帰ってきた黒沼悦郎さんの「金融商品取引法入門<第2版>」
去年の9月に黒沼悦郎さんの「金融商品取引法入門」について記事を書きましたが、先日、「金融商品取引法入門<第2版>」をゲットして、ファンド周りだけ読みましたが、この本って、黒沼さんの個性というか意見というか批判がでていて面白いですね。
まず、有価証券の定義について、証券・証書が発行されている権利と発行されていない権利(みなし有価証券)にわけて規定しているのですが、これを一刀両断「古臭いやり方だといえるでしょう。」と切り捨てています。なんで、このように区分したかというと証券・証書の方が、流動性が高いということですが、株券も電子化されて、証券よりもはるかに流動性が高まることになるのでこの区分はナンセンスということでしょう。
集団投資持分は民法上の組合、商法上の匿名組合、投資事業有限責任組合、有限責任事業組合、社団法人の社員権、その他の権利であって、出資した金銭(または金銭に類するもの)を充てて行う事業から生ずる収益の配当・財産の分配を受けることができる権利なのですが、これに関しては「合同会社・合資会社を集団投資スキームの定義から除外するものであり、集団投資スキームという包括的な定義を設けた理念に反するという批判が当てはまるでしょう。」というご意見をお持ちです。
集団投資持分はみなし有価証券として、金融商品取引法の対象になっているのですが、これは、あくまでも業者規制であり、ディスクローズに関しては問題があるとおしゃってます。
集団投資の対象が有価証券なのか有価証券以外なのかに分かれるのですが、まず、有価証券以外のものに投資する場合には、ディスクロージャーの対象にはなりません。また、有価証券に投資するものについては、ディスクロージャーの対象になるのですが、流動性が低い有価証券として、500人以上が取得者である場合はディスクロージャの対象としています。これに関しては、「ファンドの持分を有価証券とし、これにディスクロージャー規制を及ぼすためであったはずですが、その目的はあまり達成されていないといえるでしょう。」
ディスクロージャーはなくとも、業者規制があり、販売時に説明義務があり、契約締結前に投資家に交付する書面を内閣総理大臣に届けなければならないのですが、「もっとも、販売時の説明義務を強化するだけで継続開示の代わりになるとは思えません。」
なるほど、なるほどです。