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2006年12月18日 (月)

受益証券発行信託は使えるか?

受益証券発行信託というのは、信託受益権という信託の利益を受ける権利を有価証券に乗っけて、流通性をパワーアップさせたようなものです。これは信託法の改正により新しく登場するものです。

同じように信託受益権を有価証券に乗っけたようなものの先輩としては投資信託があります。こっちは投資信託法をベースに設計されてます。この投資信託というのは、たしか原則的には金銭を信託するものだけど受益証券発行信託は、金銭以外の資産でもOKだと思います。だから土地とか、あんまりブレークしない知的財産を信託することも可能。ただ信託した時点で、おそらく税法的には法人に譲渡したものととらえて、時価で譲渡したという処理をすることになると思います。だから譲渡益がでたら委託者に対して課税されます。

この受益証券発行信託については、信託期間に発生した所得や損失はどうなるのかというと、通常の信託のように受益者に利益も損失もパススルーされるのではなく、原則的には信託財産を法人とみたてて、受託者(信託銀行、信託会社)が法人税課税をすることになります。ただし例外があって受託者が税務署長の承認を受けた法人であり、信託にかかる未分配利益の額が元本総額の1,000分の252.5%!)以下であることを条件として、信託利益に対して課税されないことになります。

この受益証券発行信託からの利益の分配を個人が受け取った場合は、配当所得だけど配当控除は受けることができず、譲渡した場合は、株式等にかかる譲渡所得等として課税されます。法人が受益者の場合は受取配当の益金不算入は使えません。

個人投資家の利便性から考えると、事業信託のようなパススルー課税よりも良いですが、未分配利益が元本総額の2.5% というのはどうなんでしょう。いま使われているJ-REITで配当が損金になるためには、配当可能利益の90/100超を配当にまわさないといけないのと比較して厳しいかなと思ったりもします。ただ同族会社がどうちゃらというような要件がないのだったら、その点は救われるかもしれませんが。

この受益証券発行信託を使ってうまくいけそうなのは、資産管理型信託のように確実に一定のお金が入ってくることが見込まれるような物が信託財産になる場合だと思います。不動産も賃貸料収入が確実なら使えそうですが、未分配利益というのはおそらく税務上の利益であり会計上の利益ではないです。通常税務上の利益は会計上の利益よりも大きいので、会計上の利益では分配後の利益が2.5%でも税務上の利益は2.5%を超えるケースもあります。

投資法人のように会計上の利益を超えて分配してもいいですよと決めてもらわないと使い勝手が悪くなりますよね。

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