事業信託租税回避のパターン2
事業信託というものは、どこかの会社の一部門を信託して、その受益権を売却して、資金調達するようなイメージがあります。でも実際は事業なんて信託できなくて、事業を営むのに必要な資産や負債を信託しているだけです。従来からの信託でも、たとえば不動産という資産を信託し,その受益権を売却して資金調達しているので、あまり新しい信託とは思えません。
ただ事業信託というのは、信託財産が信託期間を通じてダイナミックに変化することが多いですが、従来型の信託財産というのは、収益源が賃料収入や使用料であることが多いため、信託期間を通じて信託財産がダイナミックに変わるということはあまりないような気はします。
この事業信託に対する課税方法は、原則としては信託で発生した損益を信託段階で課税せず、受益者段階で課税させますが、租税回避の3類型に該当する場合は、信託段階で法人税を課税します。今回はパターン2
法人が自分の事業部門の一部を自己信託して信託受益権を売却します。そうすると信託した部門の損益は、その法人で法人税を課税させるのではなく、受益権を取得した人の段階で課税させます。そして信託期間が終了したら再び、元の法人で信託していた部門の損益を法人税課税します。このような信託で信託期間が長期間の場合は、法人税のとりっぱぐれがあると考えるからなのでしょうが、法人税課税をするようです。でも信託財産に属する主たる資産の耐用年数が20年を超える減価償却資産とされている場合等を除くとなっているから、たとえば自社の耐用年数が50年くらいの建物を自己信託して投資家に販売したような場合は、法人税課税されないのでしょうね。
② その受託者が当該法人又は当該法人との間に特殊の関係のある個人若しくは法人(以下「特殊関係者」という。)であり、かつ、その信託期間が20年を超えるものとされていること(当該信託の信託財産に属する主たる資産が、耐用年数が20年を超える減価償却資産(減価償却資産以外の固定資産を含む。)又は償還期間が20年を超える金銭債権とされている場合等を除く。
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