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2007年3月 2日 (金)

限定責任信託と損害賠償債務

限定責任信託というのは、信託財産について生じた債務について、受託者は、信託財産を財源弁済したら、それでOKですよという信託です。たとえば100円の信託財産を手に入れるために生じた債務があって、信託財産が80円の場合、受託者は限定責任信託に該当するならば、80円支払ったらあとはチャラということです。

この限定責任信託なら信託財産限度で支払えばOKといわれる債務は信託財産責任負担債務とよばれるものであり、その中には「受託者が信託事務を処理するについてした不法行為によって生じた権利」があります。つまり受託者が信託事務を処理するについて、故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した場合の損害賠償額が100円でも、信託財産が80円の場合は、80円だけ支払ったらそれでいいことだと思うのです。

ただし「受託者が信託事務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該受託者は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。」となっています。

ここから考えると善意軽過失で生じた不法行為損害賠償債務が100円の場合は、80円でOKということですよね。受託者に悪意または重大な過失があって生じた損害賠償債務が100円で信託財産が80円場合は、信託財産から80円支払って、自分の固有の財産から20円を支払うということなのでしょうか。 自分の固有財産だけで100円払ってねということはないですよね。

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コメント

改正信託法224条のことですね。小生の理解では悪意重過失の受託者は20円だけ自己の固有財産から支払えば良いと思います。

引用されている改正信託法21条1項第8号では「受託者が信託事務を処理するについて…」と規定していますから、例えば信託された事業に従事している間に事故を起こして、近所の住民に怪我をさせたような場合を意味しているのでしょうね。

但し、(ご存知のことかとは思いますが)悪意重過失のある受託者は、「その任務を怠った」ことにより「信託財産に損失を生じさせた」(=80円を近所の住民に支払った。)と考えられることもあると思います。そのときは、受託者は80円を信託財産に拠出して損失の補填をしなくてはならないので、受託者としては結局のところ合計100円を支払うことになります。(改正信託法40条参照)信託された事業に属する工場の操業に重大なミスがあったときは、受託者が任務を怠ったと言えることもありうると思います。

投稿: 頌子&肇 | 2007年3月 2日 (金) 23時06分

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