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2007年9月28日 (金)

証券化商品 10段階格下げ

本日の日経新聞朝刊から「米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が、日本の中小企業の社債を裏づけにした証券化商品(CBO)の格付けを投機的水準に引き下げたことが波紋を広げている。」

サブプライム問題やらクレディア問題やら証券化周りはにぎやかですが、わずか2ヶ月でトリプルAから10段階引き下げとは凄いです。何年か前の3月31日に金融機関等の株価がベンチャーの株価のごとく急落したのを思い出しました。評価損○億円なんてあたりまえだったもんね。

この証券化商品CBOも、リスク加工の手法として社債のかたまりを優先、普通、劣後にわけて、確実な投下資本の回収を望む投資家は優先部分を、リスクをちょっととってもハイリターンがほしい投資家は普通部分を、そして、オリジネーターというか資産の原所有者が劣後を持っていたのでしょうね。

新聞記事によると、このCBOは4段階にわけているうちの上から2番目の部分で、裏づけ資産の債務不履行率が高まったと説明されているようです。

でも、サブプライム問題ならまだしも、日本の中小企業の社債でしょ。今、日本の景気が悪くて中小企業がばたばた倒れている状態ならこの理由付けは納得できるのですが、別にそうでもない。

これって、証券化商品の中身が急に悪くなったのではなく、中身がいいか悪いかを算定する計算式がおかしかったからじゃないかなあ♪

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2007年9月27日 (木)

合弁のためのビークル

昨日の日経に 「マイクロソフト合弁、LLP活用 制約の少ない有限責任組合 まずNTTデータ」がありました。

今まで合弁には株式会社を利用していましたが、これを有限責任事業組合(LLP)に変えましょうということです。

有限責任事業組合というのは、組合だけど、組合員の組合債務に対する責任の限度額が、原則的には、出資限度というものです。設立が容易で、出資者間の権限や利益分配を柔軟に決めることができ、パス・スルー課税を使えるというメリットがあるといわれています。

ただ、税務の面を考えると、損失の規制があったり、出資割合と異なる損益分配を行う場合は、利益の組合間の移転があるものとして課税されるリスクもあるし、組合課税が充実していないのでどのように処理をしていいのかわからない面も多々あります。

この合弁のように第三者間が事業を行い、しかも、期限があるような場合はLLPが使えるビークルとなるのかもしれません。

でも、合弁のためにLLPを使うより信託の方がより柔軟な設計ができるのではないかなあ。

信託も有期のビークルだし、LLPよりももっと柔軟に設計できる。組合の場合は、出資する人が自ら事業を行って損益の配分を受けるというものだけど、信託は出資する人と事業を行う人と損益の分配を受ける人が同じでも別でもかまわない。事業を行う人が100%損益の分配を受けるのは問題だけどね。ガバナンスをどうするかも自由に設計できる。そして、事業を行い資産、負債を形式的に持つのは受託者である。LLPは契約だから法人格がないので、たとえば、資産は組合員の合有という形になって、ややこしい。

たぶん、合弁をするなら合弁当事者のうちの一社が自己信託して、信託受益権の一部を相手方に譲渡するというような形で行うのが、何年後かの定番になるんじゃないかなあ。

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2007年9月26日 (水)

事業の証券化の本質は

ビジネス法務 2007.11号の特集は「スキーム別解説 事業会社のための新・信託法」です。

この中で、弁護士の森博樹氏が「新信託法と資金調達―事業信託を利用した事業の証券化」を書いていらっしゃいます。

その中で、事業の証券化の本質は、オリジネーターが通常のコーポレートローンで資金調達をする場合よりも有利な条件での調達を実現するという点であるとおっしゃってます。

なるほど、

そして、事業の証券化と異なる点は、事業主体の信用リスクから事業ないしキャッシュフローを隔離することにより、キャッシュフローを安定させる仕組みを考えること。

このしくみは2つあってそれは、

              事業主体の信用リスクをコントロールして、将来発生するキャッシュフローを安定させること

              経営が悪化した場合、事業主体から証券化された事業だけを切り出して、他の事業体に運営してもらうようにすること

だそうです。この辺って、以前、おばちゃんの記事でも書いた、ソフトバンクのボーダフォン買収で使われたスキームにおいて使われている仕組みにも現れているなと思います。

で、これは事業の信託を用いてできるのではないか。信託の本質は、委託者や受託者からの倒産隔離であり、自己信託を利用することによりコストセービングもできる。また、事業主体の変更も受託者の変更でできる。

事業の信託が広がるのは自己信託が可能となる来年からで、それまでは助走期間というか準備期間というか研究期間というか まあそんなものになるんだろううなあ♪

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2007年9月25日 (火)

後継ぎ遺贈受益者連続型信託の税制要望

「クレディアの破綻と証券化商品の元本割れ  」に関して、プロの方がコメントをいろいろお書きです。ご興味のある方はコメントの方ご一読ください!

信託協会のHPに平成20年度税制改正に関する要望というのが掲載されていました。この中に後継ぎ遺贈受益者連続型信託の税制要望というのが掲載されています。

後継ぎ遺贈受益者連続型信託というのは、受益者が死亡したら次の受益者が誰ということが定められているような信託です。でも、どこまでも受益者連続型信託を認めていたら大変なことになるので、信託設定から30年を経過したときの受益者の次の受益者がいてたら、その次の受益者までとなってます。

で、この課税関係がシビア。 それぞれの受益者は、生存期間に限定された信託から生ずる利益(収益受益権)しかもらえなくても、信託受益権という資産(つまり収益受益権と元本受益権)そのものをもらったとして課税されるから。

これはおかしいということで税制要望を出します。

後継ぎ遺贈で、配偶者の扶養のために第一受益者を配偶者、第2受益者を子供とすると、当人の死亡時、配偶者の死亡時の2度にわたって課税されます。

一方、負担付遺贈ということで 息子が当人から財産を承継するが、そのかわり、一定期間、母親の生活費の面倒をみるという場合は、一回の相続税ですみます。

同じような行為に対して、課税が異なるというのはまずいですよね。

それから、設定時に受益権の内容が確定している信託については、それぞれ受益権を評価して設定時に1回限りの課税が可能ではないか。

ということで、「家族の扶養のための給付や資産承継を目的とする信託であって、信託設定時に受益権の内容が確定している受益者連続信託については、受益者連続型信託の課税の特例の適用対象から除外されたい。」だそうです。

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2007年9月23日 (日)

「クレディアの破綻と証券化商品の元本割れ」に関するコメント

こんにちは 今日はどんよりと肌涼しい一日でした。さて先日の「クレディアの破綻と証券化商品の元本割れについて、プロの方からコメントをいただきましたので、掲載します。おばちゃんには奥の深いつっこみができないので、こぴぺのみです。

なお、9月25日 9時32分ごろに追加しています。

Shotanajpさん:

消費者ローン債権を流動化する際には、過払い返還請求から隔離するために、オリジネータに過払返還金の支払を残します(契約上)。ひょっとすると、私が関わったものだけで、隔離していないケースもあるかも知れませんが。。

ですので、オリジネータの財務内容が健全な場合は、証券化商品の投資家にはリスクはおよびません。

ただし、オリジネータが倒れた場合は、投資家にリスクが及んできます。証券化でバックアップするのは、オペレータだけで、支払義務者は移転されないからです。

ですので、この手の商品は、

オリジネータが死ぬまではOK

死んだらOUT

という感じなんでしょう。

Dataminerさん:

shotanajpさん、通常の貸主健全なケースでは、貸主が信託債権について、債務整理しようとすれば、さービシング期間直後に、信託を解除して、委託者に戻して、ローン契約、和解などする。権限がないですから。だからもともと過払い金返還義務は通常のケースではありえない。そうすると過払い金返還義務がオリジネーターに残るケースというのは、信託解除がない場合か。そして過払い金返還部分は、格付上、貸主の企業格付リスクに依存するということになりませんか。信用補完に組み込めて、無視できる範囲ならいいでしょうけれど。

ところで、不明なのは、債務整理で金利引きなおしで消滅した元本債権が生じた場合、その減額部分の補償はどうなるでしょうか。

民事再生で、どうなる債務整理元本消滅、不当利得請求権の扱いについて、考察してみました。

http://consumerloan.blog.shinobi.jp/Entry/74/

<9月25日追加分>

ダ~タマイナーさん:

債権を信託に移転するとき、委託者に、当該譲渡債権にかかり将来生じる不当利得返還請求権を委託者に留めたままで、権利は移転できるか。
そういう契約は、できないことはなかったでしょう。

しかし、以下実態から、そうした契約をしたことはありえません。

委託者兼サービサーは、信託債権にかかり全部の回収金を引渡し、サービシング期間ごとに(隔週か月次)、元利金別の受領額、延滞口座とともに、報告をしています。

したがって、証券化期間数年にわたり、信託財産は、すなわち受託者の多分新生信託銀行は、グレーゾーン金利を受領しているのです。
架空請求と認識しながら、容認していたのです。
だから、不利5%を信託財産からいただけます。
札幌高等裁判所平成19年4月26日判決 架空請求」と認定
070731 大阪高裁 GE 架空請求類似

信託は財産がたっぷりだから、しかも真正売買で(信託目的譲渡ですが)、民事再生の影響をうけないいので、不当利得は信託財産の範囲で、いくらでも安心してとりにいけます。
100人から訴訟をうけたら、過払いを払わないようなふとどきな金融機関は金融商品取引法のもと、不法な回収を行い、返還もしないとで処分されるでしょう。レピュテーション問題で、払うでしょう。クレサラ弁護士にとっては、クレディアが残してくれた、宝の山だ。払わなければ、貸金業法24条2項通知も打たないで、未だにだれに帰属するかも開示しないで、債権届け出もできないような状況を許せるはずがない。共同不法行為で、もろともに訴訟してあげればいい。 無担保消費者金融ロ-ンの1/3近くになる。

ところで、格付機関S&Pは、シングルA格付の信用補完レベルを計算するとき、金利収入にストレスをかけて計算をしますが、21~22%まで、受領できるとして想定しています。AAAであれば、18%まで、AAで20%までとか。
ムーディーズは、投資適格であるならば、18%までしか回収できないとして、超過担保、信用補完を計算します。

shotanajpさん:

>dataminer さん

信託おばちゃんのBlogで記載することではないかもしれませんが、Blog拝見(勉強)させて頂きました。
かなりマニアックなBlogを記載されていますね。
文章を読んでいて、どのような職業の方なのかが想像できます(若干、妄想癖があるのでスイマセン)。

こちらももう少し詳細な部分まで書けば良かったですね。少し反省です。
私が記載したコメントはdataminerさんのBlogで記載されている”戻し”です。

私も以前は消費者ローン債権の証券化に関わったこともありますが、その時に取った格付けも今はどうなっていることやら。。

戻し計算についても、「オリジネーターから入手したデータをそのまま信用していいのか?」、「過払い金計算用ソフトをそのまま使うだけでいいの?」と思ったりしますが、今はそれを商売にしていたりします。
昔販売した投資家には怒られるかもしれませんけどね。。

私が以前M&Aで消費者金融の買収を検討していた頃から、状況はすっかり変わりましたが、その頃は、証券化商品の民事再生法の申請時の重要財産認定について疑義を感じていました。

>民事再生で、どうなる債務整理元本消滅、不当利得請求権の扱いについて、考察してみました。

こちらは、証券化の永遠の課題だと思います。
日本には欧州のようにフローティング・チャージという概念もありませんし、債権・動産を押さえる法律は限られています。さらに、第三者対抗要件も具備することが、社会通念上躊躇われる場合が多いと思われます。

消費者ローン債権だけではなく、他のケースでも同様でしょう。

債権譲渡特例法、集合動産登記など、アヤフヤな法律・担保設定手法が多いのですが、理屈的には保全されていると思っていても、保全するための手続きが煩雑なケースや、対抗要件具備のための通知をどれだけスピーディーに行えるかといった、「力技」で勝負しなければならない部分もあります。

個人的には、「WBSが将来的に何件やられるか?」ということも、興味はあります。

長々と書いてしまいましたが、dataminerさんのように特定分野に興味を持たれ(業務上?)、そして日々、仮説・検証・考察を繰り返されている方といつか案件等でご一緒できると良いですね。

それでは、おやすみなさい。

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2007年9月21日 (金)

クレディアの破綻と証券化商品の元本割れ

 昨晩、NHKのクローズアップ現代のテーマはサブプライム問題でした。私が、先日、このブログで書いていた加工されたリスクに関する評価が甘かったんじゃないかということをわかりやすく説明していたと思います。

 さて、本日の日経を読むと「過払い金」問題 証券化商品に波及という記事がありました。

 過払い金問題は、消費者ローン等で、上限利息を超える「過払い金」部分を払った場合は、その部分に関しては、債務者であるお客さんが、債権者である消費者ローン会社等に対して返してくださいと請求できることです。

この問題は、実は消費者ローン会社とお客さんの間の問題ではないのです。なぜなら、消費者ローン等の会社は、お客さんに対する債権を証券化しているからです。

消費者金融のクレディアが民事再生法を申請しました。証券化の場合は、委託者であるオリジネーターの倒産によるリスクを避けるためにいろんな手法を使っているはずなので問題は起こらないはずなのですが、ここで過払い金問題がわきおこりました。

過払い金問題がおこると、その分のお金は消費者金融のお客さんに返還しないといけない。返還すると信託財産が減る。記事によると、このような問題が生じた場合は、オリジネーターであるクレディアに返還請求できることになっていたけど、このクレディアが民事再生法の適用を申請してしまった。そうすると、この返還請求権は、再生債権となる可能性が高く、債権カットが決まると、その部分信託財産が減り、証券化商品の元本割れが生じるということのようです。

ちなみに、このローンの格付けは、投資適格(トリプルB以上)、想定外のことが起こったということでしょうか。

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自己信託 固有財産と信託財産間の取引の消費税の取扱い  その2

仕訳シリーズ。一部のマニアのみ興味のある話ですが。 なお、消費税の会計処理は税抜経理

ケース3 集団投資信託(たとえば、特定受益証券発行信託)があるが、Aが委託者として自己信託しており、Aが受益権を40%所有、Bが受益権を60%所有している。Aが固有財産に属する商品1,050(うち消費税50)を信託財産に譲渡した。

集団投資信託で、受託者(受益者)の固有財産に属する資産を信託財産に移した取引は消費税法上の譲渡等にあたるのでしょうか。

消費税法上の譲渡等と考える場合

Aの仕訳   売掛金 1,050  売上 1,000

           仮受消費税    50

           仕入   1,000 買掛金 1,050

          仮払消費税   50

消費税法上の譲渡等とは当たらない場合

Aの仕訳なし。

集団投資信託では、信託財産の取引の消費税の納税義務者は受託者だけど、固有財産の取引と信託財産の取引とは区別することなく、申告を行うことになるようです。(参考 「平成19年度版改正税法の手引き」647頁)

ケース4 

法人課税信託があるが、Aが委託者として自己信託しており、Aが受益権を40%所有、Bが受益権を60%所有している。Aが固有財産に属する商品1,050(うち消費税50)を信託財産に譲渡した。

法人課税信託で、受託者(受益者)の固有財産に属する資産を信託財産に移した取引は消費税法上の譲渡等にあたるのでしょうか。

これは、あたると思う。

A(固有財産の仕訳)  売掛金 1,050  売上 1,000

          仮受消費税    50

A(信託財産の仕訳)   仕入   1,000 買掛金 1,050

               仮払消費税   50

法人課税信託の場合の納税義務者は、集団投資信託と同様に受託者であるが、受託者は固有の財産の取引と信託財産の取引を別々に申告することになるから。(消法15

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2007年9月20日 (木)

自己信託 固有財産と信託財産間の取引の消費税の取扱い  その1

久々の仕訳研究シリーズ。 法人税、所得税だけでなく消費税のことも考えないといけないので、いろんなケースで考えています。なお、消費税の会計処理は税抜経理

ケース1  受益者≠受託者である受益者等課税信託がある。 A40% B60%の受益権を持ち、受託者はCである。 Aが商品1,050(うち消費税50)Cが受託者である信託財産に売却した。

この資産の譲渡は、消費税法上の資産の譲渡等に当たると思う。なぜなら、ACだから。

Aの仕訳  売掛金 1,050  売上 1,000

           仮受消費税   50

            仕入   400 買掛金  420

          仮払消費税  20

Bの仕訳  仕入   600 買掛金  630

     仮払消費税  30

ケース2  受益者等課税信託があるが、Aが委託者として自己信託しており、Aが受益権を40%所有、Bが受益権を60%所有している。Aが固有財産に属する商品1,050(うち消費税50)を信託財産に譲渡した。

受益者等課税信託で、受託者(受益者)の固有財産に属する資産を信託財産に移した取引は消費税法上の譲渡等にあたるのでしょうか。

もしあたるとしたら、

Aの仕訳  売掛金 1,050  売上 1,000

           仮受消費税   50

            仕入   400 買掛金  420

          仮払消費税  20

Bの仕訳  仕入   600 買掛金  630

     仮払消費税  30

もし、消費税法上の譲渡等にあたらないとしても、Bに配分される仕入部分に関しては取引があると考えられるから、この部分の仕訳は

Aの仕訳   売掛金 630   売上 600

            仮受消費税  30

Bの仕訳  仕入   600 買掛金  630

     仮払消費税  30


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2007年9月19日 (水)

サブプライム問題と信用格付け

あいかわらず、サブプライム問題が日経の紙面をにぎわしています。

昨日の新聞では、グリーンスパン氏(FRB前議長)が、「融資基準緩和の緩和のリスクには気づいていたが、住宅保有層の拡大を考えればリスクを取る価値はあると思った。」と述懐されています。彼の発言がどうかは、歴史が教えてくれるでしょう。

今朝の新聞で 米SP在日代表チャン・ユーツン氏は、サブプライムローンに関して市場混乱の主犯といわれても戸惑うとおっしゃられています。

格付けが甘かったかという指摘に対するチャン氏の回答「確かにこういう条件を満たせばこの格付けというモデルを提示し、組成側と商品設計を相談しながら証券化を支援している。」を読んでへーっと思って、江川由紀雄氏の「実践証券化入門」80頁から81頁を開いてみると、「ストラクチャードファイナンス格付けの場合は、仕組み上の工夫や信用保管水準の調整をもってオリジネーターあるいはアレンジャーなどの当事者が目標とする格付けが取得できるように仕組みが作りこまれていることが多いのが特徴である。」と書いてあるから、実際そうなんでしょうね。

この辺が、市場混乱の主犯といわれている原因の一つなのかもしれません。証券化商品に関しては、投資家は格付け会社の格付けをみて投資の意思決定をすることが多いそうですが、その格付け会社が証券発行会社とタイアップしているんだったら、自分たちの利益のために甘い格付けをしているかもしれないと思われているのでしょう。実際には、手心を加えてということはないのでしょうが。

じゃ何が混乱の原因か? 

当然、貸倒問題が表面化したことが主たる原因ですが、世界的に広がった要因はローンを組み込んだ商品を世界中の投資家が買ったこと。この証券化商品の格付けは結構評価が高かったのでしょうね。でも、破綻した。破綻するかもしれないという懸念は評価者にはあったと思うのですが、まあいいかと思わせる要因があったような気がします。

それは、証券化の特徴である信用リスクの加工(法的経済的なリスク及び経済的なリスクをうまくコントロールして、投資家の望むリスク・リターン・プロファイルを持つ投資商品に仕立て上げる技術 上記江川氏の著書10頁)を過大評価したことも一因なのかなあって、素人ながら考えているのですが♪

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2007年9月18日 (火)

竹中さんの経済教室

今日の日本経済新聞の経済教室は、竹中平蔵氏の「復古政治の跋扈許すな」です。

先週、安倍さんが首相を突然やめちゃって、次の首相を選ばないといけないのですが、特に政策がどーのこーのということよりも、自分たちに都合がいい人を総理総裁に担ぎ上げようとしているようにみえます。

このどさくさにまぎれて「族議員」「官僚主導」「公共事業拡大」という失われた10年を生み出した3点セットが蘇ってまたもや蔓延ることが懸念されます。

今の世界はグローバル化が進み、アメリカでサブプライム問題が起こると、その影響がたちどころに世界を駆け巡るような状況になっています。このような状況下で、政治家には、グローバルな視野でのリーダーシップが求められるはずなのに、グローバル化の影に怯えて、既得権益擁護に傾くのは問題です。これで日本経済は再び弱体化するのではないでしょうか。

今大事なのは、改革路線の継続であり、改革路線が揺らげば、その負担は国民にのしかかります。結局、問われるのは、日本人一人一人が、国とどう向き合い、こうした個人の姿勢に政治リーダーがどう向き合うかという根本問題です。

というようなことをお書きです。さすがに優れた警笛ですね♪

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2007年9月16日 (日)

大阪のおばちゃん

3連休の中日、東京の空は明るく澄んでいます。昨日と今日 おばちゃんの住んでる町ではお祭りをやっていて、みこしが練り歩いてます。

東京に住んで1年過ぎましたが、ブログのプロフィールにも書いてあるように私は元大阪のおばちゃん税理士です。 元と税理士を抜くと大阪のおばちゃん。大阪のおばちゃんというのは、オレオレ詐欺の撃退率日本一! どあつかましいけど憎めないオモロイキャラを持ってます。

前垣和義氏の「どや! 大阪のおばちゃん学」という本に、誰でも、簡単に「大阪のおばちゃん」になっていける10の実践法則があります。これで おばちゃん自身をチェックしていますと

1.バッグに飴ちゃんを忍ばせる。

これは、ないな。

2.困った人をみかければ、「どうしはったん」と聞きに行く。

これは、時々ある。

3.買い物をすればとりあえず「まけて」と言ってみる。

わたしは、お上品な育ちなのでこれはない。

4.近所の子供にも「気いつけて行きや」などと気軽に声をかける。

これはあんまりない。シャイだから。

5.友達との話に少々大げさに「ウソッ」と返してみる。

これはあるある

6.街で配っているティッシュは受け取る。

これは大いにある。

7.ヒョウ柄のファッションを身につけてみる。

私のセンスではないですね。服は基本的にダーク系の単色好み

8.テレビ番組を見ていて、突っ込みを入れてみる。

これはしょっちゅう。お笑い番組だけでなくニュース番組とかにもね。

9.レストランで自分の食べたいものを堂々と注文する。

これもそう。食いものぐらい好きにさせてよってな感じ。

10。エスカレーターでは歩いている。 

   これもそう。でも東京のエスカレーターって、いっぱい歩いている人がいるよね。

で、そうだと思ったのを集計すると6点。 まあ、並の大阪のおばちゃんということですね♪ みなさんはどうですか?

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2007年9月14日 (金)

後継ぎ遺贈型受益者連続信託と遺留分

後継ぎ遺贈型受益者連続信託って、新信託法で可能になるものですが、要するに受益者の死により受益者が変わる信託で、次の受益者を誰にするかというのは、通常は委託者が決めるもの。この信託をえんえんと続けると、財産の流通が阻害されるということで、30年経過したときの受益者の次の受益者までとなってます。

この後継ぎ遺贈型受益者連続信託の問題点の一つとして遺留分があります。遺留分っていうのは、兄弟姉妹以外の法定相続人は、被相続人の財産のうち一定部分に関しては私によこせといえる権利のようなもの。たとえばある金持ちのおっちゃんは嫁と不肖の息子が2人いたけど、別に愛人のおねえちゃんがいて、生前はおねえちゃんと一緒に住み、「全財産をおねえちゃんに!」という遺言を残してあの世に行ってしまった。こんな場合、残された嫁と不肖の息子たちは、遺留分を主張して、全財産を遺贈されたおねえちゃんから一部分財産を取り戻すことができるというものです。

後継ぎ遺贈型受益者連続信託の場合も当然遺留分の問題がでてきます。たとえば、全財産を信託して、信託受益権を子供3人のうち1人にあげると決めると、他の子供2人は何も財産をもらえないから、それならと受益者の子供に遺留分を主張して分け前を一部もらうことができます。

 じゃ、いくらもらえるの? 道垣内弘人先生の「信託法入門」では、この評価が大変。なぜなら存続期間の不確定な権利だから。こんな権利の評価は家庭裁判所が選定した鑑定人の評価にしたがうことになる。というものです。

ただ、相続税の課税価格を計算するときには、信託期間がどーだこーだということをスキップして、信託受益権の元になる信託財産の相続時の価格で計算することになるから、遺留分もそれをベースに計算することになれば簡単だけど、この相続税における受益権評価は、後継ぎ遺贈型受益者連続信託の価値を無視しているところもあるので、厳密に考えると使えないものかもしれませんね♪

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2007年9月13日 (木)

信託の受益者の税務計算 相互譲渡の場合 その5

あ~ さんがやめちゃった。っと切れちゃったんでしょうねえ。

さて、以前やっていた受益者の税務計算 相互譲渡の場合の続きを

 事例 A社とB社は、共同で信託を設定した。A社は土地時価1億円(帳簿価額4,000万円) B社は現金1億円を信託した。 両者は信託の利益を50%ずつ享受する。さて、しょっぱなのA社、B社の仕訳はどうする?

考え方、A社は土地のうち50% 部分をB社にその時点の時価で譲渡したものとみなす。

B社はその時点で時価で土地を購入し、現金を支払ったものとみなす。

AB社の法人税法上の仕訳

A社の仕訳    現金 5,000万円  土地  2,000万円

                  譲渡益  3,000万円

B社の仕訳    土地 5,000万円  現金  5,000万円

税務上というか AB社法人だから法人税法上なんですが,消費税法上はどうなる?

以前、おばちゃんは法人税法上の仕訳に引っ張られて A社は土地をB社に部分譲渡しているから譲渡部分は非課税と思っていたのですが、そうではないんですね。

法人税法上は 相手持分相当は譲渡したものとするけど、消費税法上、信託した場合は譲渡に該当するから、この場合、課税だ!非課税だとA社、B社においても認識しなのでしょうね。

(消基通4-2-1 信託行為に基づき財産を受託者に移転する行為等

受益者等課税信託(法第14条第1項《信託財産に係る資産の譲渡等の帰属》に規定する(同条第項の規定により同条第1項に規定する受益者とみなされる者を含む。)がその信託財産に属する資産を有するものとみなされる信託をいう。以下第3節及び9-1-29 において同じ。)においては、次に掲げる移転は資産の譲渡等には該当しないことに留意する。

(1) 信託行為に基づき、その信託の委託者から受託者へ信託する資産の移転

(2) 信託の終了に伴う、その信託の受託者から受益者又は委託者への残余財産の給付としての移転

(注) 事業者が事業として行う令第2条第1項第3号《資産の譲渡等の範囲》に定める行為は、資産の譲渡等に該当することに留意する。

ちなみに法人税基本通達の方は、

(法基通)14-4-5  信託による資産の移転等

委託者と受益者がそれぞれ単一であり、かつ、同一の者である場合の受益者等課税信託においては、次に掲げる移転は受益者である委託者にとって資産の譲渡又は資産の取得には該当しないことに留意する

(1) 信託行為に基づき信託した資産の当該委託者から当該受託者への移転

(2) 信託の終了に伴う残余財産の給付としての当該資産の当該受託者から当該受益者への移転() これらの移転があった場合における当該資産(当該信託の期間中に信託財産に属することとなった資産を除く。)の取得の日は、当該委託者が当該資産を取得した日となる。

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2007年9月12日 (水)

自己株式に関する税務と法務の研修会

 昨日、知人の税理士飯田聡一郎氏が、日比谷公会堂で、「自己株式に関する税務と法務~取得時・保有時・処分時の問題点~」の講師をされるということで、応援に、いえいえ、拝聴しに行ってまいりました。

彼は、会計人等のMLの仲間であり、最近は、毎週土曜日の午後、八重洲の弁護士のS先生の事務所で顔をあわせているような関係です。

講義は2時間ほどで、内容はタイトル通りなのですが、実に素晴らしかったです。実務に即した自己株の問題点を的確に網羅していることもさることながら、時間配分がきちんとしており、12個のテーマに関して、それぞれ、結論を書いているので、わかりやすいだけでなく、頭に残ります。税理士会での大規模なセミナーは初めてで緊張されていたとのことですが、いままさに頭角をあらわそうとしている大器のオーラのようなものを感じた2時間でした。

で、感心している話だけでなく中身の話を 自己株というと、税理士仲間で話題になるのが、自己株式を時価よりも低い価格で買った場合の受贈益課税があるかないかということがあります。

平成18年の税制改正前までは、自己株式の取得は有価証券ということだから、発行会社は時価より低い価格で取得した場合は、時価で取得したものとみなして受贈益課税をするぞとなっていたのですが、平成18年の改正により自己株式の取得は、資本取引となった。

そうなると受贈益課税がおこるということは条文上から読み取れない。でも、それなりの権威のありそうな専門家連中は受贈益課税はあるぞといってる。彼がどう答えるのかなと思ってましたところ、事実認定で課税される可能性はあるかもしれないということでした。

なお、株主間の贈与に関して、全株主が同じ割合で会社に無償譲渡すれば経済的利益の移転がないから課税関係が生じないが、一部の株主が会社に無償譲渡した場合は他の株主に贈与税が課税される可能性はある。ただし、他の株主がいっぱいいて、それぞれの所有する株式数が少ない場合は、彼らの株式の評価はおそらく配当還元価額(オーナー一族の株式の評価とそれ以外のその他株主の株式の妥当な評価というのは税法上では異なり、その他株主の株式の評価方法は配当還元価額といわれるものです。)となるので、彼らに対する経済的利益の移転を評価して課税するのは難しいのではないかというようなことをおっしゃっていたような気がいたします。

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ごめんなさい サブプライム問題です。

 おはようございます。信託大好きおばちゃん失敗のお知らせです。

 またまた、大失敗をしでかしました。 昨日の記事で えんえんとサプライム問題と書いていましたが、ブロガーさまのご指摘のとおり サブプライム問題でございます。

 以前、このブログで ストリップス債のことを ストリップ債と書きまくり、あほをさらけ出しましたが、今回も同様でございます。

 なお、訂正するのもなんですので、記念に放置しておきます。

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2007年9月11日 (火)

サプライム問題から学ぶこと

今朝の日経新聞(平成19911日)の経済教室は、高木信二大阪大学教授が「適切な情報開示さらに」という論稿をお書きになられています。

サプライム問題って何?

サプライムローンって、アメリカの低所得者向けの住宅ローンで、不動産の価格が上昇するのを前提として、当初は金利を低めに設定したり、当初は元本を返済しなくていいようなもの。日本でもバブルのころにあったと思うのですが、それのアメリカ版。で、アメリカの不動産バブルが終わりを告げることにより、ローンの返済が焦げ付いた人がいっぱいいることがわかった。

これだけでも結構大変なんですが、世界中が大騒ぎになっているのは、多くのローンが証券化され、いろんな形にかえて、世界中の投資家が持つようになったことに原因がある。元のローンが焦げ付くと、投資家が持っている金融商品も紙切れになってしまうかもしれない。どのくらい紙切れになるのだろう。ところが、金融工学を駆使して作った金融商品というものの中にサプライムローンがどのくらいはいっていて、どのくらい焦げ付くのかというのが目に見えない。目に見えない恐怖に人間は非常に弱い。わーーーーどうしよう!

ついでに、このようなサプライムローンを組み込んだと思われる金融商品をファンドがいっぱい持っていて、これを担保にお金をいっぱい借りている。もし、この金融商品の価値が下がったら担保価値が下がるから借り入れを返済しないといけない。借金を返済するためには担保を投売りしないといけない。いっぱい投売りすると金融商品の担保価値がまた下がる。わーーーー大変だ。また返済だ! というように負の連鎖が起こってしまう。

というような問題があるから世界中が大騒ぎのようです。で、欧米のお上はこの問題の解決のために巨額のお金を供給したのですが、米ヌリエル・ルビーニ教授は「自らリスクをとった市場参加者を救済する結果となりモラルハザードの観点から懸念している。次の価格バブルの種をまいてしまった」とお考えのようです。

資金調達の方法には、一つは銀行からお金を借りること もう一つがマーケットからお金を調達することがあるけど、どちらも、借り手と貸し手の間の情報の非対称性がある。つまり、借り手の返済能力に関しては、貸し手は借りて以上には知らない。この情報の非対称性を解消することが大事であり、マーケットから資金を調達するためには、金融商品に対する適正な開示により問題が解決されるはず。

今回の問題は、金融商品に含まれているリスクがどのくらいあるのかに関して適性な開示がなされていないことが不安を世界中に撒き散らしているのであるかから、この金融商品はどのくらいリスクがあるかを適正に評価し、それを開示するシステムの構築が必要ですねというようーなことなのでしょうか♪

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2007年9月10日 (月)

道垣内弘人教授の「信託法入門」

たまたま、信託法の基礎がわかる本を教えてほしいというリクエストがあって、以前、教えていただいた道垣内弘人教授の「信託法入門」を買って、読み始めました。ページ数は240頁くらいなので、通常の読書スピードだと1日で読み終えるところですが、まだ3分の1くらいしか読み進んでいません。

なぜ、読み進んでいないのか。それは難しいのではなく、本の帯の言葉じゃないですが、本質がつかめる最良のテキストだから。

拝読していて、ものすごく優秀な人が書いているなということがわかります。信託法が頭の中に完全に溶け込んで、私の信託法という形になっていないと書けないような表現がちりばめられているから。

私自身がなるほどなあと思ったところだけご紹介しますと、

第14条(信託財産に属する財産の対抗要件)は、次のようになっています。

 登記又は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産については、信託の登記又は登録をしなければ、当該財産が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。

 この条文を別の角度で読むと、現金などは公示を必要としない。現物の有価証券も同様です。改正前の信託法では証券に信託財産なることを表示することが必要とされていたようですが、大量の有価証券を保有し、しょっちゅう売買しているような場合は大変であり、信託業法ではすでに骨抜きにされているようです。

 なぜ、公示を必要としないのか。 公示がこのように技術的に難しいという理由だけでなく、筆者いわく 「受託者に対する債権者は、受託者自身が実際に自分の利益のために有している財産については当てにできない、当てにしていたとしても、そのような期待を保護する必要はない、という判断が背後にあるというべきでしょう。だからこそ、公示が技術的に困難であるときには公示をしなくても、その財産が信託財産であることを他の債権者に対抗していけるようになっているのです。」

 「なぜ」に対する回答がきちんと書かれている本は優れているというのが私の専門書を評価するときの指標なのですが、ほんとにそうだなと思わせる一冊です。

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2007年9月 7日 (金)

信託大好きおばちゃんのセミナー

昨夜は、台風の影響で雨や風が凄かったですね! 実は、昨夜の6時から8時ころ、信託大好きおばちゃんは弁護士会のセミナーでしゃべっていました。台風の影響があるから、受講者は少ないだろうなと思っていたのですが、意外にも(?)、多くの方がいらっしゃって感激です。帰宅してからネットで台風情報をチェックすると、いろんな交通機関がストップしていたみたいですが、お帰りの足に問題はなかったでしょうか。

昨夜のセミナーのタイトルは、信託税制についてー相続税法の基礎から受益者連続型信託まで-― で、2時間弱という時間内に、相続税法の基礎の基礎から、難易度でいうとウルトラCならぬ ウルトラZクラスの信託の税法のところまで引っ張っていたつもりです。

で、今日は、そのときのネタを少しだけ紹介。 以前にもこのブログで書いたことだと思いますが、

一応、前提は、 A,B,C すべて個人ということで、

 <事例1> 委託者Aが財産を信託した。 収益受益権者はB、 残余財産受益者はC BCは対価をAに支払っていない。課税関係はどうなりますか。

信託設定時にBは収益受益権、 Cは元本受益権を取得したものとみなして相続税または贈与税が課税されます。

 <事例2> 委託者Aが財産を信託した。 収益受益権者はB、 残余財産帰属者はC BCは対価をAに支払っていない。課税関係はどうなりますか。

信託設定時にBは信託財産を取得したものとして相続税または贈与税が課税されます。Cは信託が終了し、残余財産を受け取った時点でBから財産を受けとものとみなして相続税または贈与税が課税されます。

<事例3> 委託者Aが財産を信託した。 収益受益権者はB、 残余財産帰属者はA Bは対価をAに支払っていない。また、Aには信託を変更する権利がある。課税関係はどうなりますか。

信託設定時にBは収益受益権を取得したものとして相続税または贈与税が課税されます。Aは信託を変更する権利がありかつ残余財産の給付を受けることができるから受益者とみなされますが、自分が自分に贈与することはないから信託設定時点も残余財産給付時も課税関係は生じないものと考えられます。

<注>

残余財産受益者とは、信託期間中・清算中の受託者に対する監視・監督権+信託期間終了後の財産給付がある者

帰属権利者とは、清算中の受託者に対する監視・監督権+信託期間終了後の財産給付がある者

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2007年9月 6日 (木)

排出権の信託

今朝もネタ探しに「信託」231号をぼーっと眺めていたら、巻頭言が目に入りました。これは、みずほ信託の池田輝彦氏のお書きになられた原稿ですが、ここで排出権の信託というのがあります。

排出権って何?

昨今の世界中で生じる異常気象の原因は、地球温暖化にあるといわれて久しいです。この地球温暖化を防止するためにどうすればいいかという会議が1997年に京都で開かれたのですが、そこで二酸化炭素等6種類の温室効果ガスの削減を義務付けましょうということが決められています。

日本は、1990年当時と比較して2012年において6%削減。日本が日本独自で努力して目的を達成するのが望ましいのですが、なかなくまくかいかない。そこで、馬の前にニンジンをぶらさげる戦術を考えたようです。

これが、京都メカニズムといわれるものですが、具体的には4つあるようですが、そのうちの2つ「排出量取引」「クリーン開発メカニズム」を紹介すると、

「排出量取引」これは、先進国同士で 削減目標を達成した国や企業が削減目標を超えて削減した部分を削減目標を達成していない国や企業に売却しましょうというもの。この結果、削減目標を達成してない国や企業は削減目標を達成したことになるというもののようです。

「クリーン開発メカニズム」これは、先進国と発展途上国が共同して、発展途上国の温暖化削減に貢献した場合、通常、先進国側では、人、物、金を出すことになると思いますが、削減の結果の一部分に関しては、先進国側の手柄ということで、先進国側でカウントしますよというものだと思います。

温暖化ガスの削減に効果のあった部分について国連がクレジットを発行するようですが、ようするに、お金で取引できるということです。お金で取引できるというのは、この部分に価値があるということで、このような価値を排出権というのかもしれません。

で、この排出権が欲しいというニーズが今後増えると予想して、この排出権を信託し、小口化して販売しましょうというビジネスが既にあるようです。

私は、今日始めて知ったのですが、小口化した排出権がほしいという需要はどれくらいあるのかなあって ブロガーのみなさん又はみなさんの属する会社は買いますか♪

 

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2007年9月 5日 (水)

年金基金と不動産信託受益権

今朝、ネタ探しのために「信託」231号 (社団)信託協会をめくっていると、信託資料として平成19510日社会資本整備審議会が「今後の不動産投資市場のあり方に関する第二次答申」が掲載されていました。ここで不動産投資一任のサービスのあり方という項目がありまして、さらっと読んだときに先日出席した早稲田大学の「信託とファイナンス特別講座」の第4回の石橋博氏の講義「不動産投資と信託」を思い出しました。

この講義のレジュメの中で、年金基金の不動産投資の状況というのがあります。企業年金連合会資産運用実態調査 200612.26社会資本整備審議会 不動産部会「不動産投資一任サービスのあり方について」第2次中間整理よりということで、年金基金の資産構成割合は、2005年だったら、 国内債券、国内株式、外国債券、外国株式が81.7%を占め、不動産はたった0.8%です。

で、第二次答申の方を読むと、「不動産投資市場の健全な発展のためには、投資期間の長い安定的な資金が市場に円滑に供給されることが課題である。このため、長期安定資金の代表的な存在である年金基金による不動産投資を促進することが重要となってきている。」

つまり、年金基金に不動産を継続的に買ってもらいましょう。

年金基金は、将来の年金の財源を守り増やすというのが非常に大事な使命ですが、不動産投資のプロではないです。年金資産を外部運用させるのは一任業者に限定されているようです。一任業者っていうのは、顧客から預かった資産の全部または一部を自分の判断で運用することができる業者のことだと思います。

で、証券投資顧問業者というのが証券取引法の時代からあったのですが、この証券投資顧問業者はJリートの投資証券やYKTK(GK)スキームの投資組合出資持分やTMKの優先出資証券の運用はできますが、実物不動産や不動産信託受益権の運用はできません。有価証券じゃないから。

ところが、金融商品取引法が施行されると、証券投資顧問業者は金融商品取引業者となり、信託受益権はみなし有価証券となるので、投資運用業の運用対象資産となります。

またまた、石橋氏のレジュメに記載された数値(資料;国土交通省CRE研究会報告書)からひっぱってきますが、日本の不動産の価値はトータルで約2,300兆円。 このうち法人所有不動産が約490兆円で収益不動産が約68兆円 そのうち証券化された不動産が約25兆円だそうです。

大金持ちの年金基金が信託受益権を利用して不動産投資をすることが予想されるので、収益不動産の証券化が今まで以上に活発化されるのでしょうね♪

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2007年9月 4日 (火)

信託社債

昨日、最新の「信託」231号 (社)信託協会が送られてきて、田中和明氏の「資産流動化信託の視点から見た新信託法」を、つまみ食い、ではなく、つまみ読みしていました。

で、この中に信託社債という項目がありました。以前、教えていただいて頭の片隅に残っているのですが、信託社債っていうのは、社債の信託版のようなもの。新信託法には信託社債という項目がないのでその存在がよくわからなかったのですが、この論文でさらっと書かれています。

 改正会社法施行規則2317項で、「信託社債」は、信託の受託者が発行する社債であって信託財産のために発行するものと定められている。

会社法施行規則で定められているから、受託者は会社に限るのでしょう。

で、責任財産は、信託財産のみに限ることもでき、その場合は、募集社債の総額と募集の決定を除き、取締役会に委任できる(改正会社法施行規則99②)そうです。

信託を組成し、優先劣後受益権を発行するという方法が既にありますが、投資家に信託社債を発行し、オリジネーター等が受益権を保有し続けるという方法も流行るかもしれません。

税務のことを考えても、信託社債の利息を損金として処理し、受益権者を最小にし、頻繁に受益権者が変わらない方がずっと計算がラクだし。

ただ、社債利息のようなものだから、源泉税が20%とられることが投資家にとっては痛いのでしょうか

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2007年9月 3日 (月)

10億円払って、仕事をGet

先週の土曜日(平成1991日)日経新聞の朝刊の一面で、ゆうちょ銀行の債券管理業務を日本トラスティ・サービス信託銀行(住友信託、三井トラストホールディングス、りそな銀行が33.3%ずつ出資)がマイナス10億円で落札したという記事がありました。

0円落札というのは、聞いたことがありますけど、マイナス落札というのは初めてです。なんでこんなことができるのか? 記事によると、郵貯の民営化により債券管理業務を民間に委託することになるそうですが、この規模がでかくて約130億円。国債の支払いや利息の支払い事務を行った場合、日銀から手数料がもらえて、このくらいの規模になると2年間で12~13億円になるようです。だから、委託者から手数料はいらないということでしょう。記事で2年でと書いているから、たぶん契約も2年なのかもしれません。そうなると 手数料収入が12億円で、郵貯への支払いが10億円だから他に経費の支払いがあまりないならば、2年間で2億円は利益が生じることになります。

で、ちょっと気になったので、今回の入札に加わった3社(日本トラスティ・サービス信託銀行、日本マスタートラスト信託銀行、資産管理サービス信託銀行)の財務データと、今回の入札が与えるインパクトはどのくらいか?   (公表資料から)

(単位M円)

H19.3期の数値

日本トラスティ

日本マスタートラスト

資産管理サービス

信託報酬

23,131

24,322

10,026

経常利益

2,577

3,363

959

信託財産

168,821,984

118,520,942

101,172,193

金銭信託

8,050,440

37,654,278

45,825,741

金銭信託以外の金銭信託

2,615,285

4,652,791

金銭以外の信託

3,155,658

1,662,400

包括信託

158,156,258

73,058,213

53,684,051

日本トラスティの信託報酬が年間で6億円ぐらい増加して、経常利益で1億円くらい増加することになるから、そんなに劇的に損益に影響を与えることはないかもしれません。しかし、信託財産は130兆円増えるということは、今の規模の倍くらいになる。

信託銀行の管理システムがどうなっているのかよくわからないのですが、いきなり信託財産が倍になったら、管理システムも増設とか改良とかしないといけないような気もします。そうすると利益の2億円はあっという間に吹き飛んでしまうかもしれない。そうしたら、2年で契約が終了したらコストも回収できない。それとも、1回受注したら家賃みたいに、事実上、自動更新となるのでしょうか。

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