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2007年6月 7日 (木)

お返事3 他益信託の疑問

Aは信託を設定して、収益受益権をB、元本受益権をCとした。改正税法を読むと、Cは元本を受け取ることになった時点で、Bからの贈与とされる。なぜなら、Cは、信託期間が終了して、清算の段階にならないと財産がもらえないから。でも、そうなるとBは、元本受益権を持っていないのに、持っていると税法上はみなされることになる。そうするとAが信託を設定した時点で、Bは収益受益権だけでなく元本受益権も含めてもらったものとして税金を払わないといけない。

Shinkouさん:

 「信託法制と信託税制の改革」(税研133(2007.5)1頁)

 この記事の中で、岡正晶弁護士が、おばちゃんと同様の心配(BCの受益者連続型信託の場合、Bに全額贈与課税されて、その後、Cにまた贈与課税されること)しておられます。そのことに関して、岡弁護士が

「このような疑問を財務省の方に申し上げましたところ、そういう議論もしたが、しかし、先ほどのような子供(Cの立場です)はいつ自分に帰属するかわからない財産について、信託契約設定のときに相続税がかかるのでは担税力がないと怒るでしょう。従ってこの時点で相続税をかける仕組みにはしませんでしたとのことでした。」と発言しています。

 このことからみても、おばちゃんの考え方が正しそうですね。

Krpwさん:

なんとなくですが、設例の場合、信託終了時にAからCへの贈与となれば、一番納得感が出る気がします。そういう信託設定はできないのでしょうか???

信託大好きおばちゃん:

収益受益権と残余財産受益権を委託者以外の別々の人が受け取った場合は、やはり、収益受益権だけをもらった人がババを掴むというような税法の作り方が正しいような気がします。

信託終了時にAからCへの贈与というのが、信託法と同じなのでいいのでしょうが、これを認めると、へんな租税回避と課税の繰り延べが横行しかねないというリスクがあるからこんな税法にしたのでしょう。

これは受益者連続でも同様の問題が生じます。 大金持ちが、財産を信託し、生前は自分が受益者で、自分が死んだら後妻に終身の収益受益権を、後妻が死んだら、先妻の子に収益受益権と元本分配権をという信託を設定した場合を考えます。大金持ちが死んだ時、後妻は、収益受益権しかもらわないのに、元本受益権ももらったものとし相続税を計算する。後妻が死んだ時に、先妻の子は、信託受益権を後妻からもらったものとして相続税を計算する。この場合、後妻と先妻の子の間に養子関係でもない限り、相続税の2割加算の対象になるはず。

相続税法第18

相続税額の加算相続又は遺贈により財産を取得した者が当該相続又は遺贈に係る被相続人の一親等の血族(当該被相続人の直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失つたため、代襲して相続人となつた当該被相続人の直系卑属を含む。)及び配偶者以外の者である場合においては、その者に係る相続税額は、前条の規定にかかわらず、同条の規定により算出した金額にその100分の20に相当する金額を加算した金額とする。

2 前項の一親等の血族には、同項の被相続人の直系卑属が当該被相続人の養子となつている場合を含まないものとする。ただし、当該被相続人の直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失つたため、代襲して相続人となつている場合は、この限りでない。

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コメント

解説ありがとうございます。もう一度、改正後の関連条文を勉強しなおします。m(__)m
ついでながら、現行の財産評価基本通達202(http://www.nta.go.jp/category/tutatu/kihon/sisan/zaihyou/zaihyou8/08.htm#202)は修正ということでしょうか。

投稿: krp | 2007年6月 7日 (木) 13時56分

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