東山魁夷展
先日、東京国立近代美術館で開催されている東山魁夷展を見に行ってきました。
実は、信託大好きおばちゃんは、東山魁夷には思い入れがあります。まだ、信託大好きおばちゃんが、とってもかわいかった頃(そういう時代もあったのだよ。)、某美術館でずっとアルバイトをしていたのですが、そこでの最初の仕事が、この東山魁夷展の受付嬢でした。
何週間も仕事をしていたので、自然と、東山魁夷の絵が、一枚、一枚、心の中に記憶され、ふっとしたときに、思い出されるのですね。
東山魁夷の絵に、登場人物はいません。すべて、自然、自然の生の美しさが、東山魁夷さんの透き通った眼を通して発酵し、素敵さを切り出しています。
東山魁夷さん自身は、絵の製作の過程でさまざまな心の格闘があったと思いますし、人間ですから、それなりにどろどろとした感情のうねりもあったと思います。
しかしながら、彼が作り出した絵の中に、人間のいやーな格闘のかけらも見えません。絵を覆うのは、静謐。人の営みなどは、自然の営みに比較すると卑小なものにすぎないんですよ。もっと研ぎ澄ました心眼で物事を見なさいと語っているように思えます。
彼の絵は日本人の心にフィットするといわれます。ドラマチックな物語はないのですが、さりげない光景の一部分に、人の細やかな心のひだに穏やかに染み入るものがあるからではないでしょうか。
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コメント
昨年7月に大阪のセミナーで出会って以来、おばちゃんのファンになったおばちゃんの一人です。硬い内容のブログはパスして趣味の内容のもは欠かさず読ませてもらっています。温泉やら、美術鑑賞やら大学院やら難しいお仕事ともに充実した日々を送っておられるようでうらやましい限りです。最近ジョッギングはまり、マラソン完走目指して日々頑張っています。
投稿: zzz | 2008年5月 8日 (木) 23時44分