クレディアの破綻と証券化商品の元本割れ
昨晩、NHKのクローズアップ現代のテーマはサブプライム問題でした。私が、先日、このブログで書いていた加工されたリスクに関する評価が甘かったんじゃないかということをわかりやすく説明していたと思います。
さて、本日の日経を読むと「過払い金」問題 証券化商品に波及という記事がありました。
過払い金問題は、消費者ローン等で、上限利息を超える「過払い金」部分を払った場合は、その部分に関しては、債務者であるお客さんが、債権者である消費者ローン会社等に対して返してくださいと請求できることです。
この問題は、実は消費者ローン会社とお客さんの間の問題ではないのです。なぜなら、消費者ローン等の会社は、お客さんに対する債権を証券化しているからです。
消費者金融のクレディアが民事再生法を申請しました。証券化の場合は、委託者であるオリジネーターの倒産によるリスクを避けるためにいろんな手法を使っているはずなので問題は起こらないはずなのですが、ここで過払い金問題がわきおこりました。
過払い金問題がおこると、その分のお金は消費者金融のお客さんに返還しないといけない。返還すると信託財産が減る。記事によると、このような問題が生じた場合は、オリジネーターであるクレディアに返還請求できることになっていたけど、このクレディアが民事再生法の適用を申請してしまった。そうすると、この返還請求権は、再生債権となる可能性が高く、債権カットが決まると、その部分信託財産が減り、証券化商品の元本割れが生じるということのようです。
ちなみに、このローンの格付けは、投資適格(トリプルB以上)、想定外のことが起こったということでしょうか。
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コメント
>dataminer さん
信託おばちゃんのBlogで記載することではないかもしれませんが、Blog拝見(勉強)させて頂きました。
かなりマニアックなBlogを記載されていますね。
文章を読んでいて、どのような職業の方なのかが想像できます(若干、妄想癖があるのでスイマセン)。
こちらももう少し詳細な部分まで書けば良かったですね。少し反省です。
私が記載したコメントはdataminerさんのBlogで記載されている”戻し”です。
私も以前は消費者ローン債権の証券化に関わったこともありますが、その時に取った格付けも今はどうなっていることやら。。
戻し計算についても、「オリジネーターから入手したデータをそのまま信用していいのか?」、「過払い金計算用ソフトをそのまま使うだけでいいの?」と思ったりしますが、今はそれを商売にしていたりします。
昔販売した投資家には怒られるかもしれませんけどね。。
私が以前M&Aで消費者金融の買収を検討していた頃から、状況はすっかり変わりましたが、その頃は、証券化商品の民事再生法の申請時の重要財産認定について疑義を感じていました。
>民事再生で、どうなる債務整理元本消滅、不当利得請求権の扱いについて、考察してみました。
こちらは、証券化の永遠の課題だと思います。
日本には欧州のようにフローティング・チャージという概念もありませんし、債権・動産を押さえる法律は限られています。さらに、第三者対抗要件も具備することが、社会通念上躊躇われる場合が多いと思われます。
消費者ローン債権だけではなく、他のケースでも同様でしょう。
債権譲渡特例法、集合動産登記など、アヤフヤな法律・担保設定手法が多いのですが、理屈的には保全されていると思っていても、保全するための手続きが煩雑なケースや、対抗要件具備のための通知をどれだけスピーディーに行えるかといった、「力技」で勝負しなければならない部分もあります。
個人的には、「WBSが将来的に何件やられるか?」ということも、興味はあります。
長々と書いてしまいましたが、dataminerさんのように特定分野に興味を持たれ(業務上?)、そして日々、仮説・検証・考察を繰り返されている方といつか案件等でご一緒できると良いですね。
それでは、おやすみなさい。
投稿 shotanajp | 2007年9月25日 (火) 01時20分
shotanajpさん、通常の貸主健全なケースでは、貸主が信託債権について、債務整理しようとすれば、さービシング期間直後に、信託を解除して、委託者に戻して、ローン契約、和解などする。権限がないですから。だからもともと過払い金返還義務は通常のケースではありえない。そうすると過払い金返還義務がオリジネーターに残るケースというのは、信託解除がない場合か。そして過払い金返還部分は、格付上、貸主の企業格付リスクに依存するということになりませんか。信用補完に組み込めて、無視できる範囲ならいいでしょうけれど。
ところで、不明なのは、債務整理で金利引きなおしで消滅した元本債権が生じた場合、その減額部分の補償はどうなるでしょうか。
民事再生で、どうなる債務整理元本消滅、不当利得請求権の扱いについて、考察してみました。
http://consumerloan.blog.shinobi.jp/Entry/74/
投稿 dataminer | 2007年9月22日 (土) 12時22分
信託おばちゃん、こんにちは。
いつも楽しく拝見しています。
消費者ローン債権を流動化する際には、過払い返還請求から隔離するために、オリジネータに過払返還金の支払を残します(契約上)。ひょっとすると、私が関わったものだけで、隔離していないケースもあるかも知れませんが。。
ですので、オリジネータの財務内容が健全な場合は、証券化商品の投資家にはリスクはおよびません。
ただし、オリジネータが倒れた場合は、投資家にリスクが及んできます。証券化でバックアップするのは、オペレータだけで、支払義務者は移転されないからです。
ですので、この手の商品は、
オリジネータが死ぬまではOK。
死んだらOUT。
という感じなんでしょう。
投稿 shotanajp | 2007年9月21日 (金) 21時06分