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2007年8月16日 (木)

信託計算規則と特定受益証券発行信託

今朝、未明、東京では地震がありました。揺れで目が覚め、冷房を切って2時間くらいしかたっていないのにムーっ暑い。

QWERTYさん(これって、パソコンとかのキーボードの上から2番目の左から並んでいるアルファベットのことだったのですね。昨日発見しました)が、特定受益証券発行信託は、消費税の節税にもなられるというようなコメントをいただきましたが、こういう視点もあったんだなと感心しました。受益者にとって受益権譲渡した場合、譲渡対価の5%が非課税売上ですからね。課税売上割合が95% を下回るリスク(その結果、仕入れ税額控除が少なくなるから、消費税の納税額が増える)が減りますし、

さて、暑い中、毎日遊びにきていただいていらっしゃる方々のためにも、また、暑苦しい話を続けます。

特定受益証券発行信託(受益証券発行信託のうち、一定の要件に該当するもので、信託財産から生ずる所得については、受益者に分配された時点で課税される)の要件のひとつとして、利益留保割合が2.5% 以下というのがあります。この利益留保割合というのは、未分配利益の元本の総額に占める割合ということですが、これらの数値は、税務上の課税所得をベースとして計算するのか、会計上の数値をベースにするのかという論点があります。で、おそらく会計上の数値をベースにするものと予想されます。

利益留保割合の算定の基礎となる未分配利益の繰越額とされていますが、財務省令では、基本的に、税務計算ではなく信託会計上の金額、すなわち、受益者に開示すべき金額と同じ金額とされる予定です(平成19年改正税法の手引き298頁)。

これで、会計と税務の処理の差異により問題が生ずるリスクがなくなるのは画期的ですが、はたと疑問に思ったことがあるのです。たとえば、上場有価証券って、企業会計の場合は、原則として時価で計上ですよね。その他有価証券の場合だったら純資産の部を増減させるけど、売買目的だったら期中の損益で調整しますよね。で、この上場有価証券の含み損益が未分配利益を構成すると、株価の高い時期は、あっというまに利益留保割合が2.5%を超えるのではないか。そうなると法人課税信託になって、信託段階で法人税が課税されるから、受益者に対する配当の利回りが大幅に減少してしまう。

で、面白いことに気づいたのです。 会社計算規則には次の規定があります。

第5条(資産の評価)

6 次に掲げる資産については、事業年度の末日においてその時の時価又は適正な価格を付すことができる。

 ◆1 事業年度の末日における時価がその時の取得原価より低い資産

 ◆2 市場価格のある資産(子会社及び関連会社の株式並びに満期保有目的の債券を除く。)

       3 前2号に掲げる資産のほか、事業年度の末日においてその時の時価又は適正な価格を付すことが適当な資産

これに対応する信託計算規則は次のようになっています。

第7条(資産の評価)

6 次に掲げる資産については、信託事務年度の末日においてその時の時価又は適正な価格を付すことができる。

 ◆1 信託事務年度の末日における時価がその時の取得原価より低い資産

 ◆2 前号に掲げる資産のほか、信託事務年度の末日においてその時の時価又は適正な価格を付すことが適当な資産

この信託計算規則は限定責任信託に関するものですが、会社計算規則の市場価格のある資産を時価評価するという規定に対応するものが信託計算規則にはないのです。つまり、信託財産が上場有価証券を持っていても時価評価しなくていい。そうなると、先ほどの含み益がある場合は2.5%下がってしまうというリスクがなくなるわけです。

あと気になるのは、デリバティブ関連商品ですが、こっちも時価でなくてokなんでしょうかね。

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