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2008年6月 4日 (水)

改正エンジェル税制は魅力的か否か

 今朝の日経の1面に、エンジェル税制がつかいやすくなったので、ファンドを作る動きがあるような記事があります。

 ところで、このエンジェル税制は、どんなものか?

 これは、設立まもないベンチャーなどで、一定の要件にあてはまる会社に個人が投資した場合は、出資した時点で、出資した金額から5,000円を引いた金額を、配偶者控除や社会保険料控除のように、所得の金額から差し引いて税金を計算しましょうということです。ただし、上限があって、所得の4割か1,000万円のどっちか低い方までというものです。

 日本の所得税のしくみは、超過累進税率といって、所得が大きくなるほど、その所得にしめる税金の割合が大きくなるしくみです。生活するために必要なお金というのは、大金持ちでも貧乏人でもべらぼうに違わないので、余剰部分については、税金としてもらってもいいでしょというようなことだと思います。

 この仕組みで考えると、貧乏な人(税率が低い人)が無理して投資するよりも、大金持ちの人(税率が高い人)が投資をする方が、税金が減るメリットをたくさん受けることができます。

 従来のエンジェル税制でも、出資した時点で、出資額の控除は可能でしたが、出資をした年度に、他の株式を譲渡して、儲かった場合は、その儲けから出資額を差し引いて税金を計算するというしくみでした。もし、他の株式を譲渡していなかったら税メリットはなかったわけです。この制度は残るようですが。

 でもね。 でもね。 この出資した株式は、いつか大化けするという期待もあって買っている人が多いでしょ。上場した場合は、それこそ、投資した金額の何十倍、何百倍のリターンがある かも しれない。 多額の株式の売却益にたいして税金を払わないといけない。

 平成20331日までは、エンジェル税制の適用を受けた株式を譲渡した場合は、譲渡益に対する税金は、通常の株式の譲渡益に対する税金の半分でよかったのです。この制度は逝ってしまった。

また、出資時に所得控除の対象となった出資金相当額については、その株式を譲渡するときは、譲渡収入から差し引けなくなるから、出資時の税金を減らすメリットはありますが、キャピタルゲインがでたときに、その部分についても税金がかかってしまいます。

 とはいっても、大化けする確率はそんなに高くないし、出資する時点でメリットを受ける方が投資家としてはありがたいでしょう。それに、株式の譲渡益に対する課税は、改正で益々、複雑系になるけど、それでも、一定の税率で、大金持ちの人の他の所得に対する税率と比較すると低いのです。

 やっぱし、出資時の大盤振る舞いは、金持ちの投資家にとっては、まっいいかと思えるものなのかなあ。

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