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2007年8月14日 (火)

お返事 信託の受益者の税務計算 相互譲渡 4

毎日、ほんとうに暑いですねぇ。こう暑いと思考能力はいつも以上に低下傾向。収納棚に積んであったペットボトルのお茶の箱や缶ビールの箱もどんどん減少。

だけど、痩せないなぁ。そう わたしは “樽ドル”信託大好きおばちゃん♪      

えんえんとQWERTYさんとのやりとりが続いてます。

今はどういう論点かというと、 複数の委託者が共同で出資した場合に、会計上も税務上も移転損益が生じないケースがあるのではないかということです。

QWERTYさん移転損益を計上する/しないが会計と税務で異なる場合があることは承知しています。ただ、委託者=受益者が複数の場合でも、税務上移転損益を認識しない場合も(例外的に)あり得るのであり、ASBの信託Q&A公開草案の脚注12の事例はそれにあたるのではということです。

脚注12とは、なお、2(1)で示すように、受益権が各委託者兼当初受益者からの財産に対応する経済的効果を実質的に反映している場合には、受益者が信託財産を直接保有するものとみて会計処理を行うため、信託設定時に損益は生じない。

信託大好きおばちゃん:

上記21)はどのようなケースをあてはめているかというと、「共有していた財産を信託し、その財産に応じて受益権を受け取るような場合のように、委託者兼当初受益者が複数であっても、それぞれにおける経済的効果が信託前と実質的に異ならない場合」のようです。これって、たとえば、土地の共有者が、共同して信託をした場合を想定していると考えます。ただ、このような場合、必ず、税務上、相互譲渡として譲渡損益を計上しなくていいのかというとそうではないと考えます。もし、共有者が信託し受益権を共有割合で受け取るならば税務上譲渡損益を計上しなくていいとするならば、通達等にこのようなケースを書いてもいいはずです。しかし、書かれていない。

では、どのような場合が可能なのかというと、過去に国税庁の出した質疑応答事例にヒントがあるような気がします。これはどのようなケースかというと、石油元受業者が各々土地を現物出資し、共同で利用する民法組合契約を結び、組合契約の解消時には出資財産は出資者に帰属することが合意されているというようなもの。お上の回答として「出資した土地等の持分を他の組合員に移転させないことを目的として、解散時に出資した土地等の現物をその出資者に返還する旨の特約を締結し、この特約に従って組合業務が執行される場合には、出資した土地等の持分の移転がない(権利の移転がない)ことにより、また実態的にも譲渡がないことから、税務上、出資時あるいは返還時のいずれについても土地等の譲渡はないものとして取り扱うものが相当である。」

これを信託にあてはめると、共有の土地を信託して、信託終了後その土地を元の所有者の元の共有持分に応じて戻す特約がある場合は、譲渡損益を認識しないことになります。が、ほんとうにこのような特約があれば譲渡損益を認識しないでいいのかどうかはわかりません。この国税庁の事例は、特殊な特殊な事例なのかもしれません。それに、あくまでも民法上の組合の契約に基づいているので、信託でも同じように使えるのかどうかわかりません。

もしかしたら、

複数の委託者でも会計上移転損益を計上しないケース >>> 複数の委託者でも税務上の移転損益を計上しないケース となるかもしれない。。。。 

おそらく事案にぶつかって、事前にお上と折衝して確認をとることにより判明するのではないかなと考えています。

ま、このブログ、お上系の人たちもいっぱい遊びに来ていらっしゃるから、こういうケースでは、複数の委託者で信託しても税務上譲渡損益を計上しないですよ!と公表していただけるかもしれませんが♪

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コメント

お返事ありがとうございます。

ASB公開草案の本文2(1)が直接に指しているのは元から共有の財産を拠出するケースだというのは仰るとおりですね。脚注12はそれを一歩拡大して、それぞれが別個の所有財産を拠出する場合も含めた言い方なのかなと思います。

税務上の扱いについては、財務省の19年度税制改正の解説をよむと、従来は形式基準的に相互譲渡の扱いをせざるを得なかったが、改正後(新信託法施行後)は、みなし受益者という概念の導入とともに、実質に応じた帰属処理ができるようになった、ということではないかと思います。信託法改正による信託の設計の柔軟化に対して、新税制は、かなり詳しくパターン分けして規定しつつも、それでも拾いきれない部分をこの「実質基準」でカバーするということかと。つまり、みなし受益者の実質基準というのは、だれが課税対象者かの特定だけでなく、それぞれの者(受益者等)についてどのような利得がどれだけ帰属するかの切り分けにも用いられるのではないかと。
そうであれば、今後、通達や質疑応答事例で実質基準の適用パターンを例示していってほしいところですね。

財務省:19年度税制改正の解説
http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/kaisetsu/pdf/P247-P378.pdf
293ページ
(2)受益者等課税信託
第1に、信託財産に属する資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用が帰属するものとみなされる者は、従来は形式基準により受益者が存する場合には受益者と、受益者が不特定又は不存在の場合には委託者とされていましたが、実質基準を導入し、受益者と同等の地位を有する者をみなし受益者として取り扱うこととされました。みなし受益者は、その者に信託財産に帰せられる所得が帰属するとみなして課税することが適当な状態にある者のことですが、このメルクマールについて、新信託法における受益者の概念(注1)を参考にしつつ、信託の変更をする権限(信託をコントロールする権利の具現化)を有するか否か及び信託財産の給付を受けることとされているか否かによって判断することとされました。

投稿: QWERTY | 2007年8月14日 (火) 22時18分

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