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2007年1月11日 (木)

事業信託は民事再生の対象になるのか?

事業信託は民事再生の対象になるのか?

 信託法の改正により事業信託が可能になったといわれています。事業をやるからには成功もあれば失敗もある。事業再生のツールとして事業信託を採用することもあるかもしれません。

事業再生のツールとして事業信託を使おうとした場合、事業信託自体を民事再生することができるのでしょうか。

民事再生というのは、経済的に窮境にある債務者について、その債権者の多数の同意を得、かつ、裁判所の認可を受けた再生計画を定めること等により、当該債務者とその債権者との間の民事上の権利関係を適切に調整し、もって当該債務者の事業又は経済生活の再生を図ることを目的とするものです。

で、債務者って誰? 4条から推測すると、個人、法人、その他の社団 財団です。

で信託の債務者というのは、受託者になるけど、受託者には当然固有の債務と信託のための債務がある。固有の債務に関して支払い不能になった場合は当然民事再生法の適用は可能になるけれども、信託にかかる債務が債務超過状態になったとき民事再生法の適用を受けることができるというのは、どうもないような気がします。昨日条文を読んでいたのですが、

そうすると結論として事業信託を債務者とする民事再生はできないのではないでしょうか。

信託財産自体の破産が可能であることは条文から読めるのですが。

もしこのブログをお読みになった方で、事業信託が民事再生の対象になるかご存知の方がいらっしゃったらぜひ教えていただきたいのですが♪

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コメント

信託財産が民事再生や会社更生の対象にならないという点は同意見です。
ただ、これだけでは事業信託を投資ビークルとして使えるとは言えないと思います。例えば事業信託の受益権を投資家に販売するというスキームを想定しますと、受託者の固有債務と信託債務とがコミングルするリスクが考えられます。
改正信託法21条と27条を見ますと、行為の相手方が悪意であれば受託者が権限外の行為を行った結果生じる債務が信託債務となりませんが、善意軽過失の相手方であれば、受益者は受託者の権限外の行為を取り消せないわけです。
そうすると、受託者が権限外の行為を行った結果発生した債務について信託財産が責任を負ってしまうというケースが考えられます。特に、事業信託の場合、色々な取引債権が生じる可能性がありますので、それが受託者の固有債務に属するのか信託債務に属するのかが判然としない場合があり得るのではないでしょうか?

小生の考えではこの点が事業信託による証券化を実現する場合のネックになっているように思います。

そこで、解決法が無いのかどうかですが、次のようなスキームを考えています。
1. 事業信託を行った後に信託債を発行するか信託債権の借り入れをシンジケーションローンで行う。
2. 信託債又は信託債権を担保するため、信託財産に属する特定の資産に第一順位の担保権を設定する。
3. 信託債の発行手取金又はローンの手取金で当初発行した信託受益権の大部分を償還してしまい、委託者(=当初受益者)であるオリジネーターに支払う。残った受益権を機関投資家に売る。
4. 信託債又は信託債権を投資家に売る。

信託財産が民事再生や会社更生の対象にならないわけですから、信託財産が破産したとしても、信託債又は信託債権を取得した投資家は、担保がつけられた信託財産については、破産手続きによらずに優先弁済を受けられるのではないかと思います。つまり、受託者の固有債務であるべき債務が上記の取引の相手方保護の規定により、信託債務とされたとしても、有担保の信託社債権者又は有担保の信託債権者である投資家は、担保に供された資産について第一順位の担保権を有することになり、コミングルリスクが回避できるのではないかと思うのですが…。

実名で公表するには余りにも大胆な考えなので、ペンネームで書かせていただきましたが、忌憚無きご批評をいただければと存じます。

投稿: 頌子&肇 | 2007年3月 1日 (木) 15時05分

いつも楽しく拝見させていただいていおります。
改正信託はご高承のとおり破産の対象にはなるものの、民事再生、会社更生の対象にはならないと理解しています(整備法では破産法のみ改正されているためそう思われる次第です。)。破産は導入されたものの会社更生の対象にならない点(当然といえば当然ですが)は一般論としてはビークルとしての魅力につながりますよね。

投稿: nippo | 2007年1月11日 (木) 16時19分

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