。

 (注)上記(1)及び(2)の改正は、平成19年10月1日以後に行われる合併等について適用する。

だけどなぜ平成19101日以後の合併等からなんだろう?

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2006年12月20日 (水)

遺言により設定された目的信託

目的信託というのは、信託のうち信託財産から生ずる利益を受け取る者がいないようなものです。現行の税制では、このような受益者のいない信託財産から生ずる利益については、委託者がその利益を受けたものとして課税されます。

遺言信託というのがあります。遺言により被相続人である委託者がその相続財産を受益者にあげるような信託です。この場合の受益者は、相続開始時にすでにいている者でもかまわないし、将来生まれてくる孫というようにまだこの世に存在していない者でもかまいません。

現行の信託法では、遺言信託を設定した委託者が死亡した場合、委託者の地位は委託者の相続人に引き継がれるというようになっているから、将来生まれてくる孫を受益者とするような信託を設定した場合、信託財産については相続人に対して相続税を課し、孫が生まれるまでの間の信託財産の運用益についても相続人たちに所得税を課すことができたのです。

ところが信託法においては、遺言信託の委託者の地位というのは相続人に引き継がれないのです。委託者の地位というのと受益者の地位というのは相反する立場にあるので、相続人である委託者が受益者ともなるような場合、ほかの受益者となる相続人や受遺者とうまくやっていけないリスクがあるからだと思います。

それでは遺言信託で将来生まれてくる孫に全財産をあげるというようなものを設定した場合の課税関係はどうなるのかというと、相続人に財産が引き継げられないので現行税制では相続税やその後の所得税を支払う人がいなくなります。

そこで改正案ではどうするかというとこのような受益者の存在していない信託を遺言で設定したような場合は、設定時(相続時)にこの信託財産を信託と言う名の法人に譲渡したものと考えます。たとえば10億円の相続財産だったら、被相続人が法人に10億円で財産を譲渡したものとみなして所得税課税し、信託法人では10億円の財産をただでもらったとして受贈益課税をします。住民税もあわせると4億円弱の税金かな? 4億円の税金をとられたとして残り6億円の財産を運用して1年の利回りが10%とします。孫が5年後に生まれても信託期間は10年間の場合は、孫が生まれた時点で孫に対して課税関係は生じません。ですから10年間は運用益に対して原則的には毎年法人税が課税されます。そうすると10年後の信託財産は96,000万円となります。(6,000万×(1-40%)×10%=36,000万とまります。6億円+36,000万円=96,000万円です。)そして信託終了時点で、孫に全財産をわたすとなると孫は96,000万円の財産を信託法人から受贈したとして所得税(一時所得)がかかります。

ただしこれは原則。だって法人税の税率って、相続税や贈与税よりは低いからその差を利用してわざと受益者のいない信託を設定するようなこともあると思います。またこのケースで子供がいるのに、将来生まれてくる孫に全財産あげるとなると、本来なら子供が財産を相続するときに相続税がかかり、孫が子供から財産を相続する時にもう一回相続税がかかるのに、ダイレクトに孫にくると一回相続税がうきますよね。

でこのような相続対策で受益者の存在しない信託を設定したような場合は、信託財産でかかる税金を相続税や贈与税のベースで計算します。

また世代飛ばしで遺言信託を使っているとされるなら、信託終了時点で所得税がかかるのではなく、特定された時点(このケースでは孫が生まれた時点)で贈与税がかかるのかな(ちょっと不安)と思います。

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2006年12月19日 (火)

相続時精算課税制度の改正

相続時精算課税制度というのは、数年前にできた贈与税の特例的規定です。

通常の贈与というのは1年間に贈与を受けた財産をトータルしてそこから基礎控除(110万円)を差し引いて超過累進税率で計算するものです。でもこの相続時精算課税制度を使うと、2,500万円までは贈与税は非課税で、それを超える部分については一律20%の税率がかかります。

ただし相続時に贈与を受けた財産を全部相続財産に入れなおして計算するという要件と、65歳以上の人が、20歳以上の通常は自分の子供に贈与するという要件 それに届出を提出しないといけないという要件もありますよね。

それから住宅取得資金の贈与を受ける場合は、2,500万円のわくが3,500万円になって 贈与者の年齢制限はないはずです。

 この相続時精算課税制度にニュータイプが登場 中小企業(たぶん同族会社)の株式を後継者に贈与した場合は、相続時精算課税制度を拡充ということです。最終的には相続財産に入るのでメリットがある場合もあれば、デメリットがある場合もあるので一概にいいとはいえませんが♪

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取引相場のない株式等に係る相続時精算課税制度の特例の創設

 相続時精算課税制度について、推定相続人の一人(受贈者)が、平成19年1月1日から平成20年12月31日までの間に取引相場のない株式等の贈与を受ける場合には、次の要件を満たすときに限り、60歳以上の親からの贈与についても同制度を適用することとし、2,500万円の非課税枠を500万円上乗せし3,000万円とする等の措置を講ずる。

(1)当該会社の発行済株式等の総額(相続税評価額べ一ス)が20億円未満であること。

(2)次のすべての要件をこの特例を選択した時から4年を経過する時において満たしていること。

 ① 当該受贈者が当該会社の発行済株式等の総数の50%超を所有し、かつ、議決権の50%超を有していること。

 ② 当該受贈者が当該会社の代表者として当該会社の経営に従事していること。

(3)その他所要の要件を満たすこと。

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2006年12月18日 (月)

受益証券発行信託は使えるか?

受益証券発行信託というのは、信託受益権という信託の利益を受ける権利を有価証券に乗っけて、流通性をパワーアップさせたようなものです。これは信託法の改正により新しく登場するものです。

同じように信託受益権を有価証券に乗っけたようなものの先輩としては投資信託があります。こっちは投資信託法をベースに設計されてます。この投資信託というのは、たしか原則的には金銭を信託するものだけど受益証券発行信託は、金銭以外の資産でもOKだと思います。だから土地とか、あんまりブレークしない知的財産を信託することも可能。ただ信託した時点で、おそらく税法的には法人に譲渡したものととらえて、時価で譲渡したという処理をすることになると思います。だから譲渡益がでたら委託者に対して課税されます。

この受益証券発行信託については、信託期間に発生した所得や損失はどうなるのかというと、通常の信託のように受益者に利益も損失もパススルーされるのではなく、原則的には信託財産を法人とみたてて、受託者(信託銀行、信託会社)が法人税課税をすることになります。ただし例外があって受託者が税務署長の承認を受けた法人であり、信託にかかる未分配利益の額が元本総額の1,000分の252.5%!)以下であることを条件として、信託利益に対して課税されないことになります。

この受益証券発行信託からの利益の分配を個人が受け取った場合は、配当所得だけど配当控除は受けることができず、譲渡した場合は、株式等にかかる譲渡所得等として課税されます。法人が受益者の場合は受取配当の益金不算入は使えません。

個人投資家の利便性から考えると、事業信託のようなパススルー課税よりも良いですが、未分配利益が元本総額の2.5% というのはどうなんでしょう。いま使われているJ-REITで配当が損金になるためには、配当可能利益の90/100超を配当にまわさないといけないのと比較して厳しいかなと思ったりもします。ただ同族会社がどうちゃらというような要件がないのだったら、その点は救われるかもしれませんが。

この受益証券発行信託を使ってうまくいけそうなのは、資産管理型信託のように確実に一定のお金が入ってくることが見込まれるような物が信託財産になる場合だと思います。不動産も賃貸料収入が確実なら使えそうですが、未分配利益というのはおそらく税務上の利益であり会計上の利益ではないです。通常税務上の利益は会計上の利益よりも大きいので、会計上の利益では分配後の利益が2.5%でも税務上の利益は2.5%を超えるケースもあります。

投資法人のように会計上の利益を超えて分配してもいいですよと決めてもらわないと使い勝手が悪くなりますよね。

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2006年12月17日 (日)

特殊支配同族会社の改正

税法の世界で特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入という制度があります。これは今の会社のうちほとんどは、個人事業が法人成りをしたものですが、実態は個人事業とかわらない。なぜ法人にしたかというと、個人事業だったら事業の収入から必要経費を引いた金額について税金がかけられるけど、法人成りをした場合は、法人では社長の給与を損金としておとせて、その分個人で給与所得となるけれども、給与所得の場合は給与所得控除というものがあるので、この給与所得控除部分だけトクだからといわれてます。

ほんとはそれだけじゃないんだけどね。で、この給与所得控除のために法人なりするなんてけしからん♪と考える人たちがいて、その人たちが考えたのが特殊支配同族会社の役員給与の損金不算入という制度です。ようするに給与所得控除がけしからんけど給与所得控除をやめるなんてことは絶対にできないから、たとえば社長が仕切っているような会社の社長に支払われる給与のうち給与所得控除相当部分については損金にしないよと決めたのです。

まーこの規定は突然昨年浮上して決まったのだけれども、評判がすこぶる悪い。この悪い原因はいろいろあるけど、たとえば規定が複雑すぎてわけわからない。当初はこの制度の適用を受けるのは少数の同族会社ということで制度が導入されたらしいけど、ふたをあけるといっぱい該当する。これでは来年の選挙は勝てない!だから廃止だ! なんて話もありましたね。まあ作った方も面子があるからいきなり廃止はないでしょうけど。

で結局どうなったかというと、実はこの制度、社長が仕切っているような会社ならみーんな適用になるというわけじゃなくて、適用除外規定があるのです。この適用除外規定のひとつが所得が800万円以下というのがあったのですが、これが改正で1,600万円以下となるようです。なんかしょーもない落としどころですが♪

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2006年12月16日 (土)

留保金課税の改正

平成19年の自民党税制改正大綱によると「特定同族会社の留保金課税制度について、適用対象から資本金の額又は出資金の額が1億円以下である会社を除外する。」となってます。

これは中小企業にとっては朗報ですね。

同族会社の留保金課税というのは、所得税と法人税の税負担の差を利用した節税を防止するために作られた規定のひとつだと思います。

所得税というのは、超過累進税率といって、所得が大きいほど税率も高くなる仕組みになっています。でも法人税は中小企業(基本的には資本金1億円以下)場合、税率が2段階になっています。もし個人で事業をして大儲けをした場合と法人で同じ事業をした場合では、負担税率は法人税の方が低い場合があります。

だから法人成りをしようとする人が多いのですが、今度法人で大もうけをして、その利益を株主に配当したらどうなるのか? 配当というのは法人税を払った残りの部分なのですが、これを受け取った個人の方でも配当所得として税金がかかります。もちろんちょっぴり配当控除という税金のディスカウントはありますが、高額な配当の場合はあんまりメリットがない。そうすると会社で儲かってもその利益を株主に配当せず、自分のとこでためこんどこうと思う会社が出てくると思います。

で、これはまずいということで、会社内部で利益を溜め込んでいるような場合は、その部分について通常の法人税とは別に留保金課税という別枠の税金がかかります。ただこの対象は同族会社といって、一族で株を持っているような会社が対象ですが。

で、この同族会社の留保金課税について、今回の改正で1億円以下の会社を除外するという規定ができるようです。そうなると会社の内部で利益を蓄積しやすくなります。そしてその利益の蓄積については、カレントで課税せず、株主がなくなったときに相続税として課税しようと考えているのでしょうか♪

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2006年12月15日 (金)

事業信託の税制

事業信託って、事業の一部門を切り出して信託することであり、信託法の改正により負債を信託することが可能になったから可能と言われます。

この事業信託と自己信託(委託者が受託者である信託)を組み合わせると、企業が自社の事業部門を信託して、信託受益権を販売することにより資金調達がより容易になり、より少ないコストで行えるメリットがあります。

事業って、一定の事業目的のため組織され有機的一体として機能する財産及びその財産によって営まれる活動なーんていわれてますが、事業の一部門を切り出して信託をしてもそこで営む事業活動を信託財産とすることはできず、その事業のために使われている資産や生じている債務も引き継がれるにすぎません。ですから事業信託といわれるものと従来型の資産管理信託というものは信託の本質から考えると同じものとも読めるのです。