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2007年3月19日 (月)

受託者の義務

受託者というのは、委託者との信頼関係に基づいて、委託者の財産の管理処分をするのだから、その信頼を崩さないような義務を背負っている。

だから善管注意義務以外に忠実義務というのがある。

旧信託法では、利益相反行為(受益者を損させて、受託者は儲けてはいけない)をしちゃいけないとなっていた。ただこの利益相反行為は受託者と信託財産の行為に限定されていて、たとえ、その行為の結果、受益者を損させないような場合(たとえば適正な価格で受託者が信託財産を買い取る)もだめとなっていた。

新信託法では、利益相反の範囲を広げ、受託者と第三者の信託財産のためにする行為の結果、受益者を損させるような場合もアウトとしたけど、受益者の損にならないような行為の場合は、形式的には利益相反行為に当てはまる場合でも、利益相反行為の例外だよと規定している。

第31条(利益相反行為の制限)

 受託者は、次に掲げる行為をしてはならない。

 ◆1 信託財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を固有財産に帰属させ、又は固有財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を信託財産に帰属させること。

 ◆2 信託財産に属する財産(当該財産に係る権利を含む。)を他の信託の信託財産に帰属させること。

 ◆3 第三者との間において信託財産のためにする行為であって、自己が当該第三者の代理人となって行うもの

 ◆4 信託財産に属する財産につき固有財産に属する財産のみをもって履行する責任を負う債務に係る債権を被担保債権とする担保権を設定することその他第三者との間において信託財産のためにする行為であって受託者又はその利害関係人と受益者との利益が相反することとなるもの

 2 前項の規定にかかわらず、次のいずれかに該当するときは、同項各号に掲げる行為をすることができる。ただし、第2号に掲げる事由にあっては、同号に該当する場合でも当該行為をすることができない旨の信託行為の定めがあるときは、この限りでない。

 ◆1 信託行為に当該行為をすることを許容する旨の定めがあるとき。

 ◆2 受託者が当該行為について重要な事実を開示して受益者の承認を得たとき。

 ◆3 相続その他の包括承継により信託財産に属する財産に係る権利が固有財産に帰属したとき。

 ◆4 受託者が当該行為をすることが信託の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、受益者の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該行為の信託財産に与える影響、当該行為の目的及び態様、受託者の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるとき。

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