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2007年8月12日 (日)

お返事 信託の受益者の税務計算 相互譲渡 3

暑~い暑~い8月の日曜日、東京の空は明るく透明感のあるブルー。でも、今、外出する気になれません。太陽が沈んでからオリーブオイルとイタリアントマトを買いに行こう!

事例 A社とB社は、共同で信託を設定した。A社は土地時価1億円(帳簿価額4,000万円) B社は現金1億円を信託した。 両者は信託の利益を50%ずつ享受する。さて、しょっぱなのA社、B社の仕訳はどうする?

AB社の税務上の仕訳

A社の仕訳    現金 5,000万円  土地  2,000万円

                  譲渡益  3,000万円

B社の仕訳    土地 5,000万円  現金  5,000万円

じゃ会計上の仕訳はどうなるの? A社だけにしておきますが、移転損益を認識しない場合は、会計上は仕訳がない。 そうなると、税務と会計で仕訳に差がでるので、法人税の申告書上で3,000万円加算しないといけない。

たとえば、会計上は譲渡損益を認識するという場合はどうなるのか。会計は税務のように相互譲渡という考えはない。この場合、借方の勘定科目を受益権とする。

      受益権 1億円   土地 4,000万円

               譲渡益 6,000万円

そうなるとまたもや税務と会計の仕訳に差がでるので、法人税の申告書上で3,000万減算しないといけない。

QWERTYさん:

1)信託おばちゃんの事例(A社は土地、B社は現金を拠出し、両者は信託の利益を50%ずつ享受する)は、会計上移転損益を認識すべきパターンである。

2)脚注12のような事例においては、会計上のみならず、税務上も譲渡損益を認識すべきではない。

信託大好きおばちゃん

会計処理に関しては、実際の事例は、白か黒かはっきりするようなものはあまりなく、グレーゾーンがだだーっとある。どう処理するかは個別事例により異なるので、こうだとはいえませんが、

共同で信託をした場合の会計処理は事業分離会計基準の考えがベースになると思います。信託の会計処理案はファジーでよくわからないので、私は事業分離等に関する会計基準の考えをベースにスパッと書きます。

分離元の企業の受取対価が分離先企業の株式のみで分離先企業が子会社や関連会社に該当する場合、分離元企業がbookする移転先企業の株式の取得原価は移転した事業にかかる資産および負債の移転直前の適正な帳簿価額による純資産額に基づいて算定されるから移転損益は生じないと考えられます(事業分離等に関する会計基準171)、20(1)参照)。

本件の場合、A社、B社は、資産を信託して対価として受益権のみを受け取り、受益権のシェアは各50% 。これを株式にあてはめると、現物出資して、株式を取得し、取得後の持株比率は50% ずつ。ということは、A社、B社にとって、信託財産が会社ならば、この会社は子会社か関連会社にあてはまるのではないか。それなら移転損益は計上されない。だから、信託の場合も同様に考えることになり移転損益を計上しないのが原則で、そうじゃないような場合もひょっとしたらあるかもしれない。そんな場合は、移転損益を計上するということになるのではないかと。

 それから会計処理と税務処理は全然別のものと考えるべきです。会計上移転損益を計上しない場合でも税務上移転損益を計上する場合もある。とくに、共同で出資した場合は、会計上の処理はどうであれ、税務上は相互譲渡による移転損益を計上することになると考えます。税務上移転損益を計上しないのは、あくまも、委託者=受益者で1人の場合 根拠は お返事2あたりをご覧ください。

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コメント

お返事ありがとうございます。

1)については納得しました。

2)については、移転損益を計上する/しないが会計と税務で異なる場合があることは承知しています。ただ、委託者=受益者が複数の場合でも、税務上移転損益を認識しない場合も(例外的に)あり得るのであり、ASBの信託Q&A公開草案の脚注12の事例はそれにあたるのではということです。

財務省の19年度税制改正の解説
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/kaisetsu/pdf/P247-P378.pdf
294ページ
「(注) 受益者等が複数ある場合には、原則として他の受益者等が有することとなる部分について譲渡損益が計上されるものと考えられます。」
「なお、受益者としての権利を現に有する者(受益者とみなされる者を含みます。以下「受益者等」といいます。)が2以上ある場合には、受益者等課税信託の信託財産に属する資産及び負債の全部をそれぞれの受益者がその有する権利の内容に応じて有するものとし、当該信託財産に帰せられる収益及び費用の全部がそれぞれの受益者にその有する権利の内容に応じて帰せられるものとされています(法令15④)。(中略)また、各受益者等に質的に均等に帰属することまでを定めたものではなく、例えばある受益者は信託財産に属する土地の底地権を有し、他の受益者は当該土地の借地権を有するものとみなされる場合もあるといったように、信託行為の実態に応じて、帰属を判定するものと考えられます。」

ASBの信託Q&A公開草案
http://www.asb.or.jp/html/documents/exposure_draft/shintaku/shintaku.pdf
8-9ページ脚注
「12 なお、2(1)で示すように、受益権が各委託者兼当初受益者からの財産に対応する経済的効果を実質的に反映している場合には、受益者が信託財産を直接保有するものとみて会計処理を行うため、信託設定時に損益は生じない。」

投稿: QWERTY | 2007年8月13日 (月) 22時12分

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