« 受益者のいない信託で受益者のいないまま終わった場合 | トップページ | 受益者が部分的に決まっていく信託-2 »

2007年7月24日 (火)

受益者が部分的に決まっていく信託

ある会社のオーナーが財産を信託しました。1年間でもっとも業績のあがった社員を毎年、1人選び、その人が受益者として受益権を受け取ることになっています。信託期間は10年。

委託者であるオーナーは、この信託から財産を受け取ることはありません。

 このような場合の課税関係はどうなるのでしょうか。信託設定時点で誰が受益者になるかわからないのでいわゆる法人課税信託になってしまうと思うのです。オーナー側、法人課税信託側、いずれの側でも課税関係が生ずる。で、次に1年後に一人の社員が決まって、受益権を一部受け取った。このような場合どうなるのか、 受益権として受け取った部分だけ、法人課税信託の資産、負債が社員に移り、その部分だけ、社員の方で、所得が発生したとして税金を計算するのが合理的ですよね。そして、法人課税信託の残りの部分は生き残っている。

 でも、そうならないみたい。このような場合は、最初の社員は一部しかもらわないのに、全部もらったものとする。ただし、信託財産の引継ぎに関して、法人課税信託側、社員側では課税関係は生じない。そして、その社員はとりあえず全部の信託財産から生ずる所得を受け取ったものとして申告納税義務を負う。次の年の業績のあがった社員が決まった時点で、受益権の一部を、前の年に受益権を全部受け取ったものとみなされている社員から贈与に受け取ったものとなるのでしょうね。そうすると、贈与税か。 

なんかへんですが、法律等から読み解くとそうなるような気がするのです。

法法4の7

八 法人課税信託について信託の終了があつた場合又は法人課税信託(第2条第29号の2ロ(定義)に掲げる信託に限る。)に第12条第1項(信託財産に属する資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用の帰属)に規定する受益者(同条第2項の規定により同条第1項に規定する受益者とみなされる者を含む。次号において「受益者等」という。)が存することとなつた場合(第2条第29号の2イ又はハに掲げる信託に該当する場合を除く。)には、これらの法人課税信託に係る受託法人の解散があつたものとする。

14-4-1(信託財産に属する資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用の帰属)

 受益者等課税信託における受益者は、受益者としての権利を現に有するものに限られるのであるから、例えば、一の受益者が有する受益者としての権利がその信託財産に係る受益者としての権利の一部にとどまる場合であっても、その余の権利を有する者が存しない又は特定されていないときには、当該受益者がその信託の信託財産に属する資産及び負債の全部を有するものとみなされ、かつ、当該信託財産に帰せられる収益及び費用の全部が帰せられるものとみなされることに留意する。

|

« 受益者のいない信託で受益者のいないまま終わった場合 | トップページ | 受益者が部分的に決まっていく信託-2 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 受益者のいない信託で受益者のいないまま終わった場合 | トップページ | 受益者が部分的に決まっていく信託-2 »