« 受益者が50人未満でも登録の必要な自己信託 | トップページ | TKの解散時の現物払い戻し »

2007年10月 3日 (水)

日興の△株式交換!

今朝の日経の第一面は、「米シティ日興を完全子会社化」です。 今年の51日から可能となった三角合併方式、本件は株式交換ベースだからここでは三角株式交換方式といいますが、による初の事例だそうです。

株式交換って何だ?

株式交換って、既存の会社が他の会社の株を100%手に入れるために、代価として、自分の会社の株を他の会社の株主に渡すようなもの

じゃ、三角株式交換って何だ?

株式交換っていうのは、欲しい!と思った会社の株を代価として支払うものだけど、自分の会社のかわりに自分の会社の親会社の株を渡すもの。

どんな場合に使えるの?

他の会社が上場していて、欲しい!と思ってる方の会社が非上場の場合、通常の株式交換をやると他の会社の株主が持ってる株というのは上場株から非上場株に変わるでしょ。いつでも売れる株からいつでも売れない株に変わるということは、株主にとっては大変な問題です。そんな大変な問題がおこるような株式交換なんて、その株主たちが賛成するわけないですよね。でもそれじゃ、株式交換は絵に描いた餅になっちゃう。

実は、その非上場の会社は、実は別の上場会社の100% 子会社だった。もし、株式交換の対価として、非上場の株じゃなくて、その親会社の上場株をもらうとなった場合、他の会社の株主にとっては、上場株が上場株に代わるだけだから、大変な問題になる可能性も低くなり、結果として、株式交換に賛成して、株式交換が実現できる。

――――というような場合に使えるわけです。

日興のスキームはどんなもの?

現在の資本関係は、米国のシティグループ・インク(シティグループ)が 日本に100%子会社シティグループ・ジャパン・ホールディングス(CJH)を持っていて、この会社が、現在、日本で上場している日興コーディアルグループの株を67.2%(議決権割合約68%)所有しています。

このCJHと日興コーディアルが株式交換するわけです。シティグループと日興コーディアルグループが直接株式交換をすることはできません。別の国の会社同士だから。でも、CJHと日興コーディアルグループが株式交換するけれども、その代価として、CJHの株ではなく、シティグループの株を渡すことは、会社法の改正で可能になり、株式交換のために親会社の株を持つことも会社法では認められてます。

シティグループは現在、日本での上場を準備中であり、もし、上場すれば、日興コーディアルの株主にとっては、株式交換後も、おそらく今まで通りの方法で換金をすることが可能になると思います。

ちなみに交換株式数は 1,700/(シティグループの普通株式の平均株価×為替相場)

税務上の問題点は?

この案件に関しては、日本を代表するような法律事務所と会計事務所がアドバイザーのような形で入っています。物凄いフィーなんだろうなぁ。

朝っぱらから、だらだら税務上の取扱いの説明をしても疲れるだけなのではしょりますが、おそらく、株式交換時点で、日興コーディアルグループの株主にも、日興コーディアルにも税金が発生しないような要件を満たすものになっているのだろうと思います。

でも、プレスリリースを拝見しますと、「本基本契約の締結・公表後に税務上・株式実務上の問題について確認した上で株式交換契約を締結するというストラクチャーは適切である旨の答申を提出しました。」とあるから、税務上のリスクがあるかもしれないと思うようものがあるようですね。そう書かれると、物凄く興味がわきますが♪

|

« 受益者が50人未満でも登録の必要な自己信託 | トップページ | TKの解散時の現物払い戻し »

コメント

はじめまして、初老の会計士です。貴ブログで判りにくい「会社法」を勉強したくなりました。今後ともよろしくご指導ください。

投稿: masat | 2007年10月19日 (金) 12時17分

何時も拝見させていただいております。平田恭久と申します。
(ブログの文章から転記)プレスリリースを拝見しますと、「本基本契約の締結・公表後に税務上・株式実務上の問題について確認した上で株式交換契約を締結するというストラクチャーは適切である旨の答申を提出しました。」とあるから、税務上のリスクがあるかもしれないと思うようものがあるようですね。

⇒税務上のリスクについて、何か、どこかにコメントが記載されていたら又、お考えのことがあれば、是非教えてください。

投稿: 平田恭久 | 2007年10月 7日 (日) 22時40分

興味深い記事でした、今朝の日経。

でもまだ読んでません・・・。

早く読まないと。

投稿: かつお | 2007年10月 4日 (木) 00時02分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 受益者が50人未満でも登録の必要な自己信託 | トップページ | TKの解散時の現物払い戻し »