« 浪花おふくろファンド | トップページ | 中古マンションの再生はファンドで »

2008年5月 1日 (木)

サプライム評価損と複合金融商品

金融機関の決算が発表され、サプライム関連の証券化商品の巨額な評価損を計上しているところが目に付きます。

 昨日は、ドイツ証券の証券化商品の評価が問題だと金融庁が処分を検討されるようです。

 サプライム関連の証券化商品は、単純な金融商品でなく、その中にデリバティブを仕込んで、いっぱい儲かるけど、こけると損もでかいよというようなものが結構あるのではないかと思います。

 

 このような金融商品は、一般的には複合金融商品というテリトリーで会計処理を考えるのだと思うのです。

  複合金融商品では、次の3つの要件を満たす場合は、金融商品のうち、デリバティブ部分を切り出して、時価評価してねとなってます。

 この3つの要件とは、

(1)     組込デリバティブのリスクが現物の金融資産又は金融負債に及ぶ可能性があること

(2)      組込デリバティブと同一条件の独立したデリバティブが、デリバティブの特徴を満たすこと

(3)      当該複合金融商品について、時価の変動による評価差額が当期の損益に反映されないこと

 でも、昨年までは、多くの証券化商品を持っている企業は、時価評価をしていなかったのではないかと思うのです。なぜなら(1)の要件というのは、契約上リスクの生ずる可能性があっても、格付けが高いことなどからリスクが生じる可能性が低いと推定されるような商品については時価評価する必要がなかったからです。

 で、この1年で価値がジェットコースターのように急降下

 そこで、会計士協会の3月26日の「証券化商品の評価等に対する監査に当たって」によると、「複合金融商品については、取得当初、組込デリバティブのリスクが当初元本に及ぶ可能性が低いとして区分処理をしなかった場合であっても、期末時点における信用リスクの状況により区分処理の要否を検討する必要がある。

 つまり、再度、評価を見直して、時価が下落している場合は、適切に評価しなさいということだと思います。

 ところで、税務上のこの取扱いはどうなっているかというと、

法基通2-3-42(有価証券等に組み込まれたデリバティブ取引の取扱い)

 法人が、有価証券(法第61条の3第1項第1号《売買目的有価証券の期末評価額》に規定する売買目的有価証券又は法第61条の7第1項《時価ヘッジ処理による売買目的外有価証券の評価益又は評価損の計上》の規定の適用を受ける同項に規定する売買目的外有価証券に該当するものを除く。)、金銭債権、金銭債務等(以下2-3-43までにおいて「有価証券等」という。)で、デリバティブ取引の組み込まれたもの(以下2-3-47までにおいて「複合有価証券等」という。)を取得し、又は発生させた場合において継続的に、当該複合有価証券等に係る取引を有価証券等に係る取引と当該デリバティブ取引(以下2-3-47までにおいて「組込デリバティブ取引」という。)とに区分し、当該組込デリバティブ取引につき法第61条の5第1項《デリバテイブ取引に係る利益相当額の益金算入等》の規定を適用しているときは、これを認める。

 つまり、区分経理を継続適用しているような場合だったら、今回の損失もすんなり認めてもらえると思うのです。

 しかしながら、上記にも書いていたように、ほとんどのケースは、いままで時価評価せず、今期、泣く泣く評価損計上だと思うのです。

そうすると、この通達を使えないように思うのです。使えないというのは、この通達を使って、税務上も費用にすることができない。税務上費用にできないということは、その分、利益が増えるから、払う税金も多くなる。これでは困りますよね。

だったら、以前、このブログでも書いたように証券化商品が有価証券だったら、有価証券の評価損として税務上の妥当性を検討する必要があるのですが、これが難しい。どのように企業が税務処理を対応されたかは、有価証券報告書が出るまで待つしかないですねえ。

|

« 浪花おふくろファンド | トップページ | 中古マンションの再生はファンドで »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 浪花おふくろファンド | トップページ | 中古マンションの再生はファンドで »