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2007年11月14日 (水)

帰ってきた日興の△株式交換

ブログの大家さんがメンテナンスに入っていたので、更新時間が遅れてしまいました。

久々に、日興の△株式交換ネタの続き。

この△株式交換に関しては税務上興味をそそることが多いのですが、今朝は以前ご紹介した弁護士太田洋氏の旬刊商事法務N01812の優れた論文「三角合併等対応税制とM&A実務への影響」の内容を膨らませたお話を

今回の日興の△株式交換というのは、シティグループ・インク(米)(以下シティ)の100% 子会社であるシティグループ・ジャパン・ホールディングス株式会社(以下CJH)と日興コーディアルが株式交換をし、日興コーディアルがCJHの100% 子会社となり、日興コーディアルの株主は、シティの株主となるというスキームです。

このスキーム実行後、日本ではCJHの下に日興コーディアルがぶらさがり続けることになるのかもしれません。日興―シティは、ぶら下がり続けるほうが合理的かもしれませんが、ちっちゃな持株会社の下にでっかい事業会社がぶらさがることが合理的でない場合もあります。そういう場合は、ちっちゃな持株会社とでっかい事業会社を合併させることを通常考えるはずです。

株式交換は、通常、税務メリットのある適格株式交換になるように実行すると思います。適格株式交換にあてはまらないと株式交換時に株主が変わるだけなのに、100% 子会社となる会社の方で含み損益を計上しないといけないという問題があるからです。

もし、株式交換後に株式交換の当事者となった会社が合併したような場合は、そっちの合併も一定の要件を満たしたものじゃないと、株式交換自体が適格にならないです。

そこで、仮定の仮定の話、もしCJHと日興コーディアルが株式交換後に合併すると決めた場合は、どんな要件が必要かということを書きます。

法人税法施行令4条の2⑯二をこのケースにあてはまめると、

株式交換前に、日興コーディアルとCJHがシティによって株式を支配される関係である。これはOK 株式交換前にCJHはシティの100%子会社、日興コーディアルはCJHの68% 子会社だから。そして、これにプラスして、株式交換後にCJHと日興コーディアルとの間にシティによる支配関係が継続 OKと仮定。株式交換後に、日興コーディアルやCJHを被合併法人とする適格合併が行われることが見込まれる場合は、被合併法人の区分に応じて次の要件を満たすこと。税制上の適格合併じゃないと合併時に被合併法人の含み損益を実現させたり、被合併法人の株主にみなし配当を生じさせる。100% 親子会社の合併だし、親会社の株主シティはたぶんCJHの株を持ち続けるから適格OKと仮定。

もし、被合併法人が日興コーディアルだったらどんな要件が必要か。

これは、株式交換後に日興コーディアルとCJHがシティによる支配関係があり、かつ、株式交換から合併直前までCJHが日興コーディアルの株を100%保有し続けること。

これは、やろうとすれば可能

では、被合併法人がCJHだったらどんな要件が必要か

これは、株式交換後に日興コーディアルとCJHがシティによる支配関係があり、かつ、株式交換から合併直前までCJHが日興コーディアルの株を100%保有し続け、かつ、適格合併後に適格合併にかかる合併法人日興コーディアルが、日興コーディアルの株式を100% 保有する関係が継続する??? 日興コーディアルとCJHが合併した場合、自分の株式を自分が100%保有し続けることはありえませんよね。多分、この法律では、シティグループ以外の会社がCJHを合併したような場合を想定していて、当事者同士、しかも、子会社が親会社を食う合併を想定していないからだと思うのです。

でも、子会社が親会社を食う合併ってありえます。たとえば、でっかい事業会社の事業に許認可が必要で、これをキープしたいような場合。日興コーディアルが合併法人でCJHが被合併法人となるような合併が次にあるなら、適格株式交換はアウトになるのか? 法律では読めないけど、CJHが存続法人である合併と日興コーディアルが存続法人となる合併は、実態として変わらないのなら、OKであってほしいなということを、太田さんはお書きになってらっしゃいますね♪

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