イスラム金融の仕組み
最近、新聞を読んでいると、中東系のファンドが大活躍しているなということがわかります。オイル高でたっぷりお金があるからね。サブプライム問題でぼこぼこのシティや、最近あんまり元気のないソニーに投資していますね。彼らの目から見ると、現在のこれらの会社の株価は割安という判断からなのでしょう。
さて、イスラム金融という言葉があります。最近、ビジネス街の本屋さんで見かけます。信託大好きおばちゃんは、実は、イスラム大好きおばちゃんでして、学生のころ真剣に外国語大学のアラビア語科を目指そうと考えていた時期もあります。
本屋さんで、先日、糠谷英輝氏の「拡大するイスラーム金融」蒼天社出版を買いました。
著書の前半に、イスラム金融の特徴やら仕組みを書いています。
特徴としていくつかありますが、最大の特徴は、利子をとってはいけない。なぜなら、利子というのは、期間の経過により自然に発生するものであり、こういうものは不当利得と考えられるからです。利益というのは、汗かいた対価として受けるようなものという考えがあるのでしょうね。
利子を受け取ることができないなら金融機関はどうすればいいの?存在するの?ということですが、もちろん存在し、お金を貸して利息をとるということはできませんが、他の手法を使って、金融周りのビジネスをやっています。
この手法として著書では4つあげています。
○ ムラーバハ
これは、たとえば、事業会社が機械を買うために金融機関からお金を借りるのではなく、金融機関が機械を買って、それに利益をオンして事業会社に売却し、事業会社が代金を払うようなもの。割賦販売みたいなものもある。
○ イジャーラ
これは、事業会社が欲しい機械を金融機関が買って、それを事業会社に貸し、リース料を受け取るようなもの。
○ ムダーラバ
これは、投資家からお金を預かり、そのお金を事業者に預託する。そして、事業者はそのお金を使って事業をし、その事業から利益がでたら、利益を顧客に分配するようなものです。事業による損失が生じた場合で事業者に過失等がないときは、資金提供者の負担になるようですが、出資額以上の負担については話し合いで解決されるようです。また、資金提供者は、事業の管理経営に一切干渉しない。
このあたりから考えると、受託者の責任が有限で、受益者の責任が無限になるように作られた信託に近いかなあとも思うのです。
○ ムシャーラカ
これは 投資家と銀行が共同で出資して事業をしましょうというもの。利益は契約により決めた比率で分配され、損失が生じた場合は、出資割合に応じて負担する。なお、こっちは、ムダーラバと異なり、出資者が事業経営に参加する。
このあたりから考えると、こっちは、組合に近いのかなあと思うのです。
これらの仕組みを利用してイスラム金融は行われているようです。いまのところ、日本国内でイスラム金融が流行する可能性は不透明ですが、広まるとなると上記の税制上の取り扱いがどうなるのか非常に気になります。きっと、お上系の人は、イスラム金融の仕組みを原典にあたって(アラビア語)調べないとまずいのでしょうね。がんばってください!
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コメント
イスラム金融の本を買おうかと思っていたところですが、概要がわかって、購入不要に…とても、参考になりました
投稿: conan | 2010年12月16日 (木) 18時11分