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2007年12月21日 (金)

外国投資信託の課税関係の疑問  お返事

 結構、マニアックなエントリーですが、こういうマニアックなエントリーを書くと、必ずプロ関係の人からコメントをいただきます。今日は2,000字くらいあります。

CTA小林さん:調べていた点とは、外国未上場不動産投資信託は法人課税信託のようだけど本当いかな?ということです。

自分の理解では、

不動産投資信託の場合、「国内公募」の要件に該当する場合に限り「集団投資信託(その他の投資信託)」に分類されるものと思います(その投資信託が上場している場合を除きます)。

「国内公募」の要件を満たしていないので法人課税信託となり、国内財産を有する外国法人はその国内財産から生ずる所得は国内源泉所得を構成すると。

なるほど。法人課税信託である謎が解けました!

下記のコメント、少し不安な点が。

外国投資信託の場合は無条件で集団投資信託に該当してしまうのかも。

信託大好きおばちゃん

ぱっと書いてみて、専門用語が乱発しているのでちょっとだけ翻訳を追加

集団投資信託とは、信託財産から生ずる利益については、投資家が受け取った時点で投資家に課税するもの

法人課税信託とは、信託財産から生ずる利益について、受託者に課税され、課税済み所得が投資家に分配されるもの もちろん、投資家段階でも課税の対象となります。

つまり、集団投資信託の方が法人課税信託より税金分利回りが大きいから、集団投資信託にしようとプロの人たちは頭をひねるのです。

投資信託のところの条文がどうなっているかを見ていく必要がありますね。

まず、法人課税信託の場合 (法法2二十九の二)

ニ 投資信託及び投資法人に関する法律第2条第3項に規定する投資信託

この投資信託及び投資法人に関する法律第2条第3項とは?

 この法律において「投資信託」とは、委託者指図型投資信託及び委託者非指図型投資信託をいう。

 法人課税信託になるのは、あくまでも日本の投信法で定めた投資信託だよと

次に集団投資信託のところの条文は、

法法2二十九

ロ 投資信託及び投資法人に関する法律第2条第3項に規定する投資信託(次に掲げるものに限る。)及び外国投資信託

(1) 投資信託及び投資法人に関する法律第2条第4項に規定する証券投資信託

(2)       その受託者(投資信託及び投資法人に関する法律第2条第1項に規定する委託者指図型投資信託にあつては、委託者)による受益権の募集が、同条第8項に規定する公募により行われ、かつ、主として国内において行われるものとして政令で定めるもの

つまり、集団投資信託に該当するものは、日本の投信法で作られた証券投資信託と、日本で公募した日本の投信法による投資信託とそれから外国投資信託となる。

国内公募うんぬんは、あくまで日本の投信法で作られた投資信託のうちとなる。

そうすると、外国未上場不動産投資信託というのは、外国投資信託となる可能性があるのです。でもね。外国投資信託というのが何であるかはっきりわからないのだ!

また、実務的には、ケイマンに作った投資信託が日本の不動産に投資しているようなものもいくつかあるのですが、実際には、直接不動産を購入していません。

どんなスキームかというと

ケイマンに法人を作って資金調達手段として利益参加型社債を発行する。このケイマンの法人にケイマンの投資信託が出資する。ケイマンの法人がTK(匿名組合)の出資者となり日本の営業者(これが不動産を直接投資)に投資する。そして匿名組合の分配金をケイマンの法人が受け取り、利益連動債としてその利益を投資信託に分配する。投資信託はその利益を投資家に分配するというようなスキームにしています。

なぜ、こんなおおげさなスキームをしているかというと、もし、投資信託が直接投資して、外国投資信託であることを否認されたら法人課税信託として課税されるリスクがあるからではないかなと思っています。

今般、信託法が改正されて受益証券発行信託というものが可能となりました。この受益証券発行信託と投資信託というのはどの点が異なるのか、外国で発行されたものに関しては判然としません 受益証券発行信託の場合は、原則法人課税信託で、例外として集団投資信託となる。おそらく、外国投資信託は原則としては、受益証券発行信託に類するものとして取り扱い、例外的に外国投資信託にさせるような気もするものです。そう思う理由が下記の通達

法基通12の6-1-1(受益権を表示する証券を発行する旨の定めのある信託の範囲)

 法第2条第29号の2イ((法人課税信託))に規定する受益権を表示する証券を発行する旨の定めのある信託には、信託法第185条第3項((受益証券の発行に関する信託行為の定め))に規定する受益証券発行信託のほか、例えば、外国法を準拠法とする信託で受益権を表示する証券を発行する旨の定めのあるものが含まれることに留意する。

 ちなみに、外国で発行した受益証券発行信託に類するものは、どんなにがんばっても特定受益証券発行信託にはなれないのです。そういう条文のつくりになっているから。

 法法2二十九

ハ 特定受益証券発行信託(信託法(平成18年法律第108号)第185条第3項(受益証券の発行に関する信託行為の定め)に規定する受益証券発行信託のうち、次に掲げる要件のすべてに該当するもの(イに掲げる信託及び次号ハに掲げる信託を除く。)をいう。)

というわうけで、 あとは、自己責任でお考えください。

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コメント

NHK TVドラマ「ハゲタカ」の再放送が2話ずつ、この3連休、16時から2時間、再々放送されているのが(アクセス解析をして)今、分かった。(ご参考に)以下、ハゲタカ に関する過去記事を貼っておきます。「ハゲタカを読んで」「ハゲタカの再放送」

投稿: fredy | 2007年12月25日 (火) 07時25分

お返事いただきありがとうございます。

条文を読む限り、やはり外国投資信託は集団投資信託として扱うようですね(あとは事実認定の問題と)。

投稿: CTA小林 | 2007年12月21日 (金) 20時43分

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