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2006年12月21日 (木)

国際的租税回避スキーム (合併)

今年の改正では、国際的租税回避をつぶそうとする規定がいくつかあります。

日本に実体のある事業会社X社があります。この株主のうち大株主(50%超)Yがタックスヘイブン国においてペーパーカンパニー100%子会社A社を所有し、そのA社は、日本においてペーパーカンパニーの100%子会社B社を持っています。

で、次にX社を合併消滅会社、ペーパーカンパニーB社を合併存続会社とする合併を行い、合併の対価として100% 親会社株式であるペーパーカンパニーA社の株式を交付します。この結果X社の株主は、タックスヘブン国のA社の株主になりそのA社が事業会社のX社の株式を所有することになります。このような資本関係になると、多様なスキームでタックス減らしができる可能性があるのです。

合併というのは、2社以上の会社が1つの会社になることであり、通常は合併存続会社の株式を合併消滅会社の株主にあげるのですが、三角合併の場合は合併存続会社の親会社の株式をあげることになります。

合併の税務というのは、原則的には合併時点で合併消滅会社の資産や負債を時価で合併存続会社に譲渡して、その対価として合併存続会社の株式を時価で受け取り、合併消滅会社の株主が有する合併消滅会社の株式と交換に交付するすると考えます。だから合併消滅会社に含み益等がある場合は、合併消滅会社で譲渡益課税が生じ、合併消滅会社の株式主がその株式を買った時の値段より、合併によりもらえる合併存続会社の株式の値段が大きい場合は差額に対して譲渡益課税がされます。

ただ一定の条件がある場合は合併時点の課税が繰り延べられるのですが、繰り延べられるパターンは2つあって、企業グループ内の合併か共同再編による合併かということになります。共同再編の場合の要件には合併存続会社と消滅会社の間に事業関連性を要求されるからこのケースのように合併存続会社がペーパーカンパニーの場合はアウトになってしまいます。でもグループ内企業の再編の場合は、事業関連性がどーしたというような要件がないので、このようなあぶなそーな合併でも適格になる可能性があります。

しかしそれは将来に禍根を残すということで、次のように大綱ではうたっています。

 (1)企業グループ内の法人間で合併等(軽課税国に所在する実体のない外国親会社の株式を対価とするものに限る。)が行われる場合において、合併法人等にも事業の実体が認められないときは、適格合併等に該当しないこととする。

 (2)合併等(軽課税国に所在する実体のない外国親会社の株式を対価とするものに限る。)が行われる場合において、その合併等が適格合併等に該当しないときは、その合併等の時に株主の旧株の譲渡益に対して課税する。

 (注)上記(1)及び(2)の改正は、平成19年10月1日以後に行われる合併等について適用する。

だけどなぜ平成19101日以後の合併等からなんだろう?

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