« 信託と持分会社 | トップページ | 信託と株式会社 »

2007年6月20日 (水)

退職給付信託 ほんとうに大丈夫かな?

以前、このブログで、退職給付信託の改正後の取り扱いについて書きました。退職給付信託は、企業が資産を信託して将来退職する従業員の退職金に当てるための他益信託。いわゆる受益者が不特定の信託ということで、今の税制では委託者(信託した企業)課税になっています。これが改正で、委託者課税継続か、法人課税かを考えたところ、委託者課税になるためには、委託者が信託の変更権+財産の給付を受ける必要があります。で、退職給付信託というのは、委託者に信託した財産の返還がなされないようなものだから、おそらく法人税課税になるのでは?と思ったわけです。

 で、気になったのが経過措置、 もし既存の退職給付信託にも新しい税制が適用になると、がーんということになるのです。だって、法人課税のうちの受益者のいない信託だから、委託者側で時価課税、受託者側で時価で受贈益課税になるでしょ。

 さらっと条文を読んだら、改正前に効力が生じた信託については、従前の例による(付則34①)があるから、なんだ、従来道理だと軽く思ったわけです。

 ところが、もう一度条文読んだら同条2項に 信託法施行前に効力が生じた信託(旧信託)が信託法施行日以後に法人課税信託に該当することとなった場合には、当該旧信託を第2条の規定による改正後の法人税法第4条の79号に規定する受益者等がその信託財産に属する資産に属する資産及び負債を有するものとみなされる信託として同項を適用するとなってます。

 これはどういうことかというと、旧信託が法人課税信託に該当することになった場合は、新信託法の適用で法人税課税を適用しますよということだと思うのです。

 で、退職給付信託というのは、現行では委託者課税だけど、新税制では法人課税信託に該当する形態であるとすると、新法適用日に自動的に法人課税信託になってしまう。ということは、2項の適用になるのでは?ということです。

 やっぱりあぶないかと思って、もう一度調べてみたら、「退職給付信託資産の事業主への返還は禁止されていますが、実務指針にはなお書きがあるのです。なお、退職給付信託は、退職一時金及び退職年金制度における退職給付債務の積立不足額を積み立てるために設定するものであり、資産の信託への拠出時に、退職給付信託財産及び年金資産の合計額が対応する退職給付債務を超える場合には、当該退職給付信託財産は本報告における年金資産として認められないことに留意する。」

「なお書き」によると、積立超過となった場合はその限りではないと解されます。したがって、実際の信託契約でも、年金資産が退職給付債務を超過するなどの一定の基準を満たした場合に限り、事業主に積立金を返還できる規定を設けていることが多いようです。

参考 あずさ監査法人のHP

つまり、一定の要件に該当する場合は積立金を返還できる。これは委託者課税の要件である「当該信託の信託財産の給付を受けることとされている者」にあてはめられるのでは、ちょっと厳しいけど。それだったら従来どおりでOK

 いずれにしても言いたいことは、既存の退職給付信託がいきなり法人課税信託に該当するから課税だ!という事態は避けて欲しいのです。だって、日本中の多くの会社(ほとんど上場会社等会計監査対象会社と思いますが)に影響があるでしょ。

 この件に関しては、早く、オフィシャルに回答出して欲しいと思うのです♪

|

« 信託と持分会社 | トップページ | 信託と株式会社 »

コメント

http://www.fhi.co.jp/news/04_04_06/04_04_07.htm
この手の社債です

投稿: みうら | 2007年6月21日 (木) 18時26分

オフバランスしなければ、銀行から借り入れてはならない。という条項がある。
だから、信託 か 定期預金質権
収益は、利払いに使われます。

投稿: みうら | 2007年6月21日 (木) 18時23分

自益信託だったら、 信託受益権 1億円  現金 1億円

  他益信託  寄付又は損金 1億円  現金 1億円

   受益者の方は  現金  1億円  受贈益  1億円

ただ、この信託は、対価性があるから、

 設定時  委託者側は、寄付でなく社債 1億円  現金 1億円
 償還時  受益者側       現金 1億円  社債 1億円

ということ?

と考えて、これってデッドアサンプションのことですよね。

これは、委託者 社債会社で、受益者が銀行というように特定しているから法人課税信託にはならないし、 受益者は無償で利益を受けるわけでもないので そんなややこしい課税関係ではないのではと ふっと思っています。

実質的ディフィーザンスの一種。企業(=委託者)が発行した社債の元利金相当額を信託し、受託者は一定格付以上の安全な金融資産で運用したものを受益者に配当する他益信託のスキームを指す。受益者は委託者との間で別途債務履行引受契約を締結し、社債管理会社等の支払代理人に支払を行なう。


投稿: 信託大好きおばちゃん | 2007年6月21日 (木) 07時54分

みうらさん いつもありがとうございます。信託大好きおばちゃんです。

いまいち、内容がわからないのですが
会社にとっては、当初、社債を発行しお金が入ってくる たとえば1億円 仕訳でいうと  現金 1億円  社債 1億円

で、次に信託する。でも社債って負債だし、社債権者への元利金の保証という意味なら 現金1億円を信託するということ?
自益信託だったら、 信託受益権 1億円  現金 1億円

  他益信託  寄付又は損金 1億円  現金 1億円

   受益者の方は  現金  1億円  受贈益  1億円

 この他益信託の 収益受益者は誰ですか 元本受益者はたぶん社債権者だと思うのですが


投稿: 信託大好きおばちゃん | 2007年6月21日 (木) 07時45分

当社は、社債間限定同順位特約付無担保社債を発行している。
社債権者集会の決議なくしては、会社財産を担保にできない。
が、今回、借り入れをするために、元利金を担保するため、社債権者に満期時に弁済することを目的として、信託する。
社債は、オフバランスとなる。
担保に供しても、社債権者は不利にならない。
よって、決議は不要となる。

この場合、法人課税になるのですか。

定期預金に質権設定という方法もよくとられていますね。

投稿: みうら | 2007年6月20日 (水) 20時12分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/143467/15496492

この記事へのトラックバック一覧です: 退職給付信託 ほんとうに大丈夫かな?:

» 200万円からはじめて2年5ヶ月で資産1億3587万達成!?  [色々情報ブログ]
サラリーマンの方へ これは壮絶です!今日は、FXで1億円以上の資産を築いた投資家を紹介します。2年5ヶ月で1億3587万円の利益を得たその投資家の言葉は、何者にも代えがたい価値があります。なぜFX初心者の90%以上が大損するのか?逆...... [続きを読む]

受信: 2007年6月23日 (土) 00時26分

» 本日値上げ・・・今だけのチャンスです!! [トクする!!学問のススメ☆]
退職者の方へ今まさに業界で売り上げNO.1の情報です!!私も、もちろん買いました。逃すのが惜しかったからです。トップアフィリエイター達が口をそろえて絶賛!のこのノウハウをあなたはもう知っていますか?その衝撃の内容はコチラになります...... [続きを読む]

受信: 2007年6月25日 (月) 15時57分

» 退職願いの具体例 [退職願い 書き方]
退職願い の書き方や退職願い の書式、退職願い のサンプルや、実際に退職願いを書いた経験など、退職に関する情報をお届けしています。退職願いの書き方というか、退職願いという書類を作成する上で重要なのは、公式文書としての必要な項目をきちんと書くということです。加えて、自身の捺印なども三文判やシャチハタを使わずに、きちんとした印鑑を付きましょう。なお、会社に退職願いの書式が準備されている場合は会社指定の様式に従い、退職願いを入れる封筒は白地のものを使います。封筒の表には「退職願」と...... [続きを読む]

受信: 2007年6月26日 (火) 00時47分

» 会社都合退職 [求人情報はインターネット ハローワークで情報収集 簡単です]
会社都合退職(かいしゃつごうたいしょく)とは、労働契約解除の主たる原因が会社(使用者)による非自発的なものをいいます。解雇から会社都合退職への変遷かつて「解雇」が法律的に詳細定義されていない時代には使用者の都合による安易な契約解除(解雇もしくは不当解雇)も多く存在しました。不況時にはそれが激化したことなどから、近年の労働基準法の改正により、「解雇ルール」が明文化され、使用者の安易な解雇ができなくなりました。したがって、労働者の契約を終了させるのにも相当な理由が必要となりました...... [続きを読む]

受信: 2007年7月 4日 (水) 23時03分

» 会社法、今後の会社の形態 [会社法]
 有限会社が廃止されたが、会社の形態はどう変るのか、今後は株式会社以外は設立しにくくなるのか。 会社法では株式会社と有限会社を統合して、株式会社に一本化するとともに、合同会社を新設して、合同会社、合名会社、合資会社を持分会社として整理している。これに...... [続きを読む]

受信: 2007年7月 9日 (月) 18時52分

« 信託と持分会社 | トップページ | 信託と株式会社 »