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2007年10月31日 (水)

日興△株式交換のなぞ

 今月 105日に日興の△株式交換!という記事を書きました。本邦初といわれる△株式交換で日興コーディアル証券がシティバンクの子会社になりますよというものです。

 この記事の最後の方に次のようなことを書いています。

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税務上の問題点は?

おそらく、株式交換時点で、日興コーディアルグループの株主にも、日興コーディアルにも税金が発生しないような要件を満たすものになっているのだろうと思います。

でも、プレスリリースを拝見しますと、「本基本契約の締結・公表後に税務上・株式実務上の問題について確認した上で株式交換契約を締結するというストラクチャーは適切である旨の答申を提出しました。」とあるから、税務上のリスクがあるかもしれないと思うようものがあるようですね。そう書かれると、物凄く興味がわきますが♪

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税務上のリスクは何だろう?ということを頭の片隅において月日がたつと、情報って、なんとなく入ってくるのですね。

商事法務No1813 スクランブル 会社法発の三角株式交換 から引用させていただくと

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 交換比率により必然的に生じる端数株式に相当する現金の交付が、税制適格性を否定することになるのではないかとの疑義があった。この点も、明確に解決されることが期待される。公開買い付けで先行取得した株式に対して株式交換対価を交付しないことが税制適格性を否定する事由にならないことも、明確化が期待されるだろう。

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これが、事実かどうかは別として。

税制適格性というのは、要件を満たしている場合は、株式交換時に完全子会社となる会社(日興コーディアル)の含み損益を計上をしなくていいというようなものです。この要件として、株式交換時に現金なんか交付しちゃいけない。でも例外があって、剰余金の配当見合いとして支払うもの、株式交換反対株主に対して支払うものなんかはOKですよ(法人税法2十二の十六)

本件のように端数株式に相当する現金の交付はどうなのかというと、法律レベルでは決めてないけど、通達レベル(法人税基本通達1-4-2)ではありますね。一応これもOK、だけど、へんなやつはだめよってね。たぶん本件はOKなパターンになるのでしょう。

もうひとつの方は、今回予定される株式交換に先立って、米シティの日本子会社が、公開買い付けをして日興コーディアルの株式を68%持っています。で、今回の株式交換で、日興コーディアルの32%の外部株主には米シティの株はもらえるけど、米シティの日本子会社にはもらえない。米シティの日本子会社にとっては親会社株式の取得になるからね。もらっても処分しないといけないなら、もらわないのと同じでしょ。いずれにせよ△株式交換後、株式交換完全親法人である米シティの日本子会社と株式交換完全子法人である日興コーディアルの間には、100%の資本関係は成立されますし。この事実をもって株式交換の適格性を否認されるとは、思えないのですが

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2007年10月30日 (火)

投資信託の広告

今朝の日経は、投資信託の広告がやたら目に付きます。昔は、貸付信託が信託を使った金融商品の目玉だったけど、今は、圧倒的に投資信託。

この投資信託の個別の広告をみているのですけど、金融商品取引法の影響ですけれどもリスク説明があって、それが大きな字(確か内閣府令で、ポイント決められている)で書かれています。

ぱっと目に付いたエース証券のベトナム成長ファンド(ケイマン籍オープンエンド型外国投資信託)のリスクとしては、

受益証券の流動性に関するリスク

当該ファンドに組み込まれている連動社債への投資に関するリスク

連動社債発行会社の信用性に関するリスク

外国為替レートの変動リスク

早期買戻し(途中換金)のリスク

政治的リスクおよび税制上のリスク

があります。

これだけ書いても、中身のリスクがわかる人って投資家のうち一部だと思います。そこらのおっちゃんおばちゃんが流動性に関するリスクといわれて、ぱっとイメージできるわけない。

たぶん、J-REITのリスク説明の中にも同じように税制上のリスクと書いているのでしょうね。でも、これじゃ税制の何がリスクなのかわからない。これじゃ説明していることにほとんどなってない。

大株主が現れたら配当が4割落ちます!どうなるかは期末にならないとわかりません!というリスクであることをきちんと話して、どこかに書かないとね♪

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2007年10月29日 (月)

特許企業名非公開に

今朝の日経をみていたら 経済金融欄に 「特許使用権、M&Aでも契約保護 登録企業名非公開」にという記事がありました。

ふっと思い出したのですが、日経ビジネスの20071022日号に「金になる知財」という特集があって その中の「インフラ整備に重い課題」という記事(上記雑誌の41頁)を引用させていただくと、

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企業が特許を売却する際、最も気にするのはすでにそのライセンスを供与している相手のことだ。新たに特許の保有者となった企業が契約を引き継がなければ、供与先に多大な損害を与えることになりかねない。

あらかじめライセンス契約を特許庁に登録しておけば、供与先は特許が譲渡されても影響を受けない。だが、実際には「技術や製品の権利関係は企業秘密。わざわざ登録する企業は少ない」(弁理士)。こうした「実態と乖離した制度が特許流通を阻害している」(家電メーカー)との不満は大きい。米国では特許保有者が変わっても、ライセンス契約は自動的に維持される。

この問題については、特許庁でも改善に向けた検討が始まっている。

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この記事に対する回答のような記事が今朝の日経ですね。

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ライセンスを登録した場合に公開を義務付けている企業名や、契約金の額などを原則非公開とする

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このことにより、たとえ、特許の保有者が変わっても、ライセンス契約は登録されているので、ライセンスの使用者は新しい特許権保有者に対して、権利を主張できることになるのでしょうね。

現行の制度においてライセンス登録は全ライセンス契約の1%にとどまっていたそうです。

なお、2008年通常国会にも特許法など関連法令の改正案提出をめざすそうです。

 

知財立国を首相が何年か前に謳った国ですので、なんとか、有限実行に向けて動いていただきたいものです♪

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2007年10月28日 (日)

台風一過 ハローウィン祭り

今朝は台風一過で、とっても空が青かったです。あんまりにも気持ちよかったので、朝の散歩が遠出になってしまいました。

 

 徒歩30分弱のところに値札が日本語と英語で書いてあるスーパーマーケットがあります。値段が高いので信託大好きおばちゃんはこのスーパーではお買い物できません。

 今朝、とことことそこのスーパーの横を歩いていたら、ガレージに派手な装飾のアーチがあって、くぐると、屋台というかお店がいくつか並んでいました。バンの中で、豚?鳥?がグリルされて、ぐるぐるまわっています。ハローウィンのお祭りの一環なんでしょうね。外人にとっては一大イベントなんだろうなあ。

 そんなお店のひとつでワインが売っていました。安物ワイン好きの信託大好きおばちゃんとしては、なんだなんだと見入ってしまいました。みると、1,000円と、1,500円の赤ワイン、白ワインがあり、金賞とかいう偉そうなラベルがはっていたりします。蔵出しワイン。試飲するとなんとなくおいしそう。私は、シャトーなんちゃらというワインともう一本 いずれも赤ワインですが衝動買いしました。えっちらおっちら坂を上ったり下りたりして家に戻って、自家製梅酒の置いてある収納庫の中に入れました。いまから飲むのが楽しみです♪

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2007年10月26日 (金)

国有財産の売却 信託方式活用

今朝の日経の経済面にちっこい記事が載っています。移転庁舎の跡地処分について信託方式を使うようです。総額16千億円超。国が土地や建物を信託し、信託受益権をSPCに売却して、SPCが資金調達するといういつもの方法なのかな。

今、東京はバブルの再来ともいわれていますが、今、信託受益権を売却するというのは国としてはいいかもしれませんね。将来、これより値段が上がるかどうか不透明ですし。

逆に投資家としては、たぶん、再開発することにより付加価値がつくから、たとえ、バブルがはじけてもOKという読みで購入するのでしょうね。

数人の投資家だったらリスクが怖くて二の足を踏みますが、証券化して、証券を細分化して販売すると大勢の投資家が買えるのでリスクも分散される。リスクの総量はかわらないんだけど、それぞれの投資家にとっては許容範囲のリスクだから投資できるのでしょう。でも、いったんサブプライムみたいな問題がおこるとリスクの総量はかわらないから、大勢の投資家が損失を被ることになる。

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2007年10月25日 (木)

ジャッジ (告白)

実は、先日、縁があって、NHKテレビ番組の試写会に行ってまいりました。

いや~ NHK放送センターの中に見学者としてではなく入るなんて夢にも思っていませんでした。信託大好きおばちゃんにとってテレビとか芸能界っていうのはずっと雲の上でしたからね。上京してよかった!ブログ書いていてよかった!と本当に思いました。

で、放映より前に見させていただいたのは「ジャッジ」3回目です。妻が夫を殺したのですが、なぜ彼女は夫を殺したのかという原因を求めていくのが太い縦軸であり、それぞれの家族の絆が横軸ではないかと思います。

心の機微が鮮やかに描かれていて、どんどん引き込まれていきました。作られたディレクターの方とお話させていただいたのですが、なぜ島の裁判官を主人公にしたかというと島の裁判官だとなんでもかんでも裁判になることを処理しなければならないので、日本の裁判の縮図が描けるから(おぼろげな記憶に基づいています。間違っていたらごめんなさい。)だそうです。

美しい島の景色と、登場人物の心の揺れが調和していて、うるうると涙腺を潤みそうな作品です。

今週の土曜日(1027日)の9p.m.からNHKで放映の予定です。

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CDOってなんだ?

昨夜は、女性の税理士(決しておばちゃんといってはいけない)の方ばっかりの中で、信託のお話をしました。今までは、わりと仕組みの話をだーっとしていたのですがイメージしづらいので、今回は、ばさっとやり方を変更して、ある大金持ちの一家の物語という形で進めていきました。物語の中に信託の利用の形態をいれこんで、図と仕訳で説明し、具体的にどうなるのかという視点で進めていきました。実務家やお客さん相手のお話の場合は、物語を作って展開するのがいいかもしれません。

さて、今朝も一面にサブプライム問題の記事が載っていますね。「サブプライム 米メリル評価損9,000億円」すげー。

主たる原因は記事によると債務担保証券(CDO)の値下がりだそうです。ようするに混乱して買い手がつかないので値段が暴落したから

ところでCDOってなんだろうと思っていたところ、日経ビジネス20071022日号に「前借り経済」の不安 カネ余りが証券化拡大、バブル生むという特集をやっていて、この中でCDOの説明をしています。

証券化のいいところは、資産をお金に買えるところですが、単に1億円の資産に1億円の証券を1本発行して投資家に売るというよりも、証券の中身をリスクの大きさに応じて細分化して売れることです。ある資産をシニア(リスクはほとんどないけど利回りが低い)メザニン(リスクはシニアよりはある分利回りが高い)エクイティ(リスクは大きいけど、うまくいったらリターンも大きい)にわけて販売しています。

で、CDOっていうのはこのシニア債やメザニン債に属する債券をいっぱいあつめてきて、それをまたシニア、メザニン、エクイティにわけて売っているようなもののようです

日経ビジネスの記事かによると、CDOで問題になっているのが、いっぱいあるメザニン債をシニア、メザニン、エクイティにわけて売ったもののようです。

元の資産(住宅ローン)の貸し倒れ率ってどのくらいなんでしょうね。

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2007年10月24日 (水)

LLCが法人とみなされるんだったら

今朝は久々に日経ネタ以外。 今朝は寒かったですぅ。もう、夏のスウェットパンツはきついかもしれませんね。

LLCって組織体がアメリカにあります。日本の合同会社は、このLLCのコピー版のようにいわれています。出資者が経営する組織体だけど、機関設計は自由にできて、合名会社や合資会社のように社員の全部または一部が会社の債務に関して無限連帯責任を負うようなことはない。つまり、全員有限責任(出資額限度)そして、会社で生じた損益は社員に帰属すると決められているようなもの。

ただ、アメリカと日本の大きな違いは、アメリカではLLCから生じた所得は納税義務者の選択によりLLC段階で課税することもできるし、構成員(出資者)段階で課税することもできる。構成員課税はパス・スルー課税ともよばれますが、

日本の合同会社の課税はどうかというと、ご存知のように合同会社段階で課税 法人課税とされています。

じゃ、日本の居住者や日本の会社がLLCに出資して、アメリカのお上にLLCの所得に対する税金は出資者が払いますよと届けたらどうなるか。アメリカの税法では、LLCで生じた所得に対する税金は出資者が納める義務がある。もし損失が生じたら、損失もパススルーされることになる。だからもしその者が、LLC以外にもアメリカで事業をやっていて、そっちの事業に関してもアメリカで税金を納めないといけないのだったら、アメリカの税金の計算をする際には、LLCの損失と他の事業の所得は通算できると思います。

では、このLLCの損失というのは、日本の税法において、日本の居住者や日本の会社のほかの所得と通算できるかということです。もし、このLLCがパススルー課税の対象のようなものであり、出資者が日本の会社であっても所得と通算は可能です。もちろん、日本の税法で規定された損失制限はあると思いますが。もし、出資者が日本の居住者で、このLLCの所得が不動産所得の場合は他の所得との通算は難しいでしょうね。

ところが、以前から日本のお上はLLCは、原則的には、法人ではないかというようなことをアナウンスしていた。

でも、LLCを使ったある日本の居住者が、勝負!という感じで、LLCの所得を不動産所得等として申告した。それをみたお上は、ダメだといってんだろということで否認した。それじゃ裁判で決着をつけましょうということになった。 争点として、LLCの所得は不動産所得か否か、LLCからの分配は配当か否かというのがあった。そして、その判決がでてきているのですが、どうもお上の方に軍配が上がっているようです。つまりLLCは法人であるということを認めた。そしてLLCからの分配は、法人からの配当であるという判断した。だから、LLCで発生した所得は不動産所得とはならない。LLCという別の法人の所得だから

LLCは法人であるとお上が主張し、裁判所も今のところ認めている。で、話はこれで終わリません。

もし、LLCからの分配が配当であるとしたならば、LLCの配当の源泉である所得について日本の会社名義で払ったアメリカの法人税に関して、日本で間接外国税額控除を受けれないとおかしいですよね。日本の会社がアメリカに子会社(株式会社のようなもの)を作って、配当を受けた場合は、その配当に対応する法人税は間接税額控除の対象になってますから。 LLCが法人という限りは、そうならないとおかしいのではないですか。ところが、このLLCの支払った法人税に関する取り扱いがファジーでして、直接税額控除だ、いや間接税額控除だ、いや外国税額控除は使えないなど議論は山ほどあっても結論がない。だからみんな困っているんだけどね。

先日、どこの新聞か忘れましたが、間接税額控除はやめて外国の会社から受け取った配当に関しても受取配当の益金不算入にしましょうというお話もあるようです。

新たな枠組み作りも大事ですが、すでに問題となっている件に関して解決して欲しいです♪

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2007年10月23日 (火)

知財信託で初の配当金

今朝の日経に「『知財信託』で初の配当金」という記事があります。

知財信託というのは、目に見えないけれども価値のある資産のこと、たとえば著作権とか、特許権とか、

知的財産が信託できるようになったのは、平成16年ごろの信託業法の改正からだと思います。

知財信託は、次の信託の目玉になるといわれながら、数年たちましたが、プチ化けもしてないようですね。いろんな事情があると思いますが、

今朝の日経では、中小企業の特許を信託したものが、初めて配当を払えるようになったというものです。組成したのが2005年ですから 2年の月日が経っています。

この中小企業の特許の信託というのは、すでに、ロイヤリティの支払い先が決まっているようなものでなく、信託銀行が、信託を組成しながら、支払い先も見つけてくるというもののようです。だから、見つからないとダメだし、見つかってもすぐに収益が生めるというものでもない。通常、特許を使っていっぱいモノを作らないといっぱいロイヤリティを払ってくれない。製品価格の何パーセントというように支払額が決められているようだから。

よかったよかったということなのですが、投資家からしたら2年間配当がこない金融商品というのは投資としてはどうかなあっていうところもあります。配当がなくても、上場株式のように、自由に売買できて投資を回収できたらいいのですが、そんなマーケットもない。適正価格がどのように決まっていくのかという考え方は存在しても、不動産の鑑定評価基準のようにスタンダード化はされていないから、売買に二の足を踏むことも多い。

まあ、この信託はおそらく自益信託(委託者=受益者)だから、2年間配当がなくても、それはそれでいいのかもしれませんが。 自分で持っているだけだったら、おそらく特許がお金を生むことはないですから、

批判ばっかりしてもどうしようもないですが、いまいち、知財信託発展のための推進力に欠ける今日この頃です。

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2007年10月22日 (月)

信託規制の緩和の総仕上げできるかな♪

今日は月曜日、月曜日の朝って、いつも、あんまり面白いネタがありません。前日が日曜日だから。

で、ぺらぺらと新聞をめくったら16面に信託規制の緩和 総仕上げという記事があります。

この記事は、2つのパートに分かれていて、まず、新たな信託会社の参入、

新たな信託会社として、表に5つほどあがっています。このうち3つが流動化モノ、ジャパン・デジタルコンテンツは知財信託、朝日信託はパーソナルトラストでしょうね。

信託業法改正後の信託への参入は、12社うち運用型5社、管理型7社だそうです。意外と少ないのですが、その理由として記事にも載っているのですが、信託実務経験者の確保で、私は最低2人か3人かと思っていたのですが 事実上4人以上必要のようで、これが最大の難関です。この信託実務といっても、信託銀行っていろんなことをやっていて、たぶん信託の受託者らしい業務 資産の管理業務のようなものをやったことのある人だと思うのです。営業ばっかりやっていた人、為替のディーラーはだめでしょ。たぶん。

続いて弁護士の受託者への参入。

信託業法の附則で3年以内に見直し、高齢者や福祉型の信託などを含め、幅広く検討を行うということで、これらの信託をする担い手の信託業参入をしやすくしようと考えているようです。だって、信託銀行の手数料って高いからね。企業なら払えても個人ならううっとくるものもある。それに、民事信託は非常にウェットな部分があって、個人の求める痒いところに手の届くようなサービスを大企業が提供することは難しいでしょう。担当者の移動もありますし。

弁護士の人がこの福祉型信託の担い手として参入したいと考えて、弁護士が担う場合は金融庁の監督のout of 範疇にして欲しいという要望があるようです。

しかし、これには、信託銀行や金融庁が反発している。自分たちは大変な思いをずっとしてきたのになんで! 俺のしまを勝手に荒らすな! でしょうね。

24日から金融審議会金融分科会の部会で信託業法の見直しについて意見交換が始まるようですが、どうなることやら。

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2007年10月19日 (金)

お返事 またまた、投資法人(REIT)の話

おおすぎ先生:

17日の日経に載っていた「外国の投資家が日本のREITを買い集めているため、同族会社と認定されることになれば、税制上の恩典が認められなくなるため、同じREITに投資している日本人投資家が不測の損害を蒙るという問題が生じている」との記事について、「恩典が認められなくなる」ことの損害は当該外国人投資家には生じないというのが前提なのでしょうか? 事業会社を対象にした敵対的買収と似た話になっているので面白いのですが、もし上記だとすれば制度に何か問題があるということですし、もし外国人にも損害が生じうるのにそれを知りつつ買い集めているとすると、チキンレースなわけで、それはそれで凄いなと思った次第です。

信託大好きおばちゃん

以前、「REITLCP」の分配金(配当)は予定通り払えます♪」(1//07)で話題にしていたのですが、またまた、別のREITでも発生しました。

REITの器である投資法人の株主(投資家)が、3人以下で過半数占めるようになったら、その会社は同族会社に該当し、そうなったら、REITの特典である配当の損金算入(税務上の費用)ができなくなりますよという規定があります。ようするに100の利益がでたREITに今までだったら投資家に100配当できたのですが、配当が損金にならないのだったら法人税等40を差し引いた60しか配当ができないということです。つまり配当の4割カット。

これは要件を満たしたら、REITの所得に適用があるものなので、投資家が大株主だろうが小株主だろうが関係ありません。一律に4割カットです。

外人にとっては、配当の4割カットよりも、REITの株を過半数もって、REITの株主総会のようなところで発言権を持ち、REITの運用会社の親会社の頸を替える方が大事なようですね。

REITの株主というのは、通常は、REITの経営なんかに興味がなく、いっぱい配当さえくれればいい人たちであり、それを前提に制度設計をしていたはずなのですが、ここにきてそーではない大株主があらわれてしまった。そういう大株主のご意向で小株主の配当利回りが4割カットされるというのはたまったものではない。

投資法人、それも上場している投資法人を考えると、なにも同族会社要件をいれる必要はないと思うのです。同族会社だったらREITを使って節税に使われる可能性が高いからこんな規定を入れたと思いますが、同族会社になってもいいという外人株主の登場なんて制度設計の段階では考えてもいなかったでしょうね。

平成20年の税制改正で投資法人から同族会社要件をはずし、現行のREITも新年度から適用するというのがいいかもしれません。

もしだめだったら、前にも書いたのですが、同族会社要件のない特定受益証券発行信託にシフトしていくのではないでしょうか。ただ、受益証券を上場させるためには、いっぱい規則をつくりシステムを構築しないといけないから(たぶん、ペーパレス化されると思いますが)いきなり来年4月からできるかどうかはわかりませんが♪

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2007年10月18日 (木)

お返事 「またまたTK解散時の現物払い戻し 」

TKに関しては、きっと、プロの方がなんらかのコメントをしていただけると期待していました。

いちおう、私がいっていたのは、TKへの出資が100ありまして、営業者が土地を買いました。そうしたら土地の含み益があって時価が300でした。この時点でTKをやめて、投資家に300現金を払いました。営業者には時価が300の土地が残りました。このときの営業者の仕訳(税務上ね)はどうなるのでしょうかというようなことなのです。

信託大好きおばちゃん説(説というほどオオゲサなものではないのですが)

TK預かり金 100   現金 300

TK消却損  200

IBintelligent boy)現PBprofessional boy)さん:

会計上の仕訳は

預かり金 100 現金  300

土地   200

とする以外にありえないでしょうね。

税務上認められるかどうかはまったく別問題ですが。

(会計上の経理と税務上の認識が一致する必要は無いですから)

ただ、組合運営時は、土地は実質は出資者のものであったわけで、清算によって譲渡が行われた、という解釈は不可能ではないと思います。

信託大好きおばちゃん:

別に私は お上のサポーターではありませんし、そんなこと信託大好きおばちゃんが主張したらきっとお上は「お前にだけは言われたくないわ!」と吼えるでしょう。絶対に!(笑)

TKの実態というか使われ方を考えると、民法上の組合とほとんどかわらなく、なぜTKを使っているかというと、ほかのビークルと比較して、いろんな面で都合がいいからだと思うのです。

そのような実態を考えると、PBさんのような仕訳も理解できます。しかし、現行の税制ではお上はそのように考えていないようです。一応、お上のご意思を反映しているであろう法人税基本通達のコンメンタール の最新版「1413(匿名組合契約に係る損益)」から引用させていただきますと、

「法人が匿名組合員である場合におけるその匿名組合営業について生じた損益の帰属については、法人税基本通達14-1-1の任意組合等の場合と異なり、匿名組合員に直接帰属するものではなく、匿名組合契約によって営業者から分配を受け又は負担をすべき部分の金額をその計算期間(匿名組合営業の場合は、営業者が商人であることから毎年1回一定の時期に決算を行う)の末日の属する事業年度の益金の額又は損金の額に算入する。

この場合の損益の認識としては、営業者の有する資産、負債又は営業者の取引を匿名組合員の自己の資産、負債又は自己の取引として認識することはあり得ないので、法人税基本通達14-1-2の(3)に定めるいわゆる純額方式しかないものと考えられる。」

つまり、現在の税法の世界では、営業者の有する土地は営業者のものであり、組合員のものではないと考えているのです。だから、清算により土地が実質的に組合員から営業者に譲渡されたとはとることはできないのではないかと思うのです。

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2007年10月17日 (水)

金融一体課税は本当に実現するの?

今朝は、結構、信託大好きおばちゃんネタになりそうなニュースが多いけど、チョイスしたのは「金融一体課税で一致 政府税調」。

金融一体課税って たとえば預金の利子と株式の譲渡損を通算して税金を計算しましょうということ。いまだったら利子は20%の源泉分離課税、株式の譲渡損は株式の譲渡益としか通算できない、ついでに上場株の配当の源泉は小株主の場合は10%でOKのはず

政府税調は金融一体課税をしましょうねということで一致したけど、税制って政府税調だけできまらなくて、次に党税調というのがある。党税調といえば自民党の税調だけど、今年は民主党の税調も重要になってきた。で、自民党の税調は、金融一体課税もいいけど、今の10%源泉分離課税の延長を続けてほしいという意見もある。

でも、この調子だと金融一体課税って、いつの日か実現するような気もするのですが、でも総論賛成 各論反対というか、ほんとうに実現できるかという疑問符がいっぱいつきます。

金融一体課税を実現するためには、今までのシステムをお釈迦にして新しいシステムを構築する必要がある。つまり膨大なコスト負担が金融機関にのしかかるし、時間もかかる。

それに、新聞に書いていますが、個人の金融税制って、とにかく細かくて複雑で、今、この辺を某原稿に書こうとし始めたのですが、わかりやすい文章をめざそうと思っても、あまりに入り組んでいて信託大好きおばちゃんの実力では書けません。ひとつの理論があって税制が組み立てられているのだったら、どんなに複雑でも理解できるのですが、なんか接木のように設計しているような感じなのでわけがわからない。

あっつこれが鳥瞰図としてわかりやすいと思ったのが、野村アセットマネジメント株式会社(編著)投資信託の法務と実務(第3)社団法人金融財政事情研究会の487頁にある投資信託に関する所得区分

引用させていただくと

所得の種類 投資信託からの収益

利子所得  公社債投資信託等の収益分配金、解約・償還差益

配当所得  公社債投資信託等以外の投資信託の収益分配金、解約・償還差益

     ETF REITその他投資法人等の収益分配金

譲渡所得  投資信託の買取請求による差損益

     ETFREITの売買差損益

     公社債投資信託等以外の投資信託の解約・償還差損(みなし譲渡損)

投資信託ひとつとってもこんな感じ、 金融商品の課税関係を一回全部ばらして、再構築って大変と思うのですが♪

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2007年10月16日 (火)

やっぱり今日は事業承継税制かな

今朝の日経のトップは「中小の相続税8割軽減」です。以前から、税務の専門誌等では話題になっていたので、一面トップにでても、驚きも何もないのですが、

相続税っていうのは、亡くなった人の死んだときに持っている財産に値段をつけてそれに対して税金をかけるのが原則です。

当然、価値のある財産があればあるほど相続税も高くなります。相続税の支払いは、原則は、現金一括払い、現金一括払いが難しいような場合はローン払いとか、代物弁済のような物納という制度もあります。

会社のオーナーが死んだ場合の相続財産には、会社の株式が入ってきます。儲かっている会社ほど株価は高い。株価が高いと財産の評価額が高いから相続税も高い。でも、上場していない会社の株なんて換金性がないから、相続人が相続税を現金で払うのは難いし、物納もね、

そうなると自分の死後、会社を続けるのが難しいのではないか。後継者が税金破産したら何をしたかわからない。じゃ、会社をやめよう!と思われる方もそれなりに現れてきた。

しかし、それでは日本経済の発展のためにはマイナスだということがあって、事業の継続要件などを満たした場合は、後継者が引き継いだ会社の株の評価は8割減しましょうということだと思います。要件厳しそうですね。

で、日経のきょうのことばで事業承継税制の国際比較があります。

現状では、

国   非上場株式の減額割合  優遇適用の条件

日本   10%        申告期限までの継続保有

フランス 75%        5年以上の事業継続

ドイツ  35%        5年の継続保有

イギリス 100%       2年前から継続保有

この日本の減額割合が80%になって、 要件に5~7年の事業継続 8割以上の雇用維持(適格組織再編みたいね)、事業計画の提出(資産流動化みたいね)が入ってくるのかな?

イギリスは100%だけど2年前から継続保有の意味がいまいちわからない。

それから、なんでもかんでも日本のお手本のはずのアメリカがないですね。事業承継税制はないのかな?

投資目的会社はこの規定の適用にならないということですが、持株会社制度を採用して、オーナーは持株会社の株をもち、事業会社は持ち株会社の下にぶら下がっているというケースもあると思います。この持株会社が投資目的会社に該当するから8割減だめとなると、きっと持株会社と事業会社を合併させちゃうのでしょうね。くっつけたり、離したり、会社というか事業が税金に振り回されているみたいですね♪

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2007年10月15日 (月)

株式を信託したら

今朝は、たしか、新聞が休みのはずだからコンビニに出かけてません。どうしようかなと思って、ふっと株式の管理信託のことを考えました。

株式の管理信託というのは、株式を信託して、配当の収受などの管理をしてもらう信託のこと。株式自体は受託者に所有権は移るから、名義も受託者になる。ということは、受託者が議決権を持つことになる。でも、受託者というのは、透明人間みたいなもんで、自分の意思というのはなく、信託の契約で決められた仕事をするもの。だから、議決権は、信託の契約により誰かの意思に従って行使するということができるはずです。

委託者が信託し、自分が受益者になるんだったら、通常、実質的な議決権は委託者にあると思います。

たとえば、信託受益権を収益受益権と残余財産受益権に分割して、収益受益権だけ委託者の子供(後継者)に渡す。そして、実質的な議決権者を委託者兼残余財産受益権者とすることもできるし、収益受益権者である子供とすることもできる。議決権のうち、役員選任、解任権などは、委託者に残し、あとは、受益者にするということもできるんじゃないのかな。

たとえば、信託受益権を全部他人に譲渡して代金を受け取るけど、議決権だけは委託者の意思に基づくとすることもできる。委託者がお金は欲しいけど、議決権もしばらくの間残しておきたい場合に使えますね。信託期間が終了した時点で、株は受益者に移り、この時点で受益者に議決権も移りますが。

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2007年10月12日 (金)

不動産信託受益権 投資法人と証券投資信託

今朝の日経新聞を読んでいたら「上場投信の品ぞろえ拡充」という記事がありました。ここで、大和投資信託は近くシンガポール取引所で、イスラム法に準拠した日本株指数連動のETF(株価指数に連動する上場している投資信託)を上場すると記されています。この指数の元になる日本株式は、イスラム教の教義で禁止されている豚肉やアルコール関連企業を除いた日本の代表的な企業の株式100銘柄で構成されているようです。オイルマネーが欲しいということが根底にあるようですね。

 じゃ、インドからお金をETFで調達したい場合は、牛肉関連企業を除いた株式で組成することになるのでしょうね。

 話変わって、ぼーっとREITのことを考えたのですが、REITの受け皿になる投資法人って、現物の不動産というよりも不動産の信託受益権を持っているケースが多いですよね。信託受益権って証取法の時代には債権でした。

 で、ここで証券投資信託について考えました。証券投資信託として組成したら、信託で生じた利益というのは、投資家に分配されるまで課税が繰り延べられます。投資法人は、いろんな要件をクリアしてやっと投資家に支払った配当が受託者側で損金となるというしくみですが、こんないろんな要件が証券投資信託の場合はないはずです。

 証券投資信託って何かというと、信託財産を主として有価証券に対する投資として運用することを目的とする信託契約です。

 証取法の時代は信託受益権は有価証券じゃないから不動産信託受益権を主として運用する信託は証券投資信託になれませんでした。

 金商法の時代となり、信託受益権はみなし有価証券となりました。証券投資信託の運用の対象となる有価証券にみなし有価証券は入るのでしょうか?入るんだったら不動産信託受益権を証券投資信託にいれた商品も可能になりますよね。

 ちょっと時間切れで調べられませんでした。たぶん、だめなんでしょうけど♪

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2007年10月11日 (木)

またまたTK解散時の現物払い戻し 

先週、TKの解散時の現物払い戻しというマニアックな記事を書きました。今日はマニアックなTKのお話の続き

出資者とTKの契約を結び100円出資し、営業者はその資金で信託受益権を買いました。この信託受益権の中身は土地です。営業者の帳簿上に信託受益権(土地)100が計上されています。       

営業者のBS上は  

 資産         負債 

信託土地     100 TK預かり金100

出資者のBS上は

 資産

TK出資   100

この信託契約を解除し、営業者は、土地の実物を受け取りました。この時点での土地の時価は300.信託解除時点で、土地の含み益課税は行われません。自分が別に預けていたものが自分の手元に返ってくるだけだから。

営業者信託終了時の仕訳   

土地    100  信託土地   100

なお、信託財産から生じた利益は、現金で全額出資者に支払われていました。だから出資者のTK出資の帳簿価額は100のままでした。

 営業者のBS上は     

資産       負債

土地    100 TK預かり金100

 出資者のBS上は  

資産

TK出資   100

さて、TKを解散しましたが、含み益のある土地は営業者に残し、出資者には、現金300を支払いました。

この場合の営業者の仕訳はどうなるのでしょう?

預かり金   100    現金 300

TK清算損200

出資者の仕訳は

現金 300     TK出資 100

          TK清算益200

営業者においてTK清算損 200を計上し、税務上 損金とできるのでしょうか。

もしここで清算損を計上し、その後営業者がこの土地を外部に300で譲渡した場合

土地譲渡時点の仕訳は

現金 300      土地   100

          譲渡益   200 となります。

ただ、TK解散時の清算損の計上に関して問題があるというご意見もあるようです。

この場合の営業者の仕訳は、

預かり金  100   現金  300

土地?   200

これは、解散時に営業者が土地を時価300で売却して、300円で買い戻したというように考えているのだと思います。

でも、土地自体はずっと営業者が自分の財産として持ち続けているようなものですし、税法の世界では、特殊事情がない限り資産の評価益は認められません。そうすると借方土地 200というのはどうかな?

こんな場合、どう処理すればOKなのでしょうか♪

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2007年10月10日 (水)

セキュリティ・トラスト始動

今朝の日経の金融面に「みずほ信託 担保権の管理を代行 改正信託法で新業務開始」という記事があります。

いわゆるセキュリティトラスト業務をやりますよということです。セキュリティトラストっていうのは、担保権を信託するようなもの 信託というのは、委託者の持っている資産を受託者に移転させて、受託者が管理するというのが基本形ですが、新信託法により実際に物を移転させるだけでなく、担保権を設定させることによる信託も可能になってます。

通常の担保では、債務者が担保権設定者となり、債権者が担保権者となり、債権者兼担保権者が担保物権の管理処分をしなければなりません。債権者以外の者が担保権者となることは、原則としては、認められていないようです。

セキュリティトラストになると、債務者兼担保権設定者が委託者、担保権者が受託者、債権者が受益者という関係になります。

藤原彰吾氏の「セキュリティ・トラスト活用に向けての法的課題(上)」金融法務事情No1795、31頁にはセキュリティトラストの特徴として

「①信託契約は委託者(債務者)と受託者(担保権者)との間の契約締結により成立するものであり、受益者(債権者)の関与は必要ないこと ②債権者は担保権(物権)の権利者ではなく、担保権から優先弁済を受けることを主たる内容とする受益権(債権)の権利者であることがあげられる」 そうです。

セキュリティ・トラストビジネスとは、本業で忙しい債権者のかわりに担保の管理処分のアウトソーシングをしますよということかなあ。でも、このビジネスって 記事によると3兆円マーケットだそうです。

みずほ信託では、第一号としてINAXと契約を結ぶそうです。INAXは販売業者への売掛債権の回収保全のために、販売業者の有する上場株式を担保として押さえているそうですが、これをセキュリティトラストで行うそうです。

つまり、INAXの販売業者とみずほ信託がセキュリティトラスト契約を結ぶ。委託者がINAXの販売業者、受託者がみずほ信託、受益者がINAX. 販売業者の持っている上場株に担保権を設定し、この担保権者をみずほ銀行とする。販売業者が代金をINAXにきちんと払っている間は、みずほ信託は上場株の管理だけしておく。販売業者の支払いが滞った場合は、みずほ信託は担保権を実行して、上場株を売却し、換価代金をINAXに支払う。

ということかな?

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2007年10月 9日 (火)

なぜ、REITは投資法人で組成しているの?

おおやさん:たしか4月だったか、日経に載っていた記事の続報ですよね。(REIT LCP投資法人のお話です。)てっきり信託だと思っていました。法人(投資法人)なんですね。

でも、法人税がかからない。

これって、匿名組合や任意組合とのバランスと取っているんでしょうが、あえて法人形式をとるメリットってあるのでしょうか?

信託大好きおばちゃん: 一応、税務の視点に限定して書きます。法人税がかからない 非課税だというのではなく、投資法人の場合は、所得に法人税がかかるけど、一定の要件を満たしている場合は、配当が損金となるから、結果的に、配当部分に関しては投資法人側で税金がかからないことになるということです。

信託法の改正により可能となる特定受益証券発行信託に関しては、分配時課税とされていますが、こっちは、配当がどうだこうだでなく、特定受益証券発行信託である限り、信託から生ずる所得について、発生時点では、受託者にも受益者にも委託者にも課税されませんね。

REITは、投資家が不特定多数存在し、しかも、しょっちゅう投資家が入れ替わる可能性があります。こういう場合、投資家がREITに何を望むかというと、事業をコントロールしたいというより、利回りの追求だと思うのです。また、保有している間にもらえる所得や、出資持分を譲渡した場合の所得について、所得の計算方法が明確で、計算が楽な方がいいと思うのです。投資法人の投資家の課税関係は、配当控除や受取配当の益金不算入ができないほかは、ほとんど株式と同じですよね。

一方、匿名組合や民法上の組合は、出資者に利益や損失が配分されますが、これらの計算方法というのは通達でおおざっぱに決めているだけでわからない部分が多いです。また、民法上の組合やLLP(有限責任事業組合)について、多数の出資者が存在し、加入、脱退をする場合、所得計算は非常に複雑になるので、正確で迅速な所得計算が困難です。ようするに、これらのビークルは、多数の投資家相手のビークルとして使えない。

だから、REITは投資法人を使うことになり、大きく成長したのでしょう。

なお、投資法人にはLCPで問題となった同族会社要件があるのですが、特定受益証券発行信託に関しては、同族会社要件はありません。したがって、将来、REITのような商品は投資法人から特定受益証券発行信託にシフトされる可能性はありますね。こっちの場合も投資家の課税関係は、配当控除や受取配当の益金不算入ができないほかは、ほとんど株式と同じだから楽なんです♪

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2007年10月 6日 (土)

3年目に突入!

 今日は、106日土曜日 3連休の初日、東京はいい天気です。

 さて、この信託大好きおばちゃんのブログですが、いまをさること2年前 2005106日にスタートしました。

 当初は、一日のヒット数が100にも満たない日が何十日も続くような状況でしたが、徐々にヒット数が増えました。特に、2006511日にかの有名なIsologueでご紹介していただいたこと 2007726日の日本経済新聞夕刊「ブログで学ぶ企業法務」で紹介していただいたことにより、ぐぐっつ ぐぐっつとヒット数が増えて今日にいたっております。

 信託大好きおばちゃんのブログの読者層がどのような方々なのかは、おおざっぱにはアクセス分析でわかります。特徴としては、朝8時から夕方6時までのヒット数が非常に多いこと。金融系、事業会社から大学の先生、士業の方々等、信託に関係するような業界の方々が3分の2以上は占めているだろうこと、固定のお客さま?がなめらかなカーブを描いて増えているようなことだと思います。

 記事の内容が前日に決まっていることはあまりなく、朝、コンビニで日経を買い、必死でネタを探して、書けそうなネタがあればそれを書く。もしなければ、頭の中の知識をわーっと棚卸して、書けそうなものを書くというような感じです。自転車操業状態でよく2年間続いたなという感じです。

 今日から3年目に突入です。この2年間も私の人生は大きく変わりましたが、たぶん3年目も大きく変わるのではないかと思います。しかしながら、このブログのスタンスは変わらず、細く長く続けていきたいと思っております。ではでは!

追加 葉玉弁護士の「会社法であそぼ」の10月6日の記事で、

http://kaishahou.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_bba0.html

信託大好きおばちゃんについて、ちょこっと言及していただきました。なんか、信託大好きおばちゃんのキーワード検索が増えているのでどうしたのかなと思って探索しましたところソースを発見しました。ありがとうございます。

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2007年10月 5日 (金)

REIT「LCP」の分配金(配当)は予定通り払えます♪

 今朝の日経の投資財務2面に小さな記事ですが「REITLCP 『分配金は計画通り』上位3社保有比率、実質50%未満」というのがあります。

 REITというのは不動産投資信託といわれていますが、厳密にいうと投資信託ではなく投資法人なんですね。投資法人の税務上の特徴というのは、一定の要件を満たしている場合、配当が損金となるわけです。通常、配当は利益の分配だから、法人税を差し引いた残りから支払われるわけで、100利益がでても40税金でもっていかれて、60しか配当にまわせない。でも配当が損金になるなら、100の利益のうち100を配当にあてることができる。それだけ投資家にとっては利回りが高まるからおいしいのです。

この配当が損金になる要件のひとつとして同族会社でないことがあります。

同族会社というのは、3人以下の株主が発行済み株式総数の過半数を持っている会社や、3人以下の株主が一定の議決権の過半数を持っている会社などです。

投資法人の友達の特定目的会社(TMK)のように出資者が特定出資者(議決権ある)優先出資者(議決権はないけど配当は優先的にもらえる)にわかれるようなことは投資法人にはないようだから、投資法人は、いわゆる、一種類の株式だけ発行している株式会社と同じようなものとして判定すればいいのかもしれません。

 プレスリリースによりますと、大口投資家の平成19831日現在の保有率は51.1%です。これだったらいきなり同族会社!で、配当が減る!となりそうですが、この保有の状況を調べていくと、このうちの2社は複数の投資家のために株式を管理する金融機関であり、その中身を調べていった結果、

「平成19 8 31 日現在の持株基準(名義株は含みません。)による上位3 社の保有投資口の合計は44,311 口(保有比率48.27%)、また、議決権基準(議決権行使に係る同意によるみなし株主を含みます。)による上位3 社の保有投資口の合計は最大でも45,186 口(保有比率49.22%)であると考えており、税法上の同族会社に係る判定基準である持株基準及び議決権基準のいずれの基準においても50%を超えていないと判断するに至りました。」

 ということで、同族会社に該当せず、たぶん他の要件も満たしているから配当は損金となり、予定通りの利回りで投資家に分配されるようですね。めでたし めでたし。

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2007年10月 4日 (木)

TKの解散時の現物払い戻し

匿名組合(TK)とは、出資者と営業者の間で結ばれた出資契約のようなもの。出資者はお金をだし、営業者はお金をもらって事業をする。事業上のリスクを受けるのは事業者で出資者は表にでてこないというようなもの。その事業から生じた利益や損失は、出資者に配賦する。税務上、利益を配賦した場合その利益部分は営業者の損金、出資者の益金となる。

さて、出資者とTKの契約を結び100円出資し、営業者はその資金で信託受益権を買いました。この信託受益権の中身は土地です。営業者の帳簿上に信託受益権(土地)100が計上されています。       

営業者のBS上は   資産         負債 

                  信託土地     100 匿名組合預かり金100

出資者のBS上は  匿名組合出資   100

この信託契約を解除し、営業者は、土地の実物を受け取りました。この時点での土地の時価は300.信託解除時点で、土地の含み益課税は行われません。自分が別に預けていたものが自分の手元に返ってくるだけだから。

信託終了時の仕訳   土地    100  信託土地   100

なお、信託財産から生じた利益は、現金で全額出資者に支払われていました。だから出資者の匿名組合出資の帳簿価額は100のままでした。

 営業者のBS上は     資産       負債

                  土地       100 匿名組合預かり金100

 出資者のBS上は  匿名組合出資   100

では、次に出資者と営業者の間で結んだ匿名組合契約を解除し、出資者に土地を分配しました。さてこの時点での仕訳ですが、出資者への土地の分配時点で含み益を実現するかです。信託というのは、受益者と受託者は別だけど、税務上受託者の持ってる信託財産は受益者のものだから、受益者が受託者に信託したり、受託者から受益者に財産が戻った時点で、受益者が単独の場合は譲渡損益課税はしませんよとなってます。でも、匿名組合は営業者のものは出資者のものというような考えがベースにあるのではなく、単に営業者の利益や損失を配賦しましょうというものです。だから営業者から出資者への資産の移転がある場合は、その時点で資産の譲渡があったものとして譲渡損益を認識すべきと考えます。

営業者の仕訳は、  分配金(損金) 200    土地 100

                      譲渡益  200

         匿名組合預かり金 100

出資者の仕訳は   土地      300   分配金(益金)200

                     匿名組合出資   100

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2007年10月 3日 (水)

日興の△株式交換!

今朝の日経の第一面は、「米シティ日興を完全子会社化」です。 今年の51日から可能となった三角合併方式、本件は株式交換ベースだからここでは三角株式交換方式といいますが、による初の事例だそうです。

株式交換って何だ?

株式交換って、既存の会社が他の会社の株を100%手に入れるために、代価として、自分の会社の株を他の会社の株主に渡すようなもの

じゃ、三角株式交換って何だ?

株式交換っていうのは、欲しい!と思った会社の株を代価として支払うものだけど、自分の会社のかわりに自分の会社の親会社の株を渡すもの。

どんな場合に使えるの?

他の会社が上場していて、欲しい!と思ってる方の会社が非上場の場合、通常の株式交換をやると他の会社の株主が持ってる株というのは上場株から非上場株に変わるでしょ。いつでも売れる株からいつでも売れない株に変わるということは、株主にとっては大変な問題です。そんな大変な問題がおこるような株式交換なんて、その株主たちが賛成するわけないですよね。でもそれじゃ、株式交換は絵に描いた餅になっちゃう。

実は、その非上場の会社は、実は別の上場会社の100% 子会社だった。もし、株式交換の対価として、非上場の株じゃなくて、その親会社の上場株をもらうとなった場合、他の会社の株主にとっては、上場株が上場株に代わるだけだから、大変な問題になる可能性も低くなり、結果として、株式交換に賛成して、株式交換が実現できる。

――――というような場合に使えるわけです。

日興のスキームはどんなもの?

現在の資本関係は、米国のシティグループ・インク(シティグループ)が 日本に100%子会社シティグループ・ジャパン・ホールディングス(CJH)を持っていて、この会社が、現在、日本で上場している日興コーディアルグループの株を67.2%(議決権割合約68%)所有しています。

このCJHと日興コーディアルが株式交換するわけです。シティグループと日興コーディアルグループが直接株式交換をすることはできません。別の国の会社同士だから。でも、CJHと日興コーディアルグループが株式交換するけれども、その代価として、CJHの株ではなく、シティグループの株を渡すことは、会社法の改正で可能になり、株式交換のために親会社の株を持つことも会社法では認められてます。

シティグループは現在、日本での上場を準備中であり、もし、上場すれば、日興コーディアルの株主にとっては、株式交換後も、おそらく今まで通りの方法で換金をすることが可能になると思います。

ちなみに交換株式数は 1,700/(シティグループの普通株式の平均株価×為替相場)

税務上の問題点は?

この案件に関しては、日本を代表するような法律事務所と会計事務所がアドバイザーのような形で入っています。物凄いフィーなんだろうなぁ。

朝っぱらから、だらだら税務上の取扱いの説明をしても疲れるだけなのではしょりますが、おそらく、株式交換時点で、日興コーディアルグループの株主にも、日興コーディアルにも税金が発生しないような要件を満たすものになっているのだろうと思います。

でも、プレスリリースを拝見しますと、「本基本契約の締結・公表後に税務上・株式実務上の問題について確認した上で株式交換契約を締結するというストラクチャーは適切である旨の答申を提出しました。」とあるから、税務上のリスクがあるかもしれないと思うようものがあるようですね。そう書かれると、物凄く興味がわきますが♪

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2007年10月 2日 (火)

受益者が50人未満でも登録の必要な自己信託

 あと1年施行が遅れる自己信託(委託者が受託者である信託)は、受益者が50人以上の場合は登録が必要で、50人未満の場合は、原則的には、登録不要。でも、例外もあります。

ビークルを介在させる場合 

受益者はビークル1つだけど、ビークルの下に50人以上の投資家がぶら下がっている場合

自己信託を繰り返す場合

同種内容の信託をいくつもやっていて、それらの受益者の数を合計すると50人以上の場合、

この同種内容の信託とはどういうことなのでしょうか。 不動産の管理信託についてAという不動産で20人 Bという不動産で30人の場合は、合計で50人だからだめということでしょうか。不動産の管理信託20人 有価証券の管理信託30人の場合は同種内容じゃないからいいのでしょうか。 たとえば、不動産の管理信託20人で 事業の信託30人の場合も同種内容じゃないからいいのでしょうか。 この同種内容がどこまでの範囲なのかがわかりません。

多数の受益権が発行される可能性のあるケース

今は受益者が50人に満たないけど、将来的に増える可能性がある場合をさしているようであり、条文によると「あらかじめ定められた方法に従った受益権の分割以外の分割ができない旨が当該信託行為において定められている場合において、当該定めにより対象信託受益者等合計数が50人以上となることができないとき」(信託業法施行令152②四ハ)

これって、分割禁止のような文言を公正証書等にいれておく必要があるということなのでしょうか。

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2007年10月 1日 (月)

郵貯の民営化

今朝の日経の一面に資産335兆円の巨大金融 民営郵政が始動という記事が載っています。

ご存知、郵政公社の民営化ですね。

記事によると、「日本郵政と金融2社は早ければ3年後の株式上場を目指す 」ということです。

そこで、日本郵政株式会社のHPの組織図を拝見していますと、なるほど、上場準備室があります。そして、CRE部門があって、その下に不動産企画部や資産ソリューション部があります。

たぶん、資金調達は上場だけでなく、膨大にあるだろう不動産の証券化などでも賄うのだろうなというのが読めます。

日本の証券化の世界にどかーんと巨大な商品供給者が登場したのかもしれません。

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東京□□取引所

今朝の日経新聞で「東京□□取引所 「証券」と思ってしまうあなたにお知らせです。 私たちは「東京金融取引所」になりました。」という一面広告が載っていました。

正確には昨日ですが、金融商品取引法が全面施行、新信託法が施行されました。

売る側の責任が厳しくなるようですが、売る側が説明責任を果たした場合は、買う側もその結果生じたリスクを負うことにもなるわけです。

昨日の日経の記事によると買う側の心構えとして、①運用期間やどの程度のリスクをとるのかなどの投資目的を明確にする ②説明を聞いても理解できない商品は買わない。などは持っておきたいとのことです。

このうちの②説明を聞いても理解できない商品は買わない という心構えは一般消費者だけでなく、プロの投資家にも当然必要なものですが、今回のサブプライム問題があんなに広がったのは、理解できない商品をなんか知らんけど世界中の投資家が買ってしまったところに問題があるのではないかと思います。

サブプライム問題の場合、たぶんいっぱい焦げ付くだろうと思われるローンを販売し、その債権を証券化することによってローンの当事者である会社の管理責任が甘くなった。証券化されたローンの買い手の方は、ローンがどういうリスクがあるのか自分が当事者でないから痛みがはっきりわからず、とりあえず格付けも高いから大丈夫だろうと思って買った。そうしたら焦げ付いたけど、買い手としてはどうすることもできない。

説明を聞いても理解できない商品は買わない! 単純ですが非常に重い意味のあることですね♪

 *なお、 東京金融取引所といいますのは、東京金融先物取引所からの名称変更であり、東京証券取引所が名称変更したのではありませんので、

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