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2007年8月 8日 (水)

ブルドックソース お上は本当に投資ファンドに課税できるの?

 昨日、ブルドックソース買収防衛策に関して、最高裁が防衛策差し止めを認めないことを決定しました。

 認めないポイントは、2つあって、株主総会の特別決議で防衛策を認めていること、買収者も株式をもらえない代わりにお金をもらえるからいいじゃないのということなのでしょうね。

 で、信託大好きおばちゃんは、葉玉さんのように会社法に関する造詣なんて全然ないので自分のフィールドに持ち込んで書きます。

 お上は本当に投資ファンドに課税できるの?

 ブルドックソース周りの課税関係に関して、専門家の間で議論がありますが、今日はファンドサイドの課税の話。

 投資ファンドは通常パススルー課税だからファンドの先の組合員の課税の問題のような気もしますが、

 いろんな議論をみていると、スティールパートナーズ側は新株予約権を譲渡して現金をもらうから、譲渡所得税がかかると書かれています。新株予約権の譲渡も株式等の譲渡所得等の金額に含まれるようですね。

非居住者が日本の株式を譲渡した場合は、日本で譲渡所得に課税ができるかということですが、日本にPE(恒久的施設)を持ってない非居住者が日本の株式を譲渡しても原則としては、譲渡所得課税は日本で行われませんね。

もちろん、例外があって、事業譲渡類似株式のような場合は、日本で課税が可能になるのです。でもその要件というのは、株券等の譲渡のあった年以前3年以内に25%以上の株を持っていて、5%以上を譲渡した場合なんですよね。あ、「同一銘柄の内国法人の株式等の買い集めをし、その所有者である地位を利用して、株式等をその内国法人もしくはその特殊関係者に対し、またはこれらの者もしくはその依頼する者の斡旋により譲渡することによる所得」というのもあるけど、これにきちんとあてはまるようなものでもないような気がします。新聞でチラッと読んだだけだから事実関係は異なるのかもしれないけど、スティールパートナーズって、マックスで10%の持ち株比率のようですね。そうすると、このスティールパートナーズの新株予約権の譲渡は事業譲渡類似株式の譲渡にあてはまらない。

じゃ、次に日本にPEがあるかどうかという問題があると思います。ファンドが日本で投資顧問に運用を依頼しているような場合、投資顧問が独立代理人に該当するかどうかということです。国内法では独立代理人は代理人PEに含まれるから、投資顧問をおいてファンドの運用をしている場合は、日本にPEがあるととられる可能性が高い。この場合は、日本で課税できる。

しかし、日本は各国と租税条約を結んでいて、租税条約は原則的には国内法よりエライ。で、租税条約では独立代理人を代理人PEからはずしている国が多い。だから、ファンドがパススルー課税のビークルで組合員が租税条約国の居住者や法人の場合は、日本にPEがなく、日本の新株予約権を譲渡したことになるから日本では課税されないことになる。となるのではないでしょうか。

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