« なぜ、REITは投資法人で組成しているの? | トップページ | またまたTK解散時の現物払い戻し  »

2007年10月10日 (水)

セキュリティ・トラスト始動

今朝の日経の金融面に「みずほ信託 担保権の管理を代行 改正信託法で新業務開始」という記事があります。

いわゆるセキュリティトラスト業務をやりますよということです。セキュリティトラストっていうのは、担保権を信託するようなもの 信託というのは、委託者の持っている資産を受託者に移転させて、受託者が管理するというのが基本形ですが、新信託法により実際に物を移転させるだけでなく、担保権を設定させることによる信託も可能になってます。

通常の担保では、債務者が担保権設定者となり、債権者が担保権者となり、債権者兼担保権者が担保物権の管理処分をしなければなりません。債権者以外の者が担保権者となることは、原則としては、認められていないようです。

セキュリティトラストになると、債務者兼担保権設定者が委託者、担保権者が受託者、債権者が受益者という関係になります。

藤原彰吾氏の「セキュリティ・トラスト活用に向けての法的課題(上)」金融法務事情No1795、31頁にはセキュリティトラストの特徴として

「①信託契約は委託者(債務者)と受託者(担保権者)との間の契約締結により成立するものであり、受益者(債権者)の関与は必要ないこと ②債権者は担保権(物権)の権利者ではなく、担保権から優先弁済を受けることを主たる内容とする受益権(債権)の権利者であることがあげられる」 そうです。

セキュリティ・トラストビジネスとは、本業で忙しい債権者のかわりに担保の管理処分のアウトソーシングをしますよということかなあ。でも、このビジネスって 記事によると3兆円マーケットだそうです。

みずほ信託では、第一号としてINAXと契約を結ぶそうです。INAXは販売業者への売掛債権の回収保全のために、販売業者の有する上場株式を担保として押さえているそうですが、これをセキュリティトラストで行うそうです。

つまり、INAXの販売業者とみずほ信託がセキュリティトラスト契約を結ぶ。委託者がINAXの販売業者、受託者がみずほ信託、受益者がINAX. 販売業者の持っている上場株に担保権を設定し、この担保権者をみずほ銀行とする。販売業者が代金をINAXにきちんと払っている間は、みずほ信託は上場株の管理だけしておく。販売業者の支払いが滞った場合は、みずほ信託は担保権を実行して、上場株を売却し、換価代金をINAXに支払う。

ということかな?

|

« なぜ、REITは投資法人で組成しているの? | トップページ | またまたTK解散時の現物払い戻し  »

コメント

おはようございます。信託大好きおばちゃんです。コメントありがとうございます。
この辺の手数料のしくみは、信託銀行の方に聞かれるのが一番だと思いますが、

当然、信託銀行には手数料の支払いがあるでしょう。で、支払いをどうするのかはわかりません。通常は、信託財産から差し引かれ、そうじゃない場合は、委託者が支払うことになっていたと思います。

委託者側(債務者)は今まで支払わなくてもいいコストを負担することになるからメリットはないということですけど、
この結果、債権者はコストが減るので、その分は、支払代金で調整するのかもしれません。そうすると、債務者側の負担は以前とかわらない。
債権者側としては、債権の回収額は経るかもしれないが、以前生じた担保管理のコストよりは安い。

ただ、これはおばちゃんの推定であり、実際は異なるかもしれません。いずれ、わかると思いますが、

投稿: 信託大好きおばちゃん | 2007年10月25日 (木) 08時17分

はじめまして。
いつも勝手ながら勉強のご参考に読ませていただいております。
質問なのですが、
今回のINAXの例にセキュリティ・トラストを実施したとして、3者にメリットがあるのでしょうか?
販売業者(委託者)からすれば、INAX(受益者)との契約だけでよかったものが、みずほ信託(受託者)に信託することで新たな費用(管理手数料などでしょうか)がかさんでしまうのではないかと思うのです。。
もしそういった費用が発生しない場合は、みずほ信託にメリットがないのでは・・と。。
販売業者の返済が滞りなく行われている場合、あまりメリットがないのかなと感じています。
ご教授宜しくお願い致します。

投稿: 信託初心者P | 2007年10月24日 (水) 13時18分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« なぜ、REITは投資法人で組成しているの? | トップページ | またまたTK解散時の現物払い戻し  »