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2008年1月22日 (火)

事業信託と会社分割・経営委任との相違点

商事法務No1821において弁護士の武井一浩氏、上野元氏、ならびに有吉尚哉氏が「事業信託と会社分割・経営委任との相違点」をお書きになっていらっしゃいます。

簡単にさわりをご紹介すると

「株式会社」形態には、権利義務の帰属者として法主体性、組織としての長期安定性、経済社会での認知などなどのメリットがある。

他方、事業信託は①契約自治に基づくガバナンスや収益分配等における柔軟性 ②信託法に基づいて明確化されている受託者責任 ③各種倒産隔離効果 ④信託受益権への法的転換などのメリットがある。

会社分割と事業信託の異なる点は、会社分割なら出て行った事業は帰ってこないけど、事業信託は期限つきだから、いつか戻ってくる。だからレンタル移籍に適した事業(たとえばチェーン展開をしている事業など)に向いている。

また、事業信託の場合は、契約により受益者に対して利益を与えるけど義務もあるよと決めることできる。株式会社の場合は、別に株主合意書などを作ならないといけない。

ただ、会社分割と比較すると、事業信託は、対象となる財産についての対抗要件の具備、債務引受の手続きが大変

事業信託と経営委任の異なる点は、経営委任の場合は、事業の全部を委任する場合だけ総会決議が必要 事業信託の場合は、事業譲渡と同様だから重要な一部の譲渡でも必要。また、委任の場合は、資産の譲渡や債務引受の面倒な手続きもいらない。でも、委任と比較して、事業信託の方が受託者の責任は重いし、受任者が倒産した場合のリスクを考えると、事業信託の場合、受託者からの倒産隔離がはかられることから、事業信託の方が経営委任より投資家にやさしい。

また、事業信託の発展のためには、受託者が一生懸命やったのに、うまくいかなかったような場合、結果責任を問われるのかどうかが明確ではなく、これが困った問題だよということもお書きです。

というわけで、非常にコンパクトにまとめられた原稿です。

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