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2008年6月30日 (月)

CDSの会計と税務

 先週の金曜日、土曜日、日経で広がる「広がる倒産保険」CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)市場の特集が書かれていたので、今日は、このCDSの会計と税務の整理ですが、最後の方は、かなりマニアックです。

まず、会計

金融商品会計に関する実務指針138項 クレジット・デリバティブの会計処理によると、クレジット・デリバティブ及びウェザー・デリバティブ(お天気デリバ)のうち、デリバティブの特徴(①なんらかの数値の変動を参照して、変動するもの、②取引の最初は、等価だからお金のやりとりがない、③差金決済が可能、つまり、将来の一定時期に、参照したものが実際にやってこない)を満たし、市場価格に基づく価額または合理的に算定された価額がある場合には、当該価額を持って評価する。日経新聞に書いてあるようなCDSは、合理的な時価があるから時価で毎期末評価してねということでしょうか。

ただし、クレジット・デフォルト・オプション(CDO)のうち市場価格に基づく価額または合理的に算定された価額がないものについては、債務保証に準じて処理する。ということは、受取保証料または支払保証料として、発生主義で処理をし、期末に時価評価をしない。

次に税務

法人税基本通達23391)を少しアレンジすると

デリバティブ取引でみなし決済金額の算出が困難なもの

イ 債務保証等類似デリバティブ取引(クレジット・デフォルト・スワップ)は、みなし決済金額はないものとする。この場合において、法人が債務保証等類似デリバティブ取引について支払を受ける又は支払うプレミアムの額は、期間の経過に応じて益金の額または損金の額に算入する。

時価がわからないようなものは、掛捨保険を払っているような処理をしてねということかな。税務も会計とほとんどかわらないのだけど、値段がついているようなCDSはやっぱり、時価評価をしないとまずいのでしょうねえ。

次に債務保証等をしていた相手先がこけて支払い事由が生じた場合はどうなるのかというと、

法人税基本通達2341をこぴぺすると、

1) 支払事由が生じると同時に支払金額が確定する場合 法人が当該支払事由の発生を知り得ることとなった日の属する事業年度の益金の額又は損金の額に算入する。

2) 支払事由が生じた後に支払金額が確定する場合 支払金額が確定した日の属する事業年度の益金の額又は損金の額に算入する。

 ようするに、こけてしまって支払い金額が確定した時点で損失処理OKということ。

ここからマニアックな世界

じゃ、クレジットリンク債(CDSを組み込んだ債券 複合金融商品の場合)は、どうなるのか? 組み込んだCDSを継続して時価評価しているような場合で、もし、信用保証している相手先がぼろぼろになって、クレジットリンク債の評価がめちゃくちゃ下がったのだけど、まだ、相手先がこけておらず、したがって、支払義務が生じていないような時点で、時価の下落に基づいて評価損を計上した場合、その損失は損金となるのか? それとも、手仕舞いされ、すってんてんになった時点でようやっと損金となるのか。ちゃんとした時価(?)があって毎期時価計上した場合と、受取保証料を発生主義で計上した場合とで、評価損の計上時期がずれるのか?

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