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2007年9月10日 (月)

道垣内弘人教授の「信託法入門」

たまたま、信託法の基礎がわかる本を教えてほしいというリクエストがあって、以前、教えていただいた道垣内弘人教授の「信託法入門」を買って、読み始めました。ページ数は240頁くらいなので、通常の読書スピードだと1日で読み終えるところですが、まだ3分の1くらいしか読み進んでいません。

なぜ、読み進んでいないのか。それは難しいのではなく、本の帯の言葉じゃないですが、本質がつかめる最良のテキストだから。

拝読していて、ものすごく優秀な人が書いているなということがわかります。信託法が頭の中に完全に溶け込んで、私の信託法という形になっていないと書けないような表現がちりばめられているから。

私自身がなるほどなあと思ったところだけご紹介しますと、

第14条(信託財産に属する財産の対抗要件)は、次のようになっています。

 登記又は登録をしなければ権利の得喪及び変更を第三者に対抗することができない財産については、信託の登記又は登録をしなければ、当該財産が信託財産に属することを第三者に対抗することができない。

 この条文を別の角度で読むと、現金などは公示を必要としない。現物の有価証券も同様です。改正前の信託法では証券に信託財産なることを表示することが必要とされていたようですが、大量の有価証券を保有し、しょっちゅう売買しているような場合は大変であり、信託業法ではすでに骨抜きにされているようです。

 なぜ、公示を必要としないのか。 公示がこのように技術的に難しいという理由だけでなく、筆者いわく 「受託者に対する債権者は、受託者自身が実際に自分の利益のために有している財産については当てにできない、当てにしていたとしても、そのような期待を保護する必要はない、という判断が背後にあるというべきでしょう。だからこそ、公示が技術的に困難であるときには公示をしなくても、その財産が信託財産であることを他の債権者に対抗していけるようになっているのです。」

 「なぜ」に対する回答がきちんと書かれている本は優れているというのが私の専門書を評価するときの指標なのですが、ほんとにそうだなと思わせる一冊です。

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コメント

みうらさん おはようございます。信託大好きおばちゃんです。

いつも マニアなコメントありがとうございます。

こういう領域になると そうなのかなあと思うのが精一杯のおばちゃんです。

投稿: 信託大好きおばちゃん | 2007年9月11日 (火) 07時49分

個別法で整備されたので、株主名簿・出資者名簿に、信託の記載が必要です。
日銀法施行令とかに規定された。

投稿: みうら | 2007年9月10日 (月) 18時26分

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