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2006年12月 4日 (月)

自己信託と倒産隔離

信託のメリットとしては倒産隔離があるといわれています。

この倒産隔離は、委託者の債権者からの倒産隔離と受託者の固有の債権者からの倒産隔離があります。

たとえば受託者が倒産した場合、受託者の債権者は、信託財産を差し押さえて債権の弁済にあてることはできません。これは信託法案でも規定されています。

第25条(信託財産と受託者の破産手続等との関係等)

受託者が破産手続開始の決定を受けた場合であっても、信託財産に属する財産は、破産財団に属しない

しかし、委託者からの倒産隔離に関しては、信託法案で議論がなされたようですが法文化はされていません。ただ委託者が債権者を詐害する目的で信託した場合は、信託行為を取り消すことができるという規定があります。

第11条(詐害信託の取消し等)

 委託者がその債権者を害することを知って信託をした場合には、受託者が債権者を害すべき事実を知っていたか否かにかかわらず、債権者は、受託者を被告として、民法(明治29年法律第89号)第424条第1項の規定による取消しを裁判所に請求することができる。ただし、受益者が現に存する場合において、その受益者の全部又は一部が、受益者としての指定(信託行為の定めにより又は第819条第1項に規定する受益者指定権等の行使により受益者又は変更後の受益者として指定されることをいう。以下同じ。)を受けたことを知った時又は受益権を譲り受けた時において債権者を害すべき事実を知らなかったときは、この限りでない。

そうなると委託者が資産を信託する場合は、その譲渡が真正譲渡であるということが証明されないと委託者からの倒産隔離は難しいとも考えられます。ようするに担保設定のようなものじゃなくて実質売買だよということを証明する必要があるということかな。

で、問題になるのが自己信託の場合、自分で自分に信託して、自分が倒産した場合、自分の債権者は、自分が信託した財産を差し押さえることができるのか? なんか自分がいっぱい登場してきていますが、

信託法案でも委託者からの倒産隔離は法文化されていません。で、委託者からの倒産隔離の条件が真正譲渡にあたるかどうかで判断するとなると、自己信託は、自分が自分に譲渡するようなものですが、それって真正譲渡にあたるのかという問題点につきあたります。こんなもの真正譲渡じゃないとなると委託者の債権者は信託財産にかかっていける。

ところがこの委託者の債権者というのは受託者の債権者にもなるのです。もし受託者の債権者であるということになると信託財産にはかかっていけない。債権者としては、自分の利益を最大限に通常考えるから、この場合は委託者の債権者としての地位を主張するのかな。

そうすると困るのが受益者。受益者が自分の利益を最大限に考えると、自分の財産は受託者の債権者から守られるべきだと主張するでしょう。

さてどうなるのでしょうか。

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