信託の併合、分割
信託法の改正で、信託の併合や分割が可能になります。信託の併合は、2つ以上の信託(受託者は同じ)がひとつの信託になること、分割はある信託財産の一部がすでにあるまたは新設の受託者を同じにする別の信託に移すこと。 ようするに信託の合併であり、会社分割のようなものです。このような信託の合併や会社分割があった場合はどうなるのか。
もし会社が合併や分割したような場合は、会社間で資産を時価で譲渡したものとみなして課税関係が生じ、株主でも所有している株式を時価で譲渡したものとみなして課税関係を生じさせるものだと思います。
信託の場合、原則は構成員課税であるので、信託の資産や負債を持っている。そうすると合併や分割により所有している資産、負債の一部が別の信託の受益者に移動し、ほかの受益者の資産、負債の一部が自分のところにやってくると考えると、併合や分割時に時価でこれらの資産負債を時価で譲渡したものとして計算するようなことになるのかもしれません。
でもみかたをかえると、通常の合理的な形での併合や分割をした場合は、併合や分割の前後で、受益権者が所有している資産の価値というのはたいして変わらないはずです。だったら課税関係をあえておこす必要もないのではないかとも考えられます。
結局、改正で、投資信託のように但し書き信託といわれ、構成員課税の例外のような信託と、現行の信託法により組成されている信託に関しては、併合による新たな信託または当該信託の分割にかかる承継信託もしくは新たな信託の受益権以外の資産の交付を受けていない場合には、旧信託の受益権の譲渡損益の計上は繰り延べられるということだそうです。
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