研究開発費と試験研究費の税額控除 (武田薬品・アステラス・トヨタ・本田)
昨日、研究開発費の今後の会計上の話をチラッと書きましたが、今日は、税務上の話をチラッと書きます。
税務上は、試験研究費の税額控除という制度があります。平成20年の改正で、枠が大きくなっています。
この試験研究費の税額控除のベースとなる制度は、試験研究費の総額に8%~10%の割合を乗じて導き出した金額をダイレクトに税金から引くことができるものです。ただし、原則として、法人税の20%が限度となってます。
昨日のネタで、国際財務報告基準による研究開発費がどうなっているのかというのを製薬業界、自動車業界で調べたということがあったので、日本の代表的な企業である武田薬品工業・アステラス製薬・トヨタ自動車・本田技研工業ではどうなっているのか調べてみましたぁ。
平成19年3月期の有価証券報告書の財務諸表の数値を使ってます。法人税は、「法人税、住民税及び事業税」の数値をそのまま 控除率は、(税効果会計関係)の「法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との間の差異の内訳」の「試験研究費税額控除」等の数値を引っ張ってます。また、税額控除割合は、10%にしています。
(単位M円)
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武田薬品 |
アステラス |
トヨタ |
本田 |
研究開発費 |
151,945 |
144,731 |
760,732 |
536,719 |
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10% |
15,195 |
14,473 |
76,073 |
53,672 |
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法人税 |
142,583 |
63,846 |
474,600 |
77,564 |
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20% |
28,517 |
12,769 |
94,920 |
15,513 |
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税引前利益 |
407,553 |
141,892 |
1,555,193 |
241,382 |
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控除率 |
1.8% |
7.3% |
4.9% |
10.0% |
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税額控除額 |
7,336 |
10,358 |
76,204 |
24,138 |
製薬系と自動車系を比較するのが正しいのかどうかはわかりませんが、研究開発費に属する費用をメー一杯、税額控除の対象ととっているのが、自動車系であり、一部分を税額控除の対象としているのが製薬系ですね。中身をみてみないと、なぜ、そうなのかはわかりませんが、
そして製薬系でも研究開発費では武田薬品の方がアステラスよりも大きいのに、税額控除は少ない。
また、自動車系では、トヨタは、試験研究費の10%の枠の方をめーいっぱい使って税額控除をしているようです。本田の方は、税額控除が法人税の20%を超えていますが、税額控除の判定をするときの法人税は、税額控除(試験研究費だけではない)をする前の数値におきなおして計算するから間違っているのではありません。財務諸表の法人税は、税額控除後ですのでね。ようするに、本田の方は、試験研究費の10%よりも法人税の20% の方が小さいから法人税の20%を限度としているように読めます。
つまり、本田は、トヨタと比較して利益の規模は小さいけれど、研究開発投資は、かなり行っているということですね。
あんまり深く考えずに、さくっと調べただけですが、このようにして調べるといろんなことが見えてきて楽しいですね♪
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