« 2008年1月 | トップページ | 2008年3月 »

2008年2月29日 (金)

民事信託の事例

200712月の「KINZAIファイナンシャル・プラン」において、世田谷信用金庫の澁井和夫氏が民事信託の事例を紹介していらっしゃいます。

この事例は、介護施設に入居されるお母様(A氏)が有する不動産等を長男さん(B氏)を受託者として、信託を設定するものです。信託の目的は、A氏の生活や介護のために必要な資金の運用・処分です。

受益者はA氏であり、A氏の死亡により信託が終了し、相続人が財産を相続されます。B氏を受託者として信託をするので、当然、不動産の名義はB氏に移ります。

A氏は介護施設に入所されるのですが、その入所一時金は、信託財産を担保にお金を捻出し、弁済は、信託財産を処分して行われるようなものであり、いわゆるひとつのリバース・モゲージのようなものです。

この信託契約は平成191011日に締結され、信託財産の評価額が約5億円で、信託財産を管理するための口座が世田谷信用金庫に新設されています。

世田谷信用金庫が受託者B氏とアドバイザリー契約を結び、受託者のお仕事のお手伝いをするようです。

| | コメント (0)

2008年2月28日 (木)

金融立国 証券マル優で

 今朝の日経の経済教室は、みずほ総合研究所チーフエコノミスト中島厚志氏の「金融立国証券マル優で」です。

日本は、金融立国をめざしているようですが、その実現のために2つを提言しています。

ひとつは、証券マル優 つまり、一定金額までの配当所得や譲渡所得については、非課税にしましょうということです。

アメリカや英国、フランスでは、個人の株式長期保有に関しては、配当や譲渡所得を非課税にするような制度があり、それが株式市場の活性化に貢献しているようです。一方、日本において、個人の金融資産はあいかわらず預金が主であり、資金の大きな出し手が海外の投資家であることから彼らの思惑にマーケットが振り回されています。だから、この個人の金融資産を株式市場に向かわせ、日本の金融マーケットを大きくさせましょうということでしょう。

ただ、日本の税の方向性は、マル優の方向ではなく、上場株の配当と譲渡損は相殺できますよという方向性に舵をきっています。非課税ではなく、低率(原則20% ただし、一定期間、一定の金額以下の税率は10%)の所得税をかけておしまいというものですね。

だから、この税制の枠組みにマル優をいれこむのは、ちょっと実現可能性に問題ありかなあとも思うのです。

もうひとつは、国際的な金融機関を日本に誘致しましょうということです。たとえば、アジア開発銀行(現在マニラにある)を日本にもってきたらどうか? それも、たとえば、東京でなく大阪だったらどうか? 大阪ときて、ぱっと反応しました。大阪のどこに誘致するのか? 南港か? りんくうタウンか? 金融機関の設置場所は決められるとして、職員1,000人の住む場所はどこに作るのか? 

実は、信託大好きおばちゃんは、スキーフリークでもあり、ニセコ(北海道)に、ときどき出かけます。最近のニセコで驚くのは、外国人がほんとうに多い。ホテルでも、露天風呂でも、ゲレンデでも。リフトの兄ちゃんは英語で説明しているし、ゴンドラの中の広告も外国会社の長距離電話のもの。ゲレンデにあるプレハブの食堂に入ったら、ぶわーっと外国人であふれていて、彼らがおいしそうにお箸を使ってラーメンをすすっている光景は圧巻です。

外国人の誘致がニセコの経済成長に大きく貢献しているのは間違いないのですが、なぜ外国人はあんなにニセコに来るのか。 外国人の多くは、オーストラリアやニュージーランドの人の夏休みや、中国や韓国の人たち(結構、富裕層の方が多いらしい)のバカンスで、彼らにとって、ニセコのスキー場は、広くて雪質がよくて他では味わえない天上界のようなものなんでしょうね。つまり、アジア、オセアニア地域において、他で得られない魅力がニセコにあり、かつ、インフラもそれなりに整備されているからわんさかやってくる。

英語ができないのが金融立国の妨げといいますが、英語ができないとどうしようもない状況になったなら、できるようになると思うのです。しょせん、英語はコミュニケーションのツールですからね。グローバルニセコがそれを証明しています。

もし実現するならば、国際的な金融機関の設置場所は、是非、大阪ですね。財政の厳しい大阪の再生の起爆剤になると思いますから♪

| | コメント (1)

2008年2月27日 (水)

夫婦間で居住用不動産の低額譲受した場合の時価は?

確定申告の季節です♪

パラリーギャルさんとのやりとりをアレンジしてQ&A形式にしましたぁ

Q 私は、今年、結婚して25年目の主婦です。夫名義の居住用不動産(取引価格3,000万円、相続税評価額2,400万円)を100万円(これだけしかへそくりがないから)支払って取得しようと思います。この場合、時価と対価の差額について贈与税の配偶者控除を受けることができますか。

また、贈与税の計算をする場合の居住用不動産の時価は、いくらとなりますか。3,000万円ですか? 2,400万円ですか?

A

       贈与税の配偶者控除について、

贈与税の配偶者控除とは、20年以上結婚している夫婦間で居住用不動産や居住用不動産の購入資金等の贈与があった場合には、基礎控除と別に最大2,000万円を受贈財産の価額から差し引いて贈与税を計算することができる制度です。

       みなし贈与

ある人が、時価よりも低い代金を支払って別の人から財産を手に入れた場合、時価と対価の差額について贈与があったものとして、ある人に贈与税が課税されます。

       みなし贈与と贈与税の配偶者控除

さて、事例のように居住用不動産を時価よりも安い代金を支払って購入した場合、贈与税の配偶者控除の適用を受けることができるのでしょうか。これは、国税庁のHPに回答が載っているのですが、低額譲受益に対して贈与税が課税されるのですが、実質的には居住用不動産の贈与であることから贈与税の配偶者控除が適用できるとされています。

       時価は、いくならなのか

それでは、贈与税の配偶者控除を受ける場合に、居住用不動産の時価を計算して、そこから2,000万円を差し引くのですが、この居住用不動産の時価がいくらなのかという問題があります。

単純な贈与の場合

この場合は、相続税評価額で計算します。ですから、本件の不動産を単純贈与で受け取った場合の時価は2,400万円

低額譲受の場合

それでは、本件のように低額譲受の場合はどうなるのでしょうか。 2,400万円―100万円か 3,000万円―100万円なのか?

個別通達では

実は、平成元年、バブル華やかだったころ、取引価格と相続税評価が倍以上乖離している事例が多くあり、親子間等で、相続税評価額で売買することによる租税回避行為が横行していました。そこで、このような行為を防止するために、不動産を低額譲受をした場合の時価は、相続税評価額ではなく、取引価格だと決めました。

この通達に従うと、本件の場合 3,000万円―100万円をベースにしてここから200万円を引くことになります。

平成19823日東京地裁の判決では

ところが、平成19823日東京地裁の判決で、取引価格よりも低い相続税評価額で譲渡した場合において、取引価格と対価の差額に対する贈与税課税を否定する判決がだされ、確定しました。この事例にひきなおすと、たとえば3,000万円の取引価格の土地を2,400万円で購入しても、差額600万円に贈与税課税しないぞということです。そうすると、時価よりも著しく低いという場合の時価は、3,000万円でなく2,400万円じゃないか。つまり、通達はおかしいのとちゃいますかとも読み取れます。ただし、判決は、通達を否定しませんでした。

       じゃ どう考えればいいのか

そこで、実務で、なやんでしまうのです 低額譲受をした不動産の時価って3,000万円それとも2,400万円? 判決は確定したのですが、通達は、まだ、生きています。だから2,400万円で申告をした場合に、否認されるリスクはあると思います。   

低額譲受で贈与税の配偶者控除は使えるが、時価のリスクがあるから慎重にねと思うのです♪

| | コメント (2)

2008年2月26日 (火)

排出権の税務上の取り扱いはどうなるのだろう?

なんとなく、税務通信のNo3006(平成20年2月25日号)をめくっていたら、「環境省 排出クレジットの税務上の取り扱いについて事前照会準備 20年度税制改正では排出クレジットに係る見直しは行わない方向」という記事がありました。

信託大好きおばちゃんブログで平成19年12月26日に「信託受益権を使った排出権取引の会計処理と税務処理」という記事http://shintaku-obachan.cocolog-nifty.com/shintakudaisuki/2007/12/post_2e2c.html#comments

を書きまして、税務上の取り扱いについては、特に定められていないから、会計とあわせるのかなあなんて、思いつきでと書きました。

税務通信の記事によると、昨年、環境省は国税庁に事前照会を行う準備をしていらっしゃったようですが、関係書類に、排出クレジットにかかる具体的な資金の流れや経理方法などを盛り込んでいなかったため、関係書類を再度提出することとなったそうで、今後もいつ提出するか「未定」だそうです。

ビジネスは動いているんですけどね。

平成20年の税制改正には盛り込まれていませんし、次は平成21年の税制改正ですが、この税制改正の施行は早くとも平成21年4月1日以降。

とりあえず、会計上の処理=税務上の処理でするしかないのですが、もし、会計上の処理とまったく異なる税務上の処理を行わなければならないと決めるなら早めに公表してね

| | コメント (0)

2008年2月25日 (月)

限られた限度での節税(ただしアメリカ)

たまたま、樋口範雄教授の「入門信託と信託法」をぱらっと読んでいたのですが、アメリカでの信託を使った節税の方法が紹介されています。

       ある人が信託をして、収益受益者を妻とし、妻の生存中は安定した生活を営むことができるようにした上で、妻の死後、信託財産(元本)を孫に引き渡すように定めると、相続税を一代分飛ばすことができる。

アメリカの場合は、配偶者が相続により財産を受け取った場合は、たしか全額非課税だからだと思います。

       収益受益者とB1B2B3という人の子供がいて、いくら受益者にわたすかは、その年のB1,B2,B3の収入の状況により、変えることができるようなもの。ある年、B1の収入が例年以上に多く、B2の収入が0の場合、受託者は、B2にたくさん収益をわたし、B1には少なめに収益をわたす。そうすると、所得税の超過累進税率を緩和させる節税が可能。

日本でも可能か?

| | コメント (4)

2008年2月24日 (日)

世界らん展日本大賞2008

 なんか、東京は春一番のような凄い風で大変な休日です。昨日、そんな休日にもかかわらず、世界らん展日本大賞2008を東京ドームに見に行ってまいりました。

 実は、東京ドームに行ったの、今回が生まれて初めてなんです。大阪ドームは、SMAPのコンサートを70を超えた母と一緒に見に行ったことはあるのですけどね。

 この世界らん展というのは、9日間くらい開催していて、毎年、45万人くらいの観客を動員する物凄いイベントなのだそうです。高価で豪華で、庶民にはちょっと手に入らないような「らんが、ぶわーっと いや、百花繚乱しているんです。広い会場の中でね。

 その、「らん」の中の「らん」を選ぶのがこのイベントの目的ですが、 日本大賞、優秀賞、優良賞のらんが、会場の一番いいところに鎮座していらっしゃいます。

 私的には、優良賞のいっぱいお花がついている胡蝶蘭に感動しました。信託大好きおばちゃんは、昨年、初めて、胡蝶蘭を栽培したのですが、初心者なのに環境がよかったせいでしょうか、ひとつの茎から8つくらい花が咲いていましたが、優良賞のらんはそんなもんではない。高貴な白い花々が艶やかに滴ってました。

 世界らん展日本大賞2008は3月2日(日曜日)までです。

追加です。今日、ふっと、家の「らん」の植木を眺めていたら、また、蕾の元のようなものができてました。びっくりしました。ほとんど手をいれていない「らん」ですが、育成者の不精にかかわらず、また、花を咲かせようとしているみたい。春はもうすぐなのかなあ♪

| | コメント (0)

2008年2月22日 (金)

研究開発費と試験研究費の税額控除 (武田薬品・アステラス・トヨタ・本田)

 昨日、研究開発費の今後の会計上の話をチラッと書きましたが、今日は、税務上の話をチラッと書きます。

 税務上は、試験研究費の税額控除という制度があります。平成20年の改正で、枠が大きくなっています。

 

 この試験研究費の税額控除のベースとなる制度は、試験研究費の総額に8%~10%の割合を乗じて導き出した金額をダイレクトに税金から引くことができるものです。ただし、原則として、法人税の20%が限度となってます。

昨日のネタで、国際財務報告基準による研究開発費がどうなっているのかというのを製薬業界、自動車業界で調べたということがあったので、日本の代表的な企業である武田薬品工業・アステラス製薬・トヨタ自動車・本田技研工業ではどうなっているのか調べてみましたぁ。

平成193月期の有価証券報告書の財務諸表の数値を使ってます。法人税は、「法人税、住民税及び事業税」の数値をそのまま 控除率は、(税効果会計関係)の「法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間の差異の内訳」の「試験研究費税額控除」等の数値を引っ張ってます。また、税額控除割合は、10%にしています。

                       (単位M円)

 

武田薬品

アステラス

トヨタ

本田

研究開発費

151,945

144,731

760,732

536,719

 

 

10%

15,195

14,473

76,073

53,672

 

 

法人税

142,583

63,846

474,600

77,564

 

 

20%

28,517

12,769

94,920

15,513

 

 

税引前利益

407,553

141,892

1,555,193

241,382

 

 

控除率

1.8%

7.3%

4.9%

10.0%

 

 

税額控除額

7,336

10,358

76,204

24,138

製薬系と自動車系を比較するのが正しいのかどうかはわかりませんが、研究開発費に属する費用をメー一杯、税額控除の対象ととっているのが、自動車系であり、一部分を税額控除の対象としているのが製薬系ですね。中身をみてみないと、なぜ、そうなのかはわかりませんが、

そして製薬系でも研究開発費では武田薬品の方がアステラスよりも大きいのに、税額控除は少ない。

また、自動車系では、トヨタは、試験研究費の10%の枠の方をめーいっぱい使って税額控除をしているようです。本田の方は、税額控除が法人税の20%を超えていますが、税額控除の判定をするときの法人税は、税額控除(試験研究費だけではない)をする前の数値におきなおして計算するから間違っているのではありません。財務諸表の法人税は、税額控除後ですのでね。ようするに、本田の方は、試験研究費の10%よりも法人税の20% の方が小さいから法人税の20%を限度としているように読めます。

つまり、本田は、トヨタと比較して利益の規模は小さいけれど、研究開発投資は、かなり行っているということですね。

あんまり深く考えずに、さくっと調べただけですが、このようにして調べるといろんなことが見えてきて楽しいですね♪

| | コメント (0)

2008年2月21日 (木)

研究開発費の資産計上と知財戦略

日経の投資財務面で、たぶん3回にわたって、市場知財戦略という連載が掲載されています。

日本の特許件数は、アメリカとトップを争うくらい多いものですが、どうも多くの特許が、死蔵されたままのようです。米国では、知財は、収益に結びつくかという観点で、戦略を組み立て、それに基づいてたぶん特許もとっているようですが、日本では、特許紛争で負けないためにいっぱい特許をとっているというようなネガティブなものが主流のようです。

でも、企業さんは、特許をいっぱいとって、収益に貢献していますと言われます。じゃ、どれだけ、貢献しているの?となると、それが、いまいち外部からはわからない。研究開発費は、発生時点ですべて費用処理となっているので、収益よりも以前に発生し、その費用がどれだけ収益に貢献があったのかわかりません。

日米では、研究開発費は発生時の費用ですが、国際財務報告基準では、研究開発費を研究費と開発費に分けて、研究費は全額費用、開発費は資産にいったん計上するようです。そして、耐用年数がわかる資産は、耐用年数で償却し、耐用年数がわからない資産は償却せず、減損の対象となるようです。

また、実際の企業がどのように処理をしているかを製薬業界と自動車業界にわけてリサーチした結果、製薬業界は、認可されるまでの費用はすべて発生時に処理をしているようであり、自動車業界は、支出した研究開発費の4割から5割を資産計上しているようです。

日本において、まだASBJが研究開発費の論点整理を公表して、意見を求めた段階ですが、近い将来には、研究開発費が一部資産計上の方向に向かうのはお約束のようです。

記事によると、開発費を資産計上して、償却を行うようになると、開発のために要した費用がいくらなのか、収益にどれだけ貢献したかは、いまよりはわかるということです。

そうなると日本の知財戦略も欧米のような稼ぐ特許をいっぱいとれというふうに転換していくことになるでしょうね♪

| | コメント (0)

2008年2月20日 (水)

大島さくら子先生の「シーン別本当に使える実践ビジネス英会話」

 信託大好きおばちゃんは、東京に出てきて、1年半くらい経過しているのですが、この間にいろんな素敵な方々と幸運にも出会うことができました。

その中でも、特にきらきらと光っていている方が、