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2007年11月 9日 (金)

ふんだりけったり法人課税REITの投資家

前回、どうもFCレジデンシャル投資法人に、ほんとうに本邦初の法人課税されそうだというお話を書きました。

 今日は、このREITからの分配金は、たとえ、法人課税されようとも、投資家サイドで受取配当益金不算入や配当控除が使えないんじゃないかという疑問を書きます。

REITの特徴は、何度も書いていますが、一定の要件を満たせば、REITにおいて配当が税務上の費用(損金)となることです。通常、配当は、利益の処分だから損金にはなりません。

REITで100の利益が出た場合、要件を満たせば、配当が損金となるので、100配当に回せる。もし、配当が損金にならないのだったら100の利益に法人税等が40かかるから、配当に60しかまわせません。

でも、一般の事業会社の場合は、100の利益に法人税等が40かかって、配当に60まわすシステムなんですね。だから、法人税がかかっても、この部分は、一般の事業会社とは変わらない。

ところがです。一般の事業会社(日本の事業会社ね)からの配当を法人がもらった場合は、その配当のうちアバウトにいえば50%とか100%部分は、税務上の収入(益金)にはならないのです。つまり、60配当をもらったら、会計上は60収入にあがるけど、税務上は一部又は、全部が収入にあがらない。そうなると、収入に上がらない部分だけ所得が減るから、投資家である法人の支払う法人税等も減るわけです。

また、一般の事業会社から配当を個人がもらった場合、配当控除といって税金のディスカウントがあるんです。

なぜこのような仕組みにするかというと、たとえば100の利益のでた会社の法人の株主が税金を引いた残り60を配当として受取り、その配当に税金をかけると、ここでかかる税金が60×40%=24となるから、手取りは36となる。でも、配当の元になる所得というのは100だけ。そうすると100の利益が配当という形で株主に流れるたびに税金をかけると同じ利益に2重にも3重にも税金をかけることになる。これは、おかしいということで、株主が法人の場合は、もらった配当を益金にしないシステム、株主が個人の場合は、税金のディスカウントのシステムが作られています。

REITに関しては、配当を損金にするということで、支払い時に税金がかからないことから株主には受取配当の益金不算入や配当控除の適用がないとされています。

ところが、法人課税されるようなREITができてしまいそうだ。そうすると、REITでの支払い段階では、事業会社と同じように税金がかかった後の残りを配当することになるから、投資家側では、事業会社と同じように二重課税を排除するようなシステムを作らないとおかしいですね。

でも、条文を読むと、そうじゃないような気がするのです。

たとえば、法人投資家のための条文

租税特別措置法67条の15(投資法人に係る課税の特例)

 5 法人が投資法人から支払を受ける配当等の額は、法人税法第23条第1項及び第93条第2項第2号に規定する配当等の額に該当しないものとみなす

これは、法人がREITから支払いを受ける配当は一律、受取配当の益金不算入の適用はありませんよということを書いていると思うのです。

また、個人投資家のための条文

第9条(配当控除の特例)

 個人の各年分の総所得金額のうちに次に掲げる配当等(所得税法第24条第1項に規定する配当等をいう。以下この条において同じ。)に係る配当所得がある場合には、当該配当所得については、同法第92条第1項の規定は、適用しない。七 投資信託及び投資法人に関する法律第2条第12項に規定する投資法人から支払を受けるべき配当等

 こっちも個人がREITから支払いを受ける配当は、一律、配当控除の対象にならないと書いているような気がするのです。

 でも、もしかしたら、例外規定があるのかもしれません。いや、きっと特別の規定があるに違いない。だってあんまりにも不合理だから。見つかったらこのブログでお知らせしますからね♪

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コメント

受取配当金の益金不算入にしろ、配当控除にしろ、主旨は「 二重課税の排除」と理解していましたが、これができないとなると、ちょっとヘンな気がします。もっとも実務的には「投資法人=ダメ」の考え一本で対応でき楽ですが・・。

一方で、同じリートでも同族リートになった年だけは「益金不算入可・配当控除あり」とされたら、法人の決算期はバラバラ・・リートの同族判定時期とずれますから判定ミスが出たら・・怖いなぁ・・。ましてや、個人の場合には、確定申告時にそこまできちんと対応できるかどうかと思います。

税法もリート側も、「想定外(ちょっと古いけど)」の出来事だったのでしょうか・・。

投稿: honmachi | 2007年11月10日 (土) 05時53分

特別の規定なんてものはなく、REITは配当控除できないと理解しています。本件、全参加者にとって迷惑な話で、bo_rudeさんの疑問 Prospect Asset Management の取得の意図は、是非私も知りたいです。「ファンドを構成する物件が目的」ってのはREITに関しては難しい話で、本来は時価評価が前提ですから。時価評価ってのはまぁ微妙に建前はあるにせよ、組み入れ資産も、40%価値を減らしてなお余りある含み益って言うような物件にはとても思えないんですが。

投稿: 元IB現PB | 2007年11月 9日 (金) 22時41分

特別の規定なんてものはなく、REITは配当控除できないと理解しています。本件、全参加者にとって迷惑な話で、bo_rudeさんの疑問 Prospect Asset Management の取得の意図は、是非私も知りたいです。「ファンドを構成する物件が目的」ってのはREITに関しては難しい話で、本来は時価評価が前提ですから。時価評価ってのはまぁ微妙に建前はあるにせよ、組み入れ資産も、40%価値を減らしてなお余りある含み益って言うような物件にはとても思えないんですが。

投稿: 元IB現PB | 2007年11月 9日 (金) 22時41分

Prospect Asset Management の取得の意図がよくわかりません。

http://nfm.nikkeibp.co.jp/fa/free/column/20070202/504488/

によると、ファンドオブファンズに組み入れているということですが、
法人税負担分運用益が減額されたら、困るのではないかなーと。

ファンドを構成する物件が目的なのでしょうか?


投稿: bo_rude | 2007年11月 9日 (金) 16時59分

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