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2007年12月28日 (金)

野口悠紀雄教授の経済教室

 今朝の日経新聞の経済教室は、野口悠紀雄早稲田大学教授の「2007年の日本経済 金融政策のジレンマ深く」です。

なぜ、サブプライム問題の影響をあんまり受けていない日本企業の株価が下落し、アメリカ企業の株価が下落しないのでしょうか? これは、企業の業績がどーのこーのという問題ではなく、投資家が将来、円高になるから円の手取りが減ると考え投資を差し控えたり、投資を引き上げたりしているからだそうです。

今の日本の金融政策というのは、超緩和政策の継続です。金利の超緩和政策の継続と円安というのは本来両立し得ないものだそうですがそれを無理やり両立させている。

その結果、日本企業は高収益を生み出した。また、このような相容れない金融政策を続行するだろうと踏み、日本と諸外国の金利差を利用して、外人が日本でお金を借りて、外国で投資するという取引や、日本人が外貨投信やFX取引をいっぱい行うことになった。

ところが、サブプライム問題が起こり、日本と諸外国の金利差が減少し、外人は投資資金を回収する必要が生じた。そうすると円借り取引も減り、円高になる。ここで金利を上げると、ますます円高となり、ますます株価は下がる。

では、このまま金融緩和を続ければいいのか? 石油の高騰は生活物資の値上げを引き起こしている。そうすると生活が苦しくなってくるので、預金の金利が低いことに対する不満がでてくる。

金利を上げれば、株価は下がるし、低金利を維持すれば、困る人たちが増えてくるというジレンマがある。

野口教授は、解決策として金利正常化の強行を考えていらっしゃるが抵抗勢力の反発も多いだろう。でも、このまま無策で放置するとほんとうに日本はだめになってしまう。

企業も敵対的買収防衛策ばっかり強化せず、外資を導入して、世界競争に勝てるような強い組織を作ることも必要ではないかと。

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2007年12月27日 (木)

やっぱり法人課税になっちゃったREIT

今朝の日経新聞に「REIT 国債との利回り格差拡大 外国人、売りに転じる」という記事があります。REIT4割は一口あたりの時価純資産を投資口価格が下回っているらしいので、本来だったら、得だからということで買いが入りそうだけど、REITの投資口のお得意さんである外国人投資家がサブプライムの問題の影響でお金が無いから買えないのが大きな要因みたいね。また、あんまりサブプライムの影響を受けていない機関投資家筋も様子眺め状態なのも要因の一つ。

昨日の日経新聞に載っていたのですが、以前からこのブログで何度も書いていたREITF C レジデンシャル投資法人)への法人課税が確定したようです。

このREITへの法人課税の根拠となるのは、このREITの投資家3人以下がREITの過半数の投資口を持っている場合なんですが、この辺をどのように調べて結論をだしたのか決算説明会資料から読み取れます。そこで、ご紹介♪

まず、大量保有報告書(発行済み投資口数の5%超の投資口を保有することとなった投資家が提出しないといけないもの)の提出状況をみると

 提出者                   所有割合

プロスペクト アセット マネジメント インク  42.01

ジェイピーイーキャピタル・、マネジメント・    8.08%

リミテッド

日興アセットマネジメント株式会社           6.05%

       合                      56.14%

次に第4期末の投資主名簿

シージーエムエル アイピービー カスタマー   24.65%

コラテラル アカウント

モルガン・スタンレーアンドカンパニーインク    8.29%

ステート ストリート バンク アンド トラスト  8.08%

カンパニー

日興シティ信託銀行株式会社(投資口)       5.76%

ノーザン トラスト カンパニー エーブイエフシー 4.99%

リ ノーザン トラスト ガンジー ノン トリーティー

クライアンツ

株式会社 ファンドクリエーション          3.54%

ステート ストリート バンク アンド トラスト  3.48%

カンパニー

ドイチェ バンク アーゲー ロンドン ピービー  3.02%

ノン トリティー クライアンツ

アイデン株式会社                 1.96%

日本トラスティサービス信託銀行株式会社(信託口) 1.63%

合計                        65.44%

このように大量保有報告書と投資主名簿が異なるわけです。

そこで、税務当局に確認されたそうですが 資料によると次のような回答をされたようです。

       大量保有報告書ベースで判定すべきか。 投資主名簿ベースで判定すべきか。

       真の投資主により判定すべきである。

       当局が個々の投資主名を見ても判断は出せない。

       投資主名簿上の投資主における実質投資家が判明した場合、これを持って同族会社要件の判定を行うのか。

       真の投資主により判定すべきである。

       当局が個々の投資主名を見ても判断は出せない。

なんといいましょうか。さすがお上らしい回答です。

さて、結論をどのようにして導き出したか?

 大量保有者とされるプロスペックト アセット マネジメント インク、 ジェイピーイーキャピタル・マネジメント・リミテッド、日興アセットマネジメント株式会社および日興シティグループ証券会社に直接照会したようですね。

照会内容は① 第4期末のあなたの保有投資口数はいくつですか②投資名簿には、あなたの名前は載っていないのだけど、投資名簿のどの名前であなたは投資口を手に入れたの?③投資主名簿上の投資主とあなたの関係はどういうものなの?

ということだと思います。

そして、この3者に関して 「照会の結果、当該期末の保有投資口数及び当該投資口の投資主名簿上の投資主名が判明。当該期末における投資主名簿上の投資主及び契約又は法律の規定に基づき、当該者が本投資法人の投資主として議決権その他の権利を行使できる権限又は権利の行使を指図することができる権限を有している事実を確認。」

つまり、この3者が真の保有者であり、3者の保有投資口数の合計が過半数を超えているから同族会社要件にあてはまり、REITの所得に法人税課税されることになりましたということだと思います。

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2007年12月26日 (水)

信託受益権を使った排出権取引の会計処理と税務処理

今朝の日経の金融面に「排出権の売買 信託銀が強化」という記事が載っています。排出権取引が動き出してきたのでこれをビジネスとして儲けましょうということです。

この排出権というのをダイレクトに購入するのは難しいらしいので、信託銀行が購入して、排出権を信託し、その受益権を日本の企業に売ろうということだと思います。

さて、この排出権の含まれた受益権を企業が購入した場合の会計処理はどうなるのか。

すでに企業会計基準委員会では 実務対応報告第15号「排出量取引の会計処理に関する当面の取り扱い」を公表しています。

この報告では、大きく分けて専ら第三者に販売目的で排出クレジットを取得する場合と将来の自社使用を見込んで排出クレジットを取得する場合の会計処理が定められています。

信託の場合はどうなるのかな? たぶん、受益権を購入した人が何の目的で購入したのかで決まるような気もします。そうなるとどうなるのか。あくまでも信託大好きおばちゃんの想像ですが、

受益権の購入者が専ら第三者に販売目的で排出クレジットを取得する場合

会計上 棚卸資産として計上、 期末に低価法で処理する。

税務上 たぶん同様なんでしょうね。そうすると、低価法を税務上も選択している場合は、低価法評価損は損金となる。

将来の自社使用を見込んで排出クレジットを取得する場合

会計上 無形固定資産または投資その他の資産として処理 減価償却の対象にならないけど、減損の対象になる。費用となるのは、自社使用(償却目的による政府保有口座への排出クレジットの移転)時

税務上、 減損はまず費用とならないような気がします。自社使用時に使用分は損金となるか?これは、たぶんOKになるのでしょうね。

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2007年12月25日 (火)

不動産を組み込んだ金融商品 どれが使えるか? 税務の視点から

 今日はクリスマス♪ 朝から「モンブラン」(栗の入ったケーキ)を食ってました。イチゴケーキじゃないところが渋い。

さて、不動産を組み込んだ金融商品の品評を税務の視点から軽く書きます。

REIT これは投資法人をベースに組成していて、投資法人自体を上場させることにより流通性が非常にパワーアップされている。

税務上のメリットとして、一定の要件を満たす場合は配当が損金となる。代表的なこの要件は、

配当可能所得(税務上の利益)の90%超を配当にまわすこと。

国内で1億円以上公募するか、期末に50人以上の株主が持ってるか

同族会社であること。この同族会社というのは、現行法では株主の3人以下が過半数の株を持っていることなどが要件だが、今年になって、ほんとうに3人の株主が過半数持っているREITが現れ、法人課税されそう。そこで、平成20年度の税制改正で1人の株主が過半数もっていたら法人課税だぞとするみたい。

TMK これは流動化法をベースにしてつくった資産を入れて、お金を稼がせるための器のような会社

税務上のメリットとして、一定の要件を満たす場合は配当が損金となる。代表的なこの要件は、

配当可能所得(税務上の利益)の90%超を配当にまわすこと。

国内公募で 1億円以上の社債を公募するか、適格機関投資家だけが引き受けるか 社債発行の場合は同族会社要件はない。

国内公募で50人以上の者がTMKの優先出資を引き受けるか、適格機関投資家だけが引き受けるか。こっちの場合は同族会社要件があるけど、この同族会社要件というのがちょっと変わっていて、3人以下の株主が過半数の株を持っているか、議決権を持っている優先出資社員(通常優先出資社員は議決権を持っていない)が一定の議決権を過半数持っているか。

公募投資信託

以前なやんでいたけど、不動産信託受益権は金融商品取引法上みなし有価証券だけど、この不動産信託受益権を組み込んだ証券投資信託は組成できない(投信法2④)。でも、投資信託として組成することができる。

この不動産信託受益権を組み込んだ投資信託を国内で公募発行する。

税務上のメリットとしては、投資信託で生じた所得には、投資信託段階で課税されず、投資家が受け取った時点で投資家に課税される。しかも、稼ぎをほとんど分配しないといけないというような厳しいルールもない。

適格機関投資家向け私募投資信託

これは、国内で募集して適格機関投資家だけに受益権を引き受けてもらうようなもの。分配可能所得の90% 超を配当したら、こちらも配当が損金としてもらえる。

上記以外の私募投資信託

これは、投資信託から生ずる所得について法人税課税されるから、分配利益は4割カット。

特定受益証券発行信託

これは、信託法の改正で登場した、普通の信託で、受益権が有価証券化されているもの。税務上のメリットは、一定の要件を満たす場合は、信託段階で課税せず、投資家が配当を受け取った時点で課税する。

この要件というのはいくつかあるのだけど、投資家に分配されていない利益が元本総額の2.5%以下であること。この2.5%の計算のベースになるのは、税務上の数値ではなく会計上の数値であることが大きい

受託者が信託銀行等か資本金5,000万円以上の法人であること

この法人が有価証券報告書を提出しているか、会社計算書類を作って、見せろといわれればいつでも出せるようなものかなどなど

受益者等課税信託

これは、いわゆる本家信託のようなもの。信託から生ずる所得はダイレクトに発生時点で受益者のものとなる。ただ、多数の受益者を前提にした計算システムが確立されていないので金融商品として直接使うのは問題が大きすぎる。

配当が損金となるビークルの問題点

この配当が損金となるためには、配当可能所得の9割超を配当しないといけない。でも、これって税務上の数値です。たとえば不動産の減損を会計上計上しても、税務上は損とならない。そうすると、配当は会計上、法律上はあんまり出せないけど、税務上は利益があるのに配当を出していないとなるから配当損金の要件を満たせなくなる。

また、当初、申告をして配当も支払ったあとで、税務調査があり、費用を否認されてしまうこともある。そして、所得を修正したら9割超を配当に回していなかったこととなり要件を満たさないから配当部分法人課税となることもある。でも、この時点で税金に相当するお金はREITに残っていない。なぜなら、投資家に払ったあとだから。こんな怖いリスクもある。

だったらどの手法が使えるか?

やっぱり、一は公募投資信託、二は特定受益証券発行信託、次にREITTMKや適格機関投資家向けの私募信託なんでしょうね。

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2007年12月21日 (金)

外国投資信託の課税関係の疑問  お返事

 結構、マニアックなエントリーですが、こういうマニアックなエントリーを書くと、必ずプロ関係の人からコメントをいただきます。今日は2,000字くらいあります。

CTA小林さん:調べていた点とは、外国未上場不動産投資信託は法人課税信託のようだけど本当いかな?ということです。

自分の理解では、

不動産投資信託の場合、「国内公募」の要件に該当する場合に限り「集団投資信託(その他の投資信託)」に分類されるものと思います(その投資信託が上場している場合を除きます)。

「国内公募」の要件を満たしていないので法人課税信託となり、国内財産を有する外国法人はその国内財産から生ずる所得は国内源泉所得を構成すると。

なるほど。法人課税信託である謎が解けました!

下記のコメント、少し不安な点が。

外国投資信託の場合は無条件で集団投資信託に該当してしまうのかも。

信託大好きおばちゃん

ぱっと書いてみて、専門用語が乱発しているのでちょっとだけ翻訳を追加

集団投資信託とは、信託財産から生ずる利益については、投資家が受け取った時点で投資家に課税するもの

法人課税信託とは、信託財産から生ずる利益について、受託者に課税され、課税済み所得が投資家に分配されるもの もちろん、投資家段階でも課税の対象となります。

つまり、集団投資信託の方が法人課税信託より税金分利回りが大きいから、集団投資信託にしようとプロの人たちは頭をひねるのです。

投資信託のところの条文がどうなっているかを見ていく必要がありますね。

まず、法人課税信託の場合 (法法2二十九の二)

ニ 投資信託及び投資法人に関する法律第2条第3項に規定する投資信託

この投資信託及び投資法人に関する法律第2条第3項とは?

 この法律において「投資信託」とは、委託者指図型投資信託及び委託者非指図型投資信託をいう。

 法人課税信託になるのは、あくまでも日本の投信法で定めた投資信託だよと

次に集団投資信託のところの条文は、

法法2二十九

ロ 投資信託及び投資法人に関する法律第2条第3項に規定する投資信託(次に掲げるものに限る。)及び外国投資信託

(1) 投資信託及び投資法人に関する法律第2条第4項に規定する証券投資信託

(2)       その受託者(投資信託及び投資法人に関する法律第2条第1項に規定する委託者指図型投資信託にあつては、委託者)による受益権の募集が、同条第8項に規定する公募により行われ、かつ、主として国内において行われるものとして政令で定めるもの

つまり、集団投資信託に該当するものは、日本の投信法で作られた証券投資信託と、日本で公募した日本の投信法による投資信託とそれから外国投資信託となる。

国内公募うんぬんは、あくまで日本の投信法で作られた投資信託のうちとなる。

そうすると、外国未上場不動産投資信託というのは、外国投資信託となる可能性があるのです。でもね。外国投資信託というのが何であるかはっきりわからないのだ!

また、実務的には、ケイマンに作った投資信託が日本の不動産に投資しているようなものもいくつかあるのですが、実際には、直接不動産を購入していません。

どんなスキームかというと

ケイマンに法人を作って資金調達手段として利益参加型社債を発行する。このケイマンの法人にケイマンの投資信託が出資する。ケイマンの法人がTK(匿名組合)の出資者となり日本の営業者(これが不動産を直接投資)に投資する。そして匿名組合の分配金をケイマンの法人が受け取り、利益連動債としてその利益を投資信託に分配する。投資信託はその利益を投資家に分配するというようなスキームにしています。

なぜ、こんなおおげさなスキームをしているかというと、もし、投資信託が直接投資して、外国投資信託であることを否認されたら法人課税信託として課税されるリスクがあるからではないかなと思っています。

今般、信託法が改正されて受益証券発行信託というものが可能となりました。この受益証券発行信託と投資信託というのはどの点が異なるのか、外国で発行されたものに関しては判然としません 受益証券発行信託の場合は、原則法人課税信託で、例外として集団投資信託となる。おそらく、外国投資信託は原則としては、受益証券発行信託に類するものとして取り扱い、例外的に外国投資信託にさせるような気もするものです。そう思う理由が下記の通達

法基通12の6-1-1(受益権を表示する証券を発行する旨の定めのある信託の範囲)

 法第2条第29号の2イ((法人課税信託))に規定する受益権を表示する証券を発行する旨の定めのある信託には、信託法第185条第3項((受益証券の発行に関する信託行為の定め))に規定する受益証券発行信託のほか、例えば、外国法を準拠法とする信託で受益権を表示する証券を発行する旨の定めのあるものが含まれることに留意する。

 ちなみに、外国で発行した受益証券発行信託に類するものは、どんなにがんばっても特定受益証券発行信託にはなれないのです。そういう条文のつくりになっているから。

 法法2二十九

ハ 特定受益証券発行信託(信託法(平成18年法律第108号)第185条第3項(受益証券の発行に関する信託行為の定め)に規定する受益証券発行信託のうち、次に掲げる要件のすべてに該当するもの(イに掲げる信託及び次号ハに掲げる信託を除く。)をいう。)

というわうけで、 あとは、自己責任でお考えください。

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2007年12月20日 (木)

日興の△株式交換のなぞ 中締め

このブログで、何回か書いていた日興の△株式交換ですが、昨日(1219日)の日興コーディアルの臨時株主総会で承認されたようです。3分の2を超える株をシティがもっている状態だからセレモニーみたいなものでしょうね。

ま、こんなことだけ書いてもしょうがないので、信託おばちゃん流に料理してみました。

以前からこの△株式交換に課税リスクがあることを書いていました。すなわち、株式交換比率の調整で、端数部分が生じた場合、現金を交付することになると思うのですが、△株式交換による現金交付に関しては課税関係が明確化されていませんでした。通常の株式交換(完全親法人の株式を受け取る)の場合で、端数が生じたときの取り扱いは定められているのですがね。

日興の△株式交換はおそらくOKとなったと思うのですが、この件をベースにした平成20年の税制改正が予定されているようです。

自民党税制改正大綱

いわゆる三角合併等に係る対価として交付される株式に一株に満たない端数が生ずる場合において当該端数に代えて金銭が交付されるとき及び全部取得条項付種類株式が取得決議により取得される場合において価格決定の申立てに基づく金銭が交付されるときは、組織再編成等の対価に関する要件の判定に際し、これらの金銭以外の対価により判定することを明確化する。

つまり、端数の調整のために現金が交付されるような△株式交換については、現金交付がされる株式交換だから税制上の適格要件は満たしていないので、株式交換時に完全子会社の含み損益を計上するということはないようです。

ところで、価格決定の申立てって何だろう?

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2007年12月19日 (水)

REITと平成20年度税制改正

 このブログだけじゃなく、ほかのメディア等でもさんざん吼えていたREITの法人課税に関して、若干改正があるようです。

自民党税制改正大綱

投資法人に係る課税の特例について、同族会社に該当しないこととの支払配当等の損金算入の要件を、3株主グループによる判定から1株主グループによる判定とする。

現行の税制では、REIT(投資法人)が同族会社に該当したら、REITの所得に対して法人税課税をし、投資家サイドでは、受取配当の益金不算入とか配当控除が使えないという、踏んだりけったりの状況です。この同族会社の定義というのは、細かいことをいうときりがないのですが簡単に言うと、3人の株主がその会社の株式を過半数持っていたら同族会社ですよとなっています。

こんな要件を課したら、絶対に大株主があらわれないでしょうと思っていたら、そんなことを考えない大株主が現れてきて、実際、法人税課税がされるREITがあらわれそうです。

同族会社なんてナンセンスなんですけど、結局改正は上記のようになるようです。すなわち1人の株主が過半数もったら同族会社よってことになるようです♪

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2007年12月18日 (火)

中小企業の売掛金回収の保証

今朝の日経一面トップは「信用保証協会 ファンド通じ中小支援 経産省方針売掛金回収も保証」というのがあります。ようするに信用保証協会が中小企業の支援のためにファンドへの出資を解禁することと、金融機関が買い取った中小企業の売掛金が焦げ付いた場合の保証をしてあげますよということだと思います。

従来から売掛金の代金を早期に回収するためにファクタリングとか一括信託払いなどがありました。ファクタリングは、業者が売掛金を買い取ってくれるようなもの。一括信託払いというのは、売掛金の債権者を委託者兼受益者とするような自益信託を設定していて、受託者である信託銀行が債権管理と決済をするものであり、期日前でも受益者は手数料を払えばお金がもらえるようなことになっているのだと思います。

これって、結構広がっているように思うのですが、買掛金の債務者が倒産した場合のリスクもあるので、信用力に中小企業が債務者の場合はあまり行われていなかったのかもしれません。でも、信用保証協会が支払いを保証してくれるなら、安心して金融機関も受託できるということなのでしょうか。

信用保証のついた中小企業の売掛金を担保とするような証券化商品が広がるかもしれません。

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2007年12月17日 (月)

任天堂と研究開発費

日経ビジネスの20071217日は「任天堂はなぜ強い 「たかが娯楽」の産業総出力」を特集としています。任天堂DSWiiが爆発的に売れているのですが、これはなぜなのかという視点で特集は書かれています。使いやすいハードウェア、脳トレなど今までゲームを利用しなかった普通の大人の興味をひくようなソフトウェアの開発に起因するのでしょうね。

 で、関心ばかりしていていてもどうしようもないので、信託おばちゃんなりに任天堂を料理していました。

 材料は任天堂の20073月期の有価証券報告書です。この中で、任天堂の研究開発費は、連結ベースで、3772,500万円です。 ちなみに連結ベースの売上は9,6653,400万円 経常利益は2,8883,900万円です。売上高経常利益率29.9%!研究開発費だけみるとすごいなと思うのですが、売上や経常利益と比較するとそんなにすごくもない。この研究開発費は、会計上、費用処理がなされているようですが、税務上は、繰延税金資産が1428,100万円計上されているから、約40%で割り戻すと357億円となるから、かなりの部分の研究開発費が発生時点では税務上は費用となっていないのかなと思います。

 ところで、ASBJが研究開発費に関する論点整理を年内に公表するようです。日本や米国では、研究開発費は発生時点で費用処理をすることが要求されています。他方、国際財務報告基準では、研究段階の部分は費用処理し、開発段階の部分は一定の要件を満たすと資産計上するようになるようです。

 そうなると、任天堂のような研究開発費の大きい会社ではインパクトも大きいでしょうね。

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2007年12月14日 (金)

トン数標準税制

 自民党の平成20年度税制改正大綱が公表されました。今年は、予想どおり、小粒改正であんまり面白くありません。このブログでつれづれに書いたことが改正項目にいくつかあがっていますが、ぱっとしないですねえ。

 で、毛色の変わったものがでてきたので書きます。それは「トン数標準税制」これは、大綱によりますと

「四面環海のわが国にとって、安定的な国際海上輸送を確保することは重要な課題である。その安定輸送の核となるべき日本籍船・日本人船員の計画的増加を図るため、非常時における国際海上輸送に係る航海命令等の制度化に併せて、日本籍船に係るみなし利益課税(いわゆるトン数標準税制)を創設する。」

国際船舶の世界で、トン数標準税制 つまり、運行トン数にみなし利益を乗じて計算した金額を所得として税金をかけましょうという制度がグローバルスタンダードとなっています。これは、海運王国である国々の海運業の保護と発展を促すため国策的に作られたものが、わーっと世界に広がったのだと思います。この制度によると、今の日本の海運業界ように大儲けしているときでも、トン数に利益を乗ずることにより少ない所得をベースに税金をかけますからその分、会社にお金が残り、先行投資にまわすことができます。でも、以前の日本の海運業界のように、何年も赤字体質が続くようなときにおいても、トン数標準税制を採用するとみなし利益が計算されるので税金を払わないといけません。

諸外国では法人税法本体で制度化されているようですが、大綱を読む限りにおいて、日本においては、租税特別措置法で制度化されるようです。

海上運送法に規定する安定海上運送確保計画(仮称)の認定を受けたものが、本制度の適用を受けようとする事業年度開始の日の前日までに納税地の所轄税務署長にその旨を届け出ていることが前提となっているようです。

おそらく、日本籍船による外航海運の所得に特化することと思います。また、減税によりたまった利益を投資にまわさなければならないのではないでしょうか。減税分を配当にまわしたでは意味がないからね。

また、このみなし利益の計算は簡単かもしれませんが、それと比較する日本籍船による収入金額に係る所得金額の計算は結構キツイと思います。

だって、なんらかの方法で、他の所得と切り分けないといけないでしょ。ええかげんな原価計算だったら困るし、損失が出た場合の配賦をどうするかという問題もある。それに、海外がらみの税制をどうするのか。たとえば外航海運にかかわる外国税額控除はできるの? タックスヘイブンはどうなる? いいだしたらきりがないような論点がてんこ盛りだと思います。この辺は、法律がでてこないとわからないのですが♪

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2007年12月13日 (木)

京セラの移転価格 追加還付

今朝の日経トップに証券優遇税制 配当100万円上限というのがあります。今の上場株の配当や株の譲渡益に対する税率の軽減(20%→10%)に2009年から限度額を設ける、ついでに金融一体課税を設けるということが自民党の平成20年度税制改正大綱で決まるようだというお話です。といっても、ご存知のように、ねじれ国会であり、参院で多数を占める民主党は、自民党案と別の案を考えているようなのでどーなるのかはわかりません。

 いずれ、改正の内容は公表されると思うので、エントリーするのはそれ以後で、

 今朝は、京セラの移転価格、追加還付ネタ。京セラのHPでは、今、リリースされていないのですが、京セラが、移転価格課税によりお上に召し上げられた税金のうち、一部がまた、還付されるようです。

 移転価格税制とは、国と国の間の税金の取り合いに企業がからんだ三つ巴の税金戦争です。ようするに、日本の会社が、100円で作った製品を、第三者には150円で売るのに、アメリカの子会社に120円で売ったような場合、日本では、利益が20円しかでない。でもほんとうだったら50円利益がでるはずのものを20円しか出さないようにしているのはアメリカの子会社に利益を移転しているようなものだとして、30円相当分日本で課税しましょうとなるようなものです。でも、アメリカの子会社では、120円で買ったものとして処理し、たとえばこの製品を200円で売ったら、80円の利益がでる。でもこのうちの30円部分というのは、グループ全体でみると、2重に課税されることになりそれはおかしい。そこで、移転価格税制においては、当事者の属する国同士も交渉して、片方の国で増額された税金部分は、他方の国で還付してもらいましょうということが可能です。

 京セラに関しては、2005年大阪国税局に追徴税額127億円納付したのですが、これに関して、相互協議の結果、約24億円還付されるようです。還付されるのは、リリースを呼んでいないから詳しくわからないのですが、アメリカの方でしょう。

 なお、京セラは、以前にもこの移転価格に関して、日本のお上に異議を申し立てていて43億円の還付を勝ち取っていますが、こちらは、相互協議をせずに国内のみのやり取りの結果、還付されたものだったはずです。

 合計 67億円還付 追徴税額のうちの半分くらいが還付されるから、なかなかたいしたものではないでしょうか♪

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2007年12月12日 (水)

外国投資信託の課税関係の疑問

今朝は、非常にマニアックな疑問。ほんとうにこのように整理していいのかなということです。

外国投資信託というのがあります。これは、「投資信託が外国において外国の法令に基づいて設定された信託で、投資信託に類するもの」です。 たとえば、ケイマンで作った投資信託。たとえ、その投資信託が日本の不動産に投資しても、投資家が全部日本人であったとしても外国投資信託でしょう。

ケイマンの外国投資信託が日本の不動産に投資して利益を稼いで、投資家が日本人である信託大好きおばちゃんの場合の課税関係はどうなるのだろう。この投資信託が公募されているようなものであるなら、信託大好きおばちゃんが利益を受けた時点で、その利益に税金がかかると思う。これは、すぐわかる。

でも、もし、この投資信託がヘッジファンドのような特別のお金持ちのための私募ファンドの場合はどうなのだろう。もし、利益を分配した時点での課税だとすると、あえて、利益を分配しないときめちゃうと、どんどん利益が投資信託にたまっていき、日本のお上は日本の不動産から利益を得ているのに税金をとれない。日本のお上は決してあほではない。こんなことをお見通しで、ケイマンのような税金がかからない又は、低率の税金しか所得にかからない国の投資信託に日本人が投資した場合で、一定の条件に該当したときは、その投資信託の利益は、たとえ、投資家にお金が分配されなくても税金がかかるというシステムを作っています。

だから、ヘッジファンドが日本の不動産に投資して大儲けをした場合は、その利益が信託大好きおばちゃんに分配されなくても、信託大好きおばちゃんは、その利益を合算して確定申告をして税金を納めないといけない。

ところで、平成19年の税制改正で、信託の税制は大幅に税制改正されました。信託のタイプをいくつかにわけて、そのうちに集団投資信託と法人課税信託というものがあります。

集団投資信託というのは、信託から生じた利益は分配時点で投資家に課税されるもの、法人課税信託は、信託段階で信託から生じた利益に受託者に法人税が課税されるというもの。法人課税信託にはいくつかのタイプがあるけれども、投資信託はいったん法人課税信託とされて、そのうち例外的なものが集団投資信託に入ってくるという形をとっている。

外国投資信託というのは、条文の構成でいうと集団投資信託に入っています。ということは、公募投資信託であっても私募投資信託であっても、たとえ、投資信託が日本の不動産に投資しても、投資信託段階では課税せず、タックスヘイブン税制にかかるような場合だけ日本で課税されるという理解でいいのでしょうか。

外国投資信託が法人課税信託になるということはないのでしょうか。外国投資信託と集団投資信託と法人課税信託とタックスヘイブン税制の関係がいまいちわからない今日このごろです。

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2007年12月11日 (火)

REITの海外不動産組入れ

やっぱり、今日は、REITに海外不動産を組入れることが解禁になるという話でしょうね。

現行のREITというのは、海外不動産を組入れることができないのですが、元気のないREITのカンフル剤の一つとして、どうやら、来年4月をめどに海外不動産の組入れも可能となるようです。

魅力的な国内不動産が枯渇しつつあるので、ここで新しい血を入れることは、マーケットの活性化のためにも非常に魅力的ですね。適正な不動産の価格を担保するしくみがきっちりワークすれば、それなりにうまくいくと思うのです。不動産鑑定士の方の責任は重くなって、大変でしょうけど。

このREITが海外不動産を投資することになった場合の課税上の取扱いが実は非常に面白いのです。REITというのは、ご存知のように、一定の要件を満たした場合は、配当が税務上の費用(損金)となります。損金となった分だけ税金は減ります。

そして、このREITに関してですが、実は、REITが直接、外国で払った法人税は外国税額控除ができるのです。この外国税額控除のしくみというのは、複雑ですが、簡単にいうと、REITが、直接、支払った外国法人税額は、控除限度額内で、控除をすることができます。そして、外国税額控除の面白いところは、控除限度額内であれば、日本で支払った法人税よりも外国の法人税の方が多い場合は、超過部分は、日本で還付されるのです。

REITにあてはめると、もし100の所得が発生して、全部配当した場合は、法人税は0となります。ところが、このREITは外国で法人税を20支払い、外国税額控除の法人税の控除限度額が30の場合は、20部分は、還付の対象となります。控除限度額は、配当を損金に算入する前の所得、つまり、このケースの場合は100をベースに計算することになるからこのような現象が生じます。

 同様の事例で、外国税額控除の控除限度額が5の場合は、その事業年度に還付できるのは、外国法人税20のうち5であり、超過部分15は、翌期以後、3年間繰り越され、3年以内に控除余裕額がある場合は、控除できることになります。

 REIT自体はビークルであり、いずれこの還付部分も投資家に分配され、投資家段階で課税されることと思いますので、ぜひ、このシステムは維持ししていただきたいものです♪

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2007年12月10日 (月)

不動産投資インデックスと不動産デリバティブ

 アルファーブロガーアワードには見事になれませんでしたあ。

でも、先日、その発表日に本物の葉玉さんや貞子さんKimutaxさん、Fredyさんにお会いできてこと+抽選でRollyGetしてしまったことから考えると、名よりも実をしっかり取ってしまったような気がします。今後、このように人生も進行していくという暗示であるならば、それはそれとして良きことかな♪

さて、今日のネタを探そうとしていたら不動産証券化協会HPで、J-REIT 市場の変遷と展望に関する報告書-J-REIT 誕生からの5 年間のデータを活用した分析・検討-」を見つけ、不動産投資インデックスのところだけ読んでみました。

不動産投資インデックスとは、実物不動産の投資収益を示す指標であり、たとえば、今後、ある不動産に投資するかどうかという意思決定や、すでに購入した不動産が、予想通り、予想以上に儲かっていたのか、そうじゃなかったのかを判断する材料として使えるものです。

 指標としてインカム収益率、キャピタル収益率、総合収益率があります。

 不動産証券化協会が公表しているJ-REIT PROPERTY  INDEXによると、

インカム収益率(Office)は、 2002年1月が 6.2%、 20066月が5.3

キャピタル収益率(Office)は、20021月が△1.2%    20066月が11.3

総合収益率(Office)は    20021月が 5.0%    20066月が16.6%

となります。かなり5年間で土地の価格が上昇したんだなあと思います。

 インデックスは証券でもあるのですが、証券の場合、市場でいっぱい取引されているから、その取引価格を引っ張ってこれるのですが、実物不動産はそんなに取引がないので、取引価格に代えて不動産鑑定評価額を使っているようです。

 まだまだ日本の不動産投資インデックスは発展途上だそうですが、論文で期待されている役割をいくつか示していらっしゃいます。

その中で、これは不動産投資インデックスとして必要性があるなと思ったのが、不動産の将来の値下がりをヘッジするために不動産デリバティブを組成するニーズがあるので、その組成のために、この不動産投資インデックスを使えないかということです。

上記論文、84ページを引用させていただくと次のとおりです。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

不動産投資インデックスの将来の想定される実現値及びその他想定さえる諸条件のそれぞれに応じて予めペイオフを定めていく金融商品、即ち、不動産デリバティブの組成が考えられる。不動産デリバティブの取引を通じて、例えば、不動産の価格変動リスクをヘッジすることが可能となる。不動産のリスクが顕在化している現状を踏まえれば、不動産の価格変動リスクをヘッジするニーズは高まっているといえ、不動産デリバティブによって、不動産のリスクが望ましい形で分配されることが期待される。

そういえば、不動産デリバティブって見たことがないですしね。ただ、よくわからないから書くのですが、金利や為替と異なり、あまりにも不動産って個別性が強いから、ほんとうにヘッジできるようなデリバティブ商品の組成って可能なのでしょうか♪

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2007年12月 7日 (金)

第一生命の株式会社化

 今朝は、ちょっと遅れてしまいました。日経の第一面に第一生命の上場の記事が載っています。第一生命のHPを読むと、まだ決まってないよっとのことですが、

記事によると、上場するのは、資金調達やM&Aがフレキシブルに行えるので、人口減による国内市場における収入の減をカバーし、他の金融機関との競争に勝てるという読みがあるからだと思われます。

上場すると利害関係者がわーっと増えるので、適切なディスクロージャーを行わなければなりません。また、生保会社は、通常、相互会社であるので、会社の最高意思決定機関は、保険契約者の代表(総代)による総代会です。でも、総代を選ぶのは、通常、生保会社自身なのでお手盛りの決議が簡単にできそうですが、株式会社になると株主総会が最高意思決定機関となるのでそうもいかない。敵対的買収者が現れる可能性もあります。

生保の財務諸表ってどんなのかなと調べてみました。特徴として、貸借対照表においては、責任準備金がある。損益計算書は、経常利益はあるけど、営業利益というものがないようです。

この責任準備金というのは、保険会社が保険金の支払いに当てるために、保険料収入や運用益収入の一部を積み立てているものです。これは、保険業法第116条の規定に基づく準備金だそうです。基本的には、準備金として繰り入れた費用は税務上の損金となりますが、そうならない部分もあります。第一生命の場合、 2007年3月期の責任準備金の残高は、7,598,685M円ですが、税効果会計の繰延税金資産のうち、責任準備金相当額として、368,515M円ありますしね。

次に、第一生命が、もし、株式化された場合、保険契約者には、寄与度に応じて株式をもらえるそうです。この寄与度というのは、保険料をいっぱい払っている人には、生命保険会社に対する寄与が大きいからいっぱい株式ももらえることになるということだそうですが、個人年金保険のように予定利回りが高くて逆ザヤの保険契約者は、寄与が少ないから当然、株式はいっぱいもらえないことになるのでしょうね。

気になるのが、税金の話です。保険契約者が組織変更時に株式をもらった場合、この時点で課税されるのでしょうか。それとも、株を売却した時点まで繰り延べられるのでしょうか。

以前、大同生命保険が株式会社化されたときの処理が参考になると思います。つまり、組織変更して株式をもらって時点で課税される。契約者が個人の場合は、どうやら、一時所得になるようです。

ご参照

割当てを受けた株式に係る経済的利益の課税関係

・社員が受ける株式割当てに係る経済的利益は、株式会社化に伴って偶然に実現する一時の所得であり、労務その他の役務又は資産の譲渡の対価の性質を有しないものであることから、組織変更時に、個人については一時所得の収入金額、法人については益金の額に算入される。

・この場合、大同生命は組織変更と同時に株式を上場し、ブックビルディング方式により売出価格を決定することとしており、当該売出価格は適正な時価を反映していると考えられることから、割り当てられた株式は、売出価格により評価することとなる。

       ただし、組織変更と同時に強制売却される端株については、社員が端株に関する権利を行使できないことから、実際に社員に交付される金銭の額により評価する。

http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/010711/03.htm

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2007年12月 6日 (木)

TMKとSPT

今日は、スーパーマイナーなお話

TMK(特定目的会社)とSPT(特定目的信託)はどう違うの?

TMKSPTも資産の流動化に関する法律に基づいて作られた資産を稼がせてるために存在する事業体です。

TMKは特定目的会社といわれるように法人の一種であり、SPTは信託です。

資産の流動化に関する法律は、バブルのあとの暗黒の10年における不良債権処理や、企業の贅肉のような資産を譲渡してお金を受け取り借入金を返済すること等のニーズが強かったために作られた法律です。

この法律によりTMKSPTが作られ、企業の持っていた資産がこれらの事業体に譲渡される。そして購入資金は投資家から集めてくる。そして、資産を働かせ、稼がせ、利益がでたら投資家に分配するしくみです。

投資家からの資金の調達方法はTMKの場合は優先出資証券(配当は特定出資に優先して払われるが議決権はない)を発行したり、社債を発行したりして調達します。

SPTの場合は、受益権を発行したりして資金を調達します。

SPTTMKの特徴は、一定の要件を満たす場合は出資者や受益者に支払われた配当が損金となることです。

TMKはそれなりに実績がありますが、実はSPTは1件くらいしか事例がないようです。

これは、他の信託が受託者段階で課税しないことや受託者責任が過重されていること等、ようするに使い勝手が悪いからだと思われます。

なお、両者の収益分配金に対する消費税法上の取り扱いですが、TMKからの配当は不課税とされ、SPTからの配当は非課税とされるというような点が異なります。

消費税法基本通達

5-2-8              剰余金の配当等

剰余金の配当若しくは利益の配当又は剰余金の分配(出資に係るものに限る。以下528において同じ。)は、株主又は出資者たる地位に基づき、出資に対する配当又は分配として受けるものであるから、資産の譲渡等の対価に該当しないことに留意する。

6-3-1       金融取引及び保険料を対価とする役務の提供等

法別表第一第3号《利子を対価とする貸付金等》の規定においては、おおねむ次のものを対価とする資産の貸付け又は役務の提供が非課税となるのであるから留意する。

(5) 法法第2条第29号《定義》に規定する集団投資信託、同条第29号の2に規定する法人課税信託又は同法第12条第4項第1号《信託財産に属する資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用の帰属》に規定する退職年金信託若しくは同項第2号に規定する特定公益信託等の収益の分配金

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2007年12月 5日 (水)

公益法人制度改革と税制改正

今朝の日経は、信託大好きおばちゃんネタにからんだグローバルな話題が載ってます。たとえば、金融面には『「中印会計基準も容認を」プロ向け証券市場経産省が提言』これは、11月に書いたエントリー「  インド株をJDRとして、日本で買えるか?」で書いたネタにからんでるし、先週、「イスラム金融の仕組み」を書いたら、経済教室面のゼミナールは「イスラム金融の基礎」を連載しているし、

で、今朝は一面トップに「社団・財団法人改革、税制で促進 営利事業の課税強化 政府与党「公益」は非課税拡大」となってます。

現行税制では、会社以外の組織体である人格のない社団やNPO法人、財団法人、社団法人は、33事業として定めた収益事業を営んでいる場合は、その事業から生ずる所得については税金をかけましょうというシステムになってます。その組織体が何のためにお金を使うのかが問題ではなく、そのお金がどこから生じているかという観点から税金をかけるシステムで、税金を取る側からすればわかりやすいものです。戦後このシステムはずーっと続いてきたのですが、今般、公益法人改革が行われることになりその見直しを行うことになるようです。

記事を読みながらどうなるかを書くと、公益法人改革により、これまでの社団・財団法人は公益社団・財団法人と一般社団・財団法人に分かれます。

課税方法は、この2つのタイプで分けるのではなく、一般社団・財団法人を非営利か営利かにわけます。営利法人というのは、その法人の出資者がその法人から生じた利益や残余財産の分配を受けるようなものだと思います。株式会社をイメージすればいいと思います。非営利法人というのは、出資者が配当や残余財産の分配を受けない法人です。記事によると、非営利法人かどうかを、たとえば、残余財産が国に帰属すると定款に定めているかどうかで判断するようです。

非営利法人と判定された一般社団・財団法人は、従来と同じように、33事業から生ずる所得に法人税がかかるけど、この税率が22%から30%に増えるようですね。そして非営利とされない一般社団・財団法人は、普通の会社と同じ法人税のシステムで税金がかかる。

第三者機関のお墨付きをもらって公益社団・財団法人されたものは、33事業を営んでいても一部非課税で税率は調整中だそうです。

今ある社団・財団っていろんなものがあると思います。学校法人や社会福祉法人系はたぶん、公益法人グループに入るのでしょうね。それでは、宗教法人はどうなるのでしょう?大規模宗教法人からプチお寺まである。

また、この改革は、あくまでも社団法人・財団法人であるから、人格のない社団やらNPO法人がどうなるかはわからないですね。

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2007年12月 4日 (火)

CREは賃貸ビルを建てることだけじゃない!

 アルファーブロガー・アワードの投票期間が終わりました。投票や応援どうもありがとうございました。結果は今週の金曜日にわかるようです。ノミネートしていただいただけでも幸せです。

さて、昨日、鳴り物いりでやっていた不動産ファイナンスフェアを見物しに東京国際フォーラムへ出かけました。いやーすごーい人だかりでしたねえ。そんなに不動産に興味あるのかなあ。REITの勢いにかげりが見え始めているようでもあるのに。

セミナーをいくつかやっていて事前登録制でしたが、人気がめちゃめちゃあったみたいで抽選でした。信託大好きおばちゃんは、日本土地建物CREコンサルティング部の石川聡氏による「企業におけるCRE戦略の実態と今後の展望」を拝聴いたしました。

CREとはCorporate Real Estate の略であり、直訳すると企業不動産ということです。CREというと、会社が持っている遊休地にビルを建てて賃貸するようなことかなと思われるかもしれませんが、そういう単純なものではありません。

その企業にとって、事業とは何ですか? 事業とは利益を生み出し続ける活動であり、その活動を発展させることが企業の価値を高めることですよね。そういう企業価値を高めるためには経営資源を有効に活用しないといけません。経営資源には何がありますか? 人、物、金、情報は、当然ですが、その中の物のうち数字的に大きなシェアを占めているのは不動産です。この不動産を企業価値を高めるためにどのように利用すればいいのですかということを考え、実践することがCRE戦略のようです。

だから、遊休地を切り出して賃貸ビルを建てればいいというものではありません。まず、企業が持っている不動産をすべて洗い出しして、権利関係がどうなっているのか、どのように利用されているか、評価がいくらなのかなどをはじき出します。

また、減損会計じゃないですが、その不動産の使用価値がどのくらいなのか、市場価値がいくらなのかを計算します。

そして、企業としてこれからどのような事業を展開していきたいのかという戦略ものとで、それぞれの不動産をどうすればいいのかということを考えます。

例として、東芝が銀座のビルを売却し、その資金を東芝の戦略部門の事業資金の一部に充てたことをお話していらっしゃいました。東芝という会社は、不動産の管理会社ではなく、日本を代表するメーカーであり、今後は、総花的ではなく、選択と集中で強い部門に経営資源を投入する。そのためにお金が必要である。銀座に不動産を持っているが、自分たちは不動産のプロではないので、この不動産をより有効に活用することはできない。それならば、この不動産を保有し続けて利益を稼ぐより、売却して資金を戦略部門に当てた方が有効だという意思決定があるからだとおっしゃっていたような気がします。

どう有効にすればいいのかというツールとして、証券化があり、売買があり、賃貸がありということですが、最初に証券化があるのではなく、最初にあなたの会社にとって何が事業ですか?が大事であるということを何度も繰り返されていらっしゃいました。非常にわかりやすいお話でした。

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2007年12月 2日 (日)

梅田望夫さんの「ウェブ時代をゆく」

今日は、アルファブロガーアワードの投票の最終日♪ 

梅田望夫さんに関しては、以前「ウェブ進化論」に関して書評というか感想文をエントリーさせていただいたことがあります。インターネットの発展に関して、深く考察し、わかりやすく表現していらっしゃるなあって思っていましたが、今回も同じ印象を持ちます。

ウェブの進化によって、私たちは、無償で有益な情報を即座に手に入れることが可能となりました。その結果、ある分野を極めたいと思ったら、その人がどこに住んでいようと、エリートを輩出する学校や大企業にいなくても、高速道路を疾走するように知識を吸収し自分のものにできます。でも、高速道路を走るのは一人だけじゃない。この分野はおいしいぞという情報もネットを通じてわーっと広がるから、われもわれもと多くの人が高速道路をかっ飛ばすことになります。でも、高速道路もいつかは終点になり料金所あたりで大渋滞になってしまう。

実は、この大渋滞の先をどういきるかということが大事であり、そこで成功パターンとして2つあると梅田さんはお書きになっていらっしゃいます。

一つは、「高く険しい道」を目指すパターンです。ある分野のオーソリティをめざす。たとえば、将棋の世界だったら名人をめざす。これは、将棋の世界で生きるならば王道だけど、努力をすれば誰でもなれるというものでもない。

もう一つは高速道路を降りて「けもの道」を歩くパターンです。高速道路を降りて歩くとなると、負け組み!というようなレッテルが貼られそうですが、実はそうではない。高速道路を走りきることによって得た専門知識を応用させて、自分独自のパーソナリティのある仕事を創り出し、競争力のある人間として十分食べていけるようになりましょうということのようです。将棋の世界なら、名人になるという道ではなく、将棋の普及や指導、本の執筆、将棋ソフトの開発、将棋の海外普及等であり、将棋と将棋以外の異質なものを組み合わせるさまざまな営みにおける「人間の総合力」がためされるのが「けもの道」だそうです。

この「けもの道」は、誰でも選択でき、生き抜くためには、自信とちょっとの勇気と対人能力と「一人で生きるコツ」のようなもので、それは「知の高速道路」を疾走できる人なら、少しの努力で身につけることができるそうです。

さて、信託おばちゃんはどうだろう。なぜ、信託に注目したの?と信託の世界の匠の人たちから、しばしば、質問を受けます。

信託大好きおばちゃんは、3年くらい前に、ある方からこれからは信託だと教えていただいて、とりあえず翌日から毎日、ちょっとずつ勉強をし始めた信託の世界のど素人であり、かつ、当時は、大阪という地方都市に住んでいました。

信託を調べると、今でも巨大なマーケットがあり、これが拡大されるだろう。そして、このマーケットにはプロがいっぱいいるけど、信託の税のプロはあんまりいないようだし、大きな改正があるから今から勉強を始めたら、情熱と持続力だけでプロとしてやっていけるかもしれない。そう、思い込んだのです。

大阪は都会ですが、信託というか文科系の先端分野に関しては、人も情報もなかった。でも信託大好きおばちゃんの前にインターネットがあり、そこから情報を吸収し、誰も走ってない高速道路を疾走ではなく、競歩で進んできたと思います。そして、縁に引き寄せられ東京にやってきて、信託周りの人たちともリアルでお付き合いできるようになりました。

さて、今の信託大好きおばちゃんの立ち位置は、振り向けばあんまり車の走っていない高速道路の料金所をでたところで、2つの方向のどっちに行こうかとふと思っているところです。いずれにせよも、未開の大地が広がっています。ひたすら、考えながら、情報を発信しながら、この後も道を競歩で進んで生きたいと思っております♪

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