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2007年5月 7日 (月)

資産証券化のビークル 目的信託は法人税課税か?

目的信託というのは「受益者の定めのない信託」で、公益信託以外の信託のことだと思います。

 この「受益者の定めのない信託」というのは、信託法で、いったん受益者の定めのない信託を作ったら、途中で受益者の定めのある信託に変更できないとか、期限が20年とか、自己信託では作れないとか決められています(信託法258261)。

さて、法人税法においては、「受益者等が存しない信託」というのが定められています(法法2二十九の二ロ)。

この受益者等とはどういうものかというと、

まず受益者というのは、受益者としての権利を現に有するものに限るとされています(法法12①)。受益者というのは、受益権を有する者(信託法2②六)であり、「受益権」とは、信託行為に基づいて受託者が受益者に対し負う債務であって信託財産に属する財産の引渡しその他の信託財産に係る給付をすべきものに係る債権(以下「受益債権」という。)及びこれを確保するためにこの法律の規定に基づいて受託者その他の者に対し一定の行為を求めることができる権利をいう(信託法2②六)をいいます。つまり、受益者は、財産をもらえるだけじゃなくて、ちゃんと財産がもらえるように受託者を監視する権利もあるということなんですね(信託法92)。

受益者とは、信託財産をもらえる権利+受託者がちゃんと働いてるか監視する権利 を持っている者

で、次に受益者等の等の中身ですが

信託の変更をする権利(軽徴な変更をする権限として政令で定めるものを除く。)を現に有し、かつ、当該信託の信託財産の給付を受けることとされている者(受益者を除く。)は、前項に規定する受益者とみなして、同項の規定を適用する(法法12②)。

みなし受益者とは、信託の変更をする権利+信託財産の給付を受ける権利を持っている者

たぶん委託者を想定しているのだと思います。

で、資産証券化のビークルとして、従来使われてきたケイマンの慈善信託や有限責任中間法人のかわりに、受益者の定めのない信託を使った場合は、その信託財産から生ずる所得(たぶん所得は0と思うけど)に対する税金は誰が払うの?

このビークルって、通常はオリジネーター(委託者)からの倒産隔離をねらっているから、受益者の定めのない信託の残余財産の帰属者もオリジネーター(委託者)と全く関係のない者にすると思う。

そうすると、残余財産帰属人は、   

       残余財産を受け取る権利はあるけれど、信託財産を監視する権利がないから受益者とはならない。

       残余財産を受け取る権利はあるけど、信託を変更する権利はないからみなし受益者にもなれない。

したがって、この資産証券化ビークルは、受益者等が存しない信託となるから法人課税信託となる。

このように、現段階では、信託大好きおばちゃんは考えています♪

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