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2007年8月 4日 (土)

お返事 信託の受益者の税務計算 相互譲渡

QWERTYさん: 移転損益と譲渡損益は同じ意味でいいでしょうか。移転損益という言い方は会社分割や営業譲渡の場合によくみるような気がします。

信託大好きおばちゃん: いちおう ASBJの「信託の会計処理に関する実務上の取扱い(案)」Q4に 「委託者兼当初受益者が複数である金銭以外の信託における委託者及び受益者はどのように処理するかというのがあって、 そこのアンサーで 当該信託の設定は、共同で現物出資により会社を設立することに類似するものであるため、現物出資による会社の設立における移転元の企業の会計処理に準じて、当該委託者兼当初受益者が支配することも重要な影響を及ぼすこともない場合には、その個別財務諸表上、原則として、移転損益を認識することが適当とか考えられる。」とされています。

 移転の方が譲渡よりも範囲は広いような気がします。本件の場合は、税務上の仕訳と整合しといた方がわかりやすいかなと思って譲渡損益としています。

QWERTYさん:会計上、仕訳を一切しないという判断は、どういう考えのもとで正当化されるのでしょうか。土地の所有実態(価値や用途)は受益権に化けてからも継続しているという点を重視するのでしょうか。実態という点でいうと、土地を担保に5000万円借りる取引と近いような気もしますが、土地担保借入の場合は借方現金、貸方借入金と仕訳しますよね。

信託大好きおばちゃん:同じくASBJの「信託の会計処理に関する実務上の取扱い(案)」Q4に 「委託者兼当初受益者が複数である信託を設定した場合、各委託者兼当初受益者は、受託者に対してそれぞれの財産を移転し、受益権を受け取ることになる。この場合も他の信託の設定時と同様に、当該信託の設定により損益は生じないものと考えられる。」とあって、他の信託はどのようにするかというと、たとえばQ3のアンサーによると、「金融資産の信託や不動産の信託など、委託者兼当初受益者が単数である金銭以外の信託は、信託財産を直接保有する場合と同様の会計処理を行うものとされている。このため、信託設定時に、委託者兼当初受益者は、特段の会計処理を要しない(すなわち、信託財産を受益権等の科目に振り替えない。)。」とされています。つまり、受益権に化けても、実態は同じという点を重視しているから仕訳の必要はないということではないでしょうか。

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コメント

以上の理解が正しければ、

1)信託おばちゃんの事例(A社は土地、B社は現金を拠出し、両者は信託の利益を50%ずつ享受する)は、会計上移転損益を認識すべきパターンである。

2)脚注12のような事例においては、会計上のみならず、税務上も譲渡損益を認識すべきではない。

ということになるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

投稿: QWERTY | 2007年8月10日 (金) 23時33分

どうもありがとうございます。
さっそく教えていただいた公開草案Q4の「1.信託設定時の会計処理」を読んでみました。
http://www.asb.or.jp/html/documents/exposure_draft/shintaku/shintaku.pdf
第一段落で、原則としては移転損益を認識しないことを明らかにした上で、第二段落で、拠出する財産が自社(委託者、当初受益者)の支配から外れるような場合には、事業分離と実質的に同じであるから移転損益を認識する、と例外的な取扱いを示しているわけですね。自社の任意で自由に決められるというわけではなく、あくまでケースごとに実態に即して判断する、と。
脚注12が言っているのは、A社、B社の受益権の内容が混じらず、それぞれ自社が拠出した財産(例えば土地)の経済的成果を受け続けるような場合には、実質的に財産の移転は起きておらず、移転損益を認識しない、ということですね。

投稿: QWERTY | 2007年8月10日 (金) 23時11分

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