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2007年7月31日 (火)

ブルドックソースの23億円の支払いは損金か否か?

いろんなメディアで最近ブルドックソースのことが話題になっていますが。今日は、そのうちブルドックソースのスティールパートナーズ等への23億円の支払いが損金になるかどうかについて、

 これは以前、このブログで書いたねたの応用だと思います。すなわち、新株予約権を時下よりも安い値段で発行して、時価で買い取り消却したケースです。

 新株予約権というのは、会社法上では負債じゃないけど、税法上は負債です。しかし、この新株予約権の発行時の価格というのは、別に時価で行わなくてもいいという規定があります。

第54条(新株予約権を対価とする費用の帰属事業年度の特例等)

 5 内国法人が新株予約権を発行する場合において、その新株予約権と引換えに払い込まれる金銭の額(金銭の払込みに代えて給付される金銭以外の資産の価額及び相殺される債権の額を含む。以下この項において同じ。)がその新株予約権のその発行の時の価額に満たないとき(その新株予約権を無償で発行したときを含む。)又はその新株予約権と引換えに払い込まれる金銭の額がその新株予約権のその発行の時の価額を超えるときは、その満たない部分の金額(その新株予約権を無償で発行した場合には、その発行の時の価額)又はその超える部分の金額に相当する金額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額又は益金の額に算入しない。

 だから価値のある新株予約権を0円でも発行して問題はありません。受け取った法人も0円で受け取ったならば、それが取得価額となります。

第119条(有価証券の取得価額)

3 株式等無償交付(法人がその株主等に対して新たに金銭の払込み又は金銭以外の資産の給付をさせないで当該法人の株式(出資を含む。以下第8号までにおいて同じ。)又は新株予約権を交付することをいう。次号において同じ。)により取得をした株式又は新株予約権(次号に掲げる有価証券に該当するもの及び新株予約権付社債に付された新株予約権を除く。) 零

 ところが、実はこの新株予約権は0円どころか、非常に価値のあるもので、実際のお値段はどうして計算したらそうなるのかわからないけど23億円!だったのです。そして、この新株予約権を会社は株主から買取り消却しようと考えました。新株予約権って負債。 負債や資産を法人が取引する場合は、時価で取引しないといけません。 だから、会社は時価23億円で株主から新株予約権を買い取りました。 仕訳を考えると 貸方現金 23億円はわかるけど、借方は? 新株予約権時価で取得してますよね。これって、社債を割引発行して、額面で償還しているようなものですよね。払い込み価額と額面の差額というのは損金処理されますよね。だったら本件のような差額の23億円も損金になるんじゃないかということでございます。

第22条(各事業年度の所得の金額の計算)

2 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。

3 内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるものを除き、次に掲げる額とする。

 ◆1 当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価の額

 ◆2 前号に掲げるもののほか、当該事業年度の販売費、一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額

      3 当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの

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コメント

はじめまして。最近法人税の勉強をしている学生なのですが、この記事を読んで疑問な点が思い浮かびましたのでコメントさせていただきます。

ブルドックソースのケースは、簡単に言えば、23億円で買い受けることを前提に新株予約権をゼロ円で発行するということですよね。もしこの23億円が損金になるとすれば、同じような方法で寄附金の損金不算入制度の租税回避が可能となるのでしょうか?
寄付をしたい個人や法人に対してゼロ円で新株予約権を発行して、すぐさま寄附金予定額で新株予約権を買い取れば、寄附金分を損金とできるということになりそうな気がするのですが。

投稿: hero | 2007年7月31日 (火) 09時21分

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