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2007年12月25日 (火)

不動産を組み込んだ金融商品 どれが使えるか? 税務の視点から

 今日はクリスマス♪ 朝から「モンブラン」(栗の入ったケーキ)を食ってました。イチゴケーキじゃないところが渋い。

さて、不動産を組み込んだ金融商品の品評を税務の視点から軽く書きます。

REIT これは投資法人をベースに組成していて、投資法人自体を上場させることにより流通性が非常にパワーアップされている。

税務上のメリットとして、一定の要件を満たす場合は配当が損金となる。代表的なこの要件は、

配当可能所得(税務上の利益)の90%超を配当にまわすこと。

国内で1億円以上公募するか、期末に50人以上の株主が持ってるか

同族会社であること。この同族会社というのは、現行法では株主の3人以下が過半数の株を持っていることなどが要件だが、今年になって、ほんとうに3人の株主が過半数持っているREITが現れ、法人課税されそう。そこで、平成20年度の税制改正で1人の株主が過半数もっていたら法人課税だぞとするみたい。

TMK これは流動化法をベースにしてつくった資産を入れて、お金を稼がせるための器のような会社

税務上のメリットとして、一定の要件を満たす場合は配当が損金となる。代表的なこの要件は、

配当可能所得(税務上の利益)の90%超を配当にまわすこと。

国内公募で 1億円以上の社債を公募するか、適格機関投資家だけが引き受けるか 社債発行の場合は同族会社要件はない。

国内公募で50人以上の者がTMKの優先出資を引き受けるか、適格機関投資家だけが引き受けるか。こっちの場合は同族会社要件があるけど、この同族会社要件というのがちょっと変わっていて、3人以下の株主が過半数の株を持っているか、議決権を持っている優先出資社員(通常優先出資社員は議決権を持っていない)が一定の議決権を過半数持っているか。

公募投資信託

以前なやんでいたけど、不動産信託受益権は金融商品取引法上みなし有価証券だけど、この不動産信託受益権を組み込んだ証券投資信託は組成できない(投信法2④)。でも、投資信託として組成することができる。

この不動産信託受益権を組み込んだ投資信託を国内で公募発行する。

税務上のメリットとしては、投資信託で生じた所得には、投資信託段階で課税されず、投資家が受け取った時点で投資家に課税される。しかも、稼ぎをほとんど分配しないといけないというような厳しいルールもない。

適格機関投資家向け私募投資信託

これは、国内で募集して適格機関投資家だけに受益権を引き受けてもらうようなもの。分配可能所得の90% 超を配当したら、こちらも配当が損金としてもらえる。

上記以外の私募投資信託

これは、投資信託から生ずる所得について法人税課税されるから、分配利益は4割カット。

特定受益証券発行信託

これは、信託法の改正で登場した、普通の信託で、受益権が有価証券化されているもの。税務上のメリットは、一定の要件を満たす場合は、信託段階で課税せず、投資家が配当を受け取った時点で課税する。

この要件というのはいくつかあるのだけど、投資家に分配されていない利益が元本総額の2.5%以下であること。この2.5%の計算のベースになるのは、税務上の数値ではなく会計上の数値であることが大きい

受託者が信託銀行等か資本金5,000万円以上の法人であること

この法人が有価証券報告書を提出しているか、会社計算書類を作って、見せろといわれればいつでも出せるようなものかなどなど

受益者等課税信託

これは、いわゆる本家信託のようなもの。信託から生ずる所得はダイレクトに発生時点で受益者のものとなる。ただ、多数の受益者を前提にした計算システムが確立されていないので金融商品として直接使うのは問題が大きすぎる。

配当が損金となるビークルの問題点

この配当が損金となるためには、配当可能所得の9割超を配当しないといけない。でも、これって税務上の数値です。たとえば不動産の減損を会計上計上しても、税務上は損とならない。そうすると、配当は会計上、法律上はあんまり出せないけど、税務上は利益があるのに配当を出していないとなるから配当損金の要件を満たせなくなる。

また、当初、申告をして配当も支払ったあとで、税務調査があり、費用を否認されてしまうこともある。そして、所得を修正したら9割超を配当に回していなかったこととなり要件を満たさないから配当部分法人課税となることもある。でも、この時点で税金に相当するお金はREITに残っていない。なぜなら、投資家に払ったあとだから。こんな怖いリスクもある。

だったらどの手法が使えるか?

やっぱり、一は公募投資信託、二は特定受益証券発行信託、次にREITTMKや適格機関投資家向けの私募信託なんでしょうね。

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