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2008年4月15日 (火)

P・Eのない外国法人の課税のトレンド 2

昨日、PEのない外国法人に対する課税の強化方向の原稿を書いたら、今朝の日経のトップで、PEのない外国法人に対する課税の見直しの記事が載ってました。

 

 これは、少し説明しないとわけがわからなくなりますね。

 

 国際税務の基本的な考え方になりますので、国際税務といっても日本をベースに考える場合は日本の税法がまずあって、それを外国と調整する租税条約がそのうえに乗っかる場合もあります。

 税金をかける場合に重要な要素として、何に日本の税金をかけるか。誰に税金をかけるかということがあります。

 何ということで、当然、日本で生み出される所得については、日本で税金を払いましょうと定められている。

 この日本で生み出されている所得というのを税法ではいくつかのタイプにわけている。

 

 次に、誰に税金をかけましょうかということですが、たとえば、日本で作った法人と外国法人でわける。 外国法人については、たとえば、日本に支店(PE)があるか否かでわける。というようにわけていきます。

 そして、この誰がどのタイプかで、日本で税金がかかる所得の範囲が異なるわけです。

 たとえば、外国法人でも日本に支店がある場合は、日本法人と同じで、日本で生じた所得については、全部税金をかけますよとなります。でも、日本に支店がないような(P.Eのない)法人に関しては、その範囲を限定しましょうとなっているわけです。

 で、日本に支店のないような法人については、「国内にある資産の運用若しくは保有又は国内にある不動産の譲渡により生ずるものその他政令で定めるもの」については日本で税金をかけましょうとなっています。

 昨日は、この国内にある資産の運用もしくは保有の範囲を広くとらまえて、不良資産の回収益に関してPEのない外国法人に課税したというお話です。

 で、今日の新聞ネタは、不良資産の回収益ではなく、たとえば、日本の会社の株式の運用益のことです。

この運用益を売買益と配当にわけます。

日本の会社の株を売買して儲けた所得というのも、当然、日本の資産の譲渡による所得と考えられるのですが、P.Eのない外国法人の株式譲渡益については、原則的には、日本で課税されません。例外的に買い占めた場合や、不動産のかたまりのような株の譲渡益の場合は日本で課税されます。

また、配当に関しては、たとえ日本にPEのない外国法人に払った場合でも課税されますが、これは、いわゆる源泉分離課税という方法です。

PEのない外国法人が日本の株に投資する場合、あまり知識がないので、誰か専門家に運用を任すことが多くあります。この専門家は投資顧問会社といわれるものです。

平成20年の改正前の税法では、投資顧問会社のようなタイプの業者に運用をまかせた場合、この投資顧問会社が外国法人のPEであるようにも考えれていました。

そうすると、外国法人が日本の株に投資した場合の売買益や配当に関しては、日本の法人が日本の株に投資したのと同様に、日本でその全部に対して法人税が課税されるということになります。

でも、これは、世界のトレンドとしてはおかしい。租税条約においては、このような投資顧問会社におまかせで株式の投資をした場合は、その投資顧問会社をPEとしないとしているのが多いですし。税金がかかるなら日本になんて投資したくないぞというお金持ちもいっぱいいる。

そこで、一定の投資顧問会社については、PEとしませんよと平成20年の改正でしたわけです。

その結果、PEのない外国法人が投資顧問会社を通じて日本で株式投資をしてもキャピタルゲインには日本では、原則的には、課税せず、配当については源泉分離課税のみをするということになるというわけです。

日本にお金をいれてもらうために税金をかけないようにするための法律を整備する一方で、日本で大儲けをして利益を無税で持っていく外国法人に対しては、理屈をこねて税金をとろうとするお上。この辺の境界線を作って欲しいですねえ。

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コメント

国内における常任代理人が、PEに該当します。
なので課税されます・・
外国銀行の利子の課税免除 恒久化はけしからん・・
結局、本国で課税されるので、銀行は得をしない

投稿: みうら | 2008年4月15日 (火) 20時13分

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