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2007年11月16日 (金)

受益証券発行信託計算規則のふ・し・ぎ

9月の末に信託協会が、受益証券発行信託計算規則なるものをHPで公表されました。

新信託法において、受益証券発行信託という受益権が有価証券にのっかって、流通性がパワーアップされるような信託が普通に作られるようになりました。

 この受益証券発行信託の税制がどうなっているかというと、一定の条件を満たす場合は、信託段階で課税せず、受益者に収益の分配があった時点で、受益者に課税されます。この要件を満たさなかったら、信託段階で法人税が課税されてしまう。

 この一定の条件のひとつとして未分配利益割合が2.5%以下というのがあります。これはどういうことかというと、期末の元本総額のうち、貸借対照表に載っている留保金の額ということです。

 これ、企業会計しか学んでいない人が読むと ええつとなるところです。たとえば、今年事業を100万円現金出資して会社を始めたら、 30万円現金収入があり、期末には、現金が130万円になりました。

 この場合の企業会計での仕訳は、  

現金 100万円   資本金 100万円

現金  30万円   収入  30万円

  損益計算書は   収入 30万円

         当期純利益30万円

  

  貸借対照表は   現金 130万円  資本金 100万円

                   利益剰余金 30万円

  となるはずです。

 もし この利益のうち29万円を株主に配当するとしても、それは、貸借対照表には載ってこないはずです。 もし、これと同じルールが信託の会計でも適用されるとなると、期末の未分配利益割合って 30万円/100万円=30%>2.5%で 翌々信託計算期間から法人課税信託となるわけです。

 さて、受益証券発行信託計算規則をじっくり読むと 損益計算書のお尻が当期純利益ではなく、その利益の処分まであって、その残りが繰越利益になるようです。

だから、受益証券発行信託的に損益計算書を作っていくと

 損益計算書は   収入       30万円

         当期純利益     30万円

         当期未処分利益   30万円

         利益処分額  

          受益権収益分配金 29万円

         次期繰越利益     1万円

そして、貸借対照表は

 現金 130万円   たぶん未払受益権収益分配金  29万円

                       元本 100万円

                     留保金   1万円

したがって、未分配利益の割合が1万円/100万円=1%≦2.5%だから、特定受益証券発行信託の要件を満たしているとなる。

損益計算書に当期の利益に対する利益処分まで織り込むのは、利益処分をどうするかというのは、通常、お約束として決まっており株主総会等の承認に類するものが必要とならないからということなのかなあ。

 

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コメント

つまり1,2期は信託行為に規定さえあればよいのではないかと思います。

投稿: 太郎 | 2007年11月18日 (日) 00時12分

計算期間開始時までに到来した利益留保割合算定時期(事業年度終了後2ヶ月以内のFS提出時)において2.5%以内ですから、利益留保割合が問題になるのは第3期からではないでしょうか?
計算規則は関係ないような気が。

投稿: 太郎 | 2007年11月17日 (土) 21時27分

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