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2007年10月 9日 (火)

なぜ、REITは投資法人で組成しているの?

おおやさん:たしか4月だったか、日経に載っていた記事の続報ですよね。(REIT LCP投資法人のお話です。)てっきり信託だと思っていました。法人(投資法人)なんですね。

でも、法人税がかからない。

これって、匿名組合や任意組合とのバランスと取っているんでしょうが、あえて法人形式をとるメリットってあるのでしょうか?

信託大好きおばちゃん: 一応、税務の視点に限定して書きます。法人税がかからない 非課税だというのではなく、投資法人の場合は、所得に法人税がかかるけど、一定の要件を満たしている場合は、配当が損金となるから、結果的に、配当部分に関しては投資法人側で税金がかからないことになるということです。

信託法の改正により可能となる特定受益証券発行信託に関しては、分配時課税とされていますが、こっちは、配当がどうだこうだでなく、特定受益証券発行信託である限り、信託から生ずる所得について、発生時点では、受託者にも受益者にも委託者にも課税されませんね。

REITは、投資家が不特定多数存在し、しかも、しょっちゅう投資家が入れ替わる可能性があります。こういう場合、投資家がREITに何を望むかというと、事業をコントロールしたいというより、利回りの追求だと思うのです。また、保有している間にもらえる所得や、出資持分を譲渡した場合の所得について、所得の計算方法が明確で、計算が楽な方がいいと思うのです。投資法人の投資家の課税関係は、配当控除や受取配当の益金不算入ができないほかは、ほとんど株式と同じですよね。

一方、匿名組合や民法上の組合は、出資者に利益や損失が配分されますが、これらの計算方法というのは通達でおおざっぱに決めているだけでわからない部分が多いです。また、民法上の組合やLLP(有限責任事業組合)について、多数の出資者が存在し、加入、脱退をする場合、所得計算は非常に複雑になるので、正確で迅速な所得計算が困難です。ようするに、これらのビークルは、多数の投資家相手のビークルとして使えない。

だから、REITは投資法人を使うことになり、大きく成長したのでしょう。

なお、投資法人にはLCPで問題となった同族会社要件があるのですが、特定受益証券発行信託に関しては、同族会社要件はありません。したがって、将来、REITのような商品は投資法人から特定受益証券発行信託にシフトされる可能性はありますね。こっちの場合も投資家の課税関係は、配当控除や受取配当の益金不算入ができないほかは、ほとんど株式と同じだから楽なんです♪

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コメント

伊藤公哉「アメリカ連邦法人税法」(中央経済社)のREITのところ(p482)にアメリカでの話ですが、
「昨今の不動産投資信託の大多数は『信託』という旧来の名称で呼ばれ続けているものの(比較的法律が整備されていることを理由に)株式会社形態で設立されているのが実態です。」とあります。

投稿: 通りすがり | 2007年10月 9日 (火) 08時57分

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